第12話 無知のバカは使い用
目のあたりが少し痛む。
そういえば昨日、たくさん泣いたような気がする。
人前で弱みは見せたくなかったんだけどな。
横になっているような気がする。
目を開けて頭を上げるとどうやら疾風が枕と毛布をかけてくれてたみたいだ。
疾風は反対側のソファで気持ちよさそうに寝ている。
昨日だいぶ泣いたせいか喉が渇いた。
確か一つ下の階に自販機があったはずだ。
疾風の仕事机の中を少し漁らせてもらう。
中が100円玉を2枚取って部屋を出る。
非常階段を使ってくれ1つ階を下がる。
そこでは早朝出勤組らしき奴らが缶コーヒーを飲みながら喋っている。
気にせず俺は自販機で缶コーヒーを買う。
恐らくそれを見ていたのだろう。
後ろの連中の1人が笑ってる。
「ガキには少し早いんじゃねの?
ははは。」
おそらく俺のことを知らないのだろう。
周りの連中は慌ててる。
無知のバカを相手するのを時間の無駄だと思う。
しかし、少しムカついたため少し煽り返してやろうと思う。
「ガキ相手にそんなことする暇あったら仕事に戻れよ。
どうせ自分の担当する場所が終わってないからこんな朝早くから出勤する羽目になってんだろ。
ダサっ。」
簡単な煽りをしたら図星だったのか顔を赤くしてなにか言いたそうだ。
気にすることなく飲み終えた缶を捨てて部屋に戻る。
その途中、そいつはガキみたいに
「うるせぇガキ!」
とキレていた。
そして周りの奴らは俺のことを知っているのだろう。
ペコペコ頭を俺に下げている。
バカの相手は簡単だが、時と場合によってはそれが仇となる。
「友達付き合いは考えたほうがいいぞ。」
一言だけ残して疾風の部屋に戻る。
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