第6話 夢と学校
夢を見ていた。
色のない病院にいた。
そこには見覚えがあった。
いつもの病院だ。
体に倦怠感がない。
おそらく夢だろう。
せっかくなので散策してみる。
何も変わらない。
街に出てみる。
何も変わらない。
大樹のもとに行った。
色が薄れているが他のに比べると色がしっかりしている。
そして、少し割れ目のようなものがある。
それに近づいた瞬間意識が覚醒する。
「…い、…きろ翔。」
聞き覚えのある声だ。
「おきろ翔。10時すぎだぞ。」
疾風の声だ。
「うるさい。あと少し寝る。」
俺がそう言うと疾風は
「お姫様、目覚めのキスが必要ですか?」
と言うことを言ってきたため急いで起き上がり
「いらん。」
と勢いよく言った。
それに対して疾風は勢いよく笑いながら
「お前が起きなかったら俺が困るとこだったから助かるわ。」
と言った。
「何があった?」
と聞くと
「お前学校行かないか?」
と唐突に言ってきた。
「は?」
と話を聞いてみると
組織の仲間から学校の制服をご発注してしまって誰か使わないかという話が出てそれに抜擢されたのが学生年齢の俺という訳らしい。
更には学校関係の仲間が空きがあり捩じ込めるから学校に通わないかと言っているらしい。
俺はため息を吐き疾風に言う。
「俺が行くと思うか。」
というと疾風は
「だよな、じゃあ無理って…」
という発言に被せるように俺は
「行くぞ。」
と言った。
疾風は
「は?」
と驚いた表情でこっちを見てる。
「どうせ年を迎えたら死ぬような命だ。少しぐらい学園生活っての体験してみたい。」
と言うと疾風は涙を流していた。
俺はどうして泣いてるか分からないためパニックになり
「え?疾風どうした?目にゴミでも入ったか?大丈夫か?」
と聞くと疾風は涙を拭いながら
「いや。最近のお前は昔みたいに目が虚ろになりながら退屈そうにしててよ不甲斐なさを感じてたんだよ。そんな中お前がやってみたいって言ってくれたことが嬉しいんだよ。」
といったことを言ってきた。
俺は
「そ…そうか。」
とその話題には触れずこれからのことを話し合うのだった。
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