第6話

 「わぁ!静留様、竜斗様だ!」

「今日は何するんですか〜?」

「落ち着け、お前ら」

「順番にね!」

静留達を囲んだのはfamiliarの隊員達。

familiarは小さい子供から大学生迄様々な年齢の者が居る。

其の内、半数はDioが保護した者達である。

「ちゃんと良い子にしてたか?」

「勿論ですよ!」

「お勉強頑張りました〜!」

皆、此処ではのびのびと過ごしている。

苦しく、寂しい思いはもうしていない。

そう、このfamiliarの隊員は皆、虐待やいじめを経験している。

静留や竜斗はそんな子供達を救うべく日夜活動しているのだ。

「静留様…僕、頑張ってfamiliarの幹部候補生になります!」

幹部候補生とは…其の名の通り、幹部候補の隊員の事だ。

幹部候補生に成る為には其れ相応の努力が必要である。現二大幹部であるマオ、ルカも血の滲む努力をして幹部に迄登り詰めた。

「おう、頑張れよ」

静留がそう応援すれば齢12に満たない少年は嬉しそうに顔を綻ばせた。

「ヒーローなんて偽善者です。ヴィランである静留様、竜斗様が私達を闇から救い上げて下さりましたから」

眼鏡を掛けたお下げ髪の少女は言った。

皆、考える事は同じ。

信じている事も同じ。

静留や竜斗…Dioに救われた。

Dioに恩返しをしたい。

Dioの様に人を救いたい。

ヒーローは、偽善者。

ヴィランこそが、救世主。

さぁ、君も我らの手を取るが良い―――!

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