第3話 名前

彼女は俺の一言に対して不満を表すような表情で

「否定はしないですけど、少し直球的では?まぁ、私の行動が原因だってのは分かってるんですけどね。」

と言ってきた。

俺はそれに対して立ち上がりながら

「お前こそ俺を身長で見てただろ。俺だってもう少し身長が欲しいに決まってるだろ。」

と少し逆ギレのような形でキレる。

それに対し目の前のやつは

「それは申し訳ありませんでした。しかし初めてあったため仕方ないことでは?それと、お前ではなく名前で読んでくれませんか?」

とあまり悪いと思っていない様子だ。

俺は人と関わることが極端に少ないため彼女に対して

「じゃあなんて呼べばいいんだよ。」

と聞いてみると少し笑みを浮かべ

「お好きに呼んでください。天音でも咲でも構いませんよ。」

と1番困る選択肢を出してきやがった。

俺は

「天音。これでいいか?」

と少し無愛想な感じで聞いてみた。

すると彼女はとても嬉しそうな笑顔で

「はい。」

と元気な返事を返してきた。

そして俺は1番気になっていたことについて聞いてみる。

「ってかお前制服着てるってことは学生だよな。何で今ここにいるんだよ。」

と聞いてみると天音は

「それはそちらもではないんですか。私と同じ学年なら貴方も学校に行ってるはずですよね?」

と痛いところを付いてくる。

正直自分の事は話したくない為

「ただ不登校なだけだよ。なんか悪いか?」

と言うと天音は

「それは申し訳ありません。少しデリカシーがありませんでした。」

と謝ってきた。

そしてどちらも気まずくなりどちらも黙り静寂が訪れる。

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