第12話

 「…ねぇ、ロイ」

「んー?」

本を読んでいた瑞樹は、ある事に気付いた。

「僕達、もしかしたら……」

告げられた言葉に、ロイは顔を真っ青にした。

これは、とある休日の事である。


 「今日は何するー?」

「絵本読もー!」

「ロイさん絵本読んで下さい!」

「瑞樹さーん!」

「…ロイさん?瑞樹さん?」

反応しないロイ、瑞樹に不思議がるfamiliar隊員達。

「……!!皆、ドアから今直ぐ離れて!!」

「命令だ!!」

突如殺気立つ瑞樹、ロイに吃驚しながらも命令に従う隊員達。

直後、ドアが大きな音を立てて破壊された。

「きゃーっ!!」

「何なにナニー?!」

パラパラと落ちる瓦礫。

砂埃が舞う中現れたのは――ヒーローだった。

「ヒー…ロー……?」

「な、んで…?」

カタカタと怯え出す隊員達。

「ヒーローが何の用です?」

「言っとくけど…この子達に手ぇ出すんならロイ達を倒してから!…まぁ、あんた達ヒーローには絶対負けないケド!」

愛想モードになる瑞樹、隊員達を守る体制になるロイ。

「ハッハッハッ…!そう警戒しないでくれ給え」

「私達は貴方達を救いに来たのよ」

軽快に笑う大柄のヒーロー…ユウキ。

慈しみの笑みを放つヒーロー…ノノ。

他にも、多くのヒーローがfamiliarのアジトに入って来た。

中には、大切に育てた畑や花壇を無自覚に踏み荒らすヒーローも。

「花壇が…」

「野菜、そろそろだったのに…」

「何で、今…?」

「またいじめられるの…?」

「あら、そう怯えないで頂戴?私達は…ヴィランから貴方達を保護するの」

「ヴィラン?どの口が言うんだか」

ハッ、と嗤うお下げ髪の隊員。

「さっさと出ていって下さらない?僕達の気が変わらない内に」

「あのさー、ロイ達からみりゃあんた達がヴィランだからね?」

ヴィランvsヒーロー

何方が勝つのか―――

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