第11話 弱音
「さて。
ここで一度踏ん切りはつけた。
お前は今後どうすっておい
大丈夫か?。」
ようやく自由になった。
そう実感したためか気が抜ける。
それと同時に目からなにかこぼれ落ちる。
「え?
あれ?
何で俺泣いてるんだ。」
何故か泣いている。
拭っても拭っても溢れ出てくる。
今までこんな事が無かったから頭が混乱している。
「なぁ、疾風。
何か止まらねぇんだよ。
どうすれば……」
目の前が暗くなる。
いや、疾風に抱かれている。
疾風は泣きそうな声で
「辛かったよな。
頑張ったよな。
お前は頑張ったよ。
弱音を吐かずに一人でよく耐えた。
お前はようやくあの二人から開放されたんだよ。」
俺はようやく現実を理解した。
あの二人から開放されたのだと。
言葉が溢れ出る。
「俺だって好きで病気になったわけじゃない。
ただ普通に生きて親に愛されたかった。
幸せに生きたかっただけなんだよ。」
あぁ。
今だけは何も考えず弱音を吐ける。
今だけは辛さを言える。
今だからこそ一人じゃなかったとわかる。
「お前らがいたから俺は頑張れた。
ありがとう。
ありがとう。
疾風。」
そこまで行って俺の意識は事切れる。
昔の俺へ
今ようやく幸せを少し知れたと思う。
今日の日までお疲れ様俺。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます