第2巻-第20幕- 第2巻あとがき & 13幕改良版

 読者の皆様、こんにちは。無名作家の真幻 緋蓮です。

 この度は『如月喫茶で優雅な一時を 二』を手に取って下さり、ありがとうございます。

 前回よりも喫茶店で繰り広げられる展開について、少しでも面白いと思っていただけたら幸いです。


 さて、今回の話のテーマは結婚というよりは再婚の考え方、結婚詐欺についてという大人の女性向けのような話になりましたが……


 どうしてこうなったのか、私自身も困惑しております。

 

 一応、私は独身男性の結婚願望すらない最低なクズなんですけれども、どうやってこんな話を書くことが出来たのか不思議で仕方ありません。

 元々のプロットは『DV男に立ち向かうヒロインとその母親』という感じに構成は練っていたんですけれども、DVの話を書くのはちょっとムズいよな……という半ば諦めモードから、再婚と詐欺の話に転進していったのではないかなーって思ってます。

 もしこの話をお母様方が呼んでいらっしゃるのでしたら、結婚願望がない独身男性が書いた絵空事のような物語と思っていただけたら結構です。はい。


 前回の後書きの続きじゃないんですけど、実はそれなりにコーヒーに少しハマってしまいまして……。この小説もコーヒーを飲みながら書いたりしてます。仕事場でも自分からコーヒーを飲むようになりましたし、ブラックが凄い美味しく感じるんですよね。子供の頃は全然飲めなかったのに……。これが大人になったというものなのでしょうか?

 グラニュー糖一本全部入れると「あっま……」と感じるようになったので、私はブラックに慣れたように感じます。

 相変わらず、喫茶店には行けてませんが。


 今回の物語では一牙君はそこまで活躍せず、代わりに柊茄の母親の暮撫が主人公のように思える物語になりました。色んなキャラクターにスポットを当てて書いていきたいと思っていますので、これもアリなんじゃないかなと思っています。

 次の物語のプロットの構想はある程度練っていますので、後は文字にどう書き起こすか。水無月市の都市部の風景をなるべく多めに取り入れたいと思っていますので、もしかすると水無月市の都市部の全貌が明らかになるかもしれません。学校、駅、住宅街、交番、煉瓦道と、割とありきたりな街並みを想像しているかもしれませんので、次の物語ではその辺も含めつつ、新たな地名を掘り下げていきたいと思っています。


 それと、簡易的ではありますが、如月喫茶の内装とその近辺の地図を描き出してみました。一巻の内容と一緒にご覧いただけますと更に嬉しいです。さらに振り仮名も多数付けてみました。これで読みやすくなったのではないかなと思います。


 最後に謝辞を。

 今回、この本を手に取って下さった皆様に多大なる感謝を。今後も精進していきますので、何とぞよろしくお願いいたします。では、また次回の『如月喫茶で優雅な一時を 三』でお会いしましょう。



PS.現在の真幻 緋蓮より。

 とうとう2巻まで投稿し終えちゃいました。早いものです。

 Twitter(現X)の私のツイート(現ポスト)でも色々言っていますが、如月喫茶は繁盛するような喫茶店じゃないので、数年前の私の構想とは相容れないものとなっています。住宅街にあるひっそりとした喫茶店なんだから、一牙君たちが「疲れた……」って言うくらいの繁盛ぶりは解釈違いなんですよね。二巻執筆時には何とも思っていないんですが、巻数が増えていくことにつれて、数年前までとの矛盾点が色々出てきてしまうなって思います。もうちょっとキャラクター設定とかは念入りに決めておかないとダメですね。この二巻も一巻と同様にノリで書いているところがあったので。

 如月喫茶の解釈違いもそうなんですが、割と一牙君のキャラクター性も今の一牙君とはやや異なっているんですよね。曇妬相手に頻繁に「バカ」とか暴言を吐くような子じゃないですし、カウンセラーやってるのに空気をぶち壊すみたいな発言を投下するのも今となっては少し違います。少しクールっぽく、周りをしっかりと見ているのが本当の一牙君なのでね。その辺は次回の三巻くらいから大体固まってきてますので。

 三巻から本格的にキャラクター性が確立してきており、このPSを書いている今も一牙君たちのベースはこのキャラクター性になります。三巻はちょっとサスペンスっぽく書きましたのでお楽しみにお待ち下さい。

 あと、コレは個人的な悩みですが、如月喫茶の三巻を次に投稿するか、二巻と三巻の間に作った新人賞落選作品を投稿しようか迷ってます。落選作品は供養みたいな感じで投稿出来ればと。三巻の更新が無かった場合、私の作者欄のところに新作が一つ投稿されているかと思いますので、そちらからお読み下さい。


 下に13幕の追いかけっこシーンの改良版を置いておきます。今の私の脳内上の水無月市は別作品のお陰もあって大体固まってきており、それと照らし合わせると大きく異なるところが多かったので、住宅街及び大体の位置関係の修正も込めて書き直しました。地図がカクヨムに載せられれば良かったんですけど、地図心が無い人なので主要道路とかしか書いていないんですよね。地図が読めない、方角が分からない人にとっては……ちょっと苦痛かもしれません。ごめんなさい。


作品名・・・・如月喫茶で優雅な一時を 二

発行年月日・・二〇二〇年六月




 ♢   ♢   ♢


【 13幕改良版(一部)】

 一方、柊茄は如月喫茶がある住宅地を東の方角へ走っており、水無月駅方面へ向かっていた。

「はぁっ……はぁっ……」

 信号が無い住宅地とはいえ、安全を確認しながら走らないと自分が事故に遭う場合もある。安全を確認して走って、また止まって走ってを繰り返していると息も絶え絶えになり、走る速度も落ちてきていた。

 毎日歩いて水無月高校へ登校しているが、体育の時間以外でも真面目に運動しておくべきだったと自己反省しつつ、先ほどまであった出来事を思い返していた。

『いらっしゃい』

『お、お邪魔します……』


【 中略 】


「はぁっ……っつ、着いた……」

 住宅地を抜けて水無月駅に通じる片側二車線の道路に出て、その道を北上すると水無月駅へ到着する。

 GWに突入した水無月駅の活発具合は異常とも呼べるほどだった。祭りでもあるかのように人がごった返し、もの凄い人口密度になっている。行き交う人々は若者が多く、高校生や大学生、家族連れが多いように感じた。

「いるのかなぁ……」

 流石にこの中を探すのは骨が折れる。そもそも西峰が水無月駅にいるという確証もない。家を知らない以上、水無月市で人口が集まる場所を虱潰しに探すしかないのだ。

 一牙たちは如月喫茶があるので協力を得ることができない。曇妬はあまり役に立たなさそうだから敢えて声をかけなかった。というよりも曇妬に声をかけるというのを失念していた。

 つまり、一人で探すしかない。

 額に湧き出た汗を袖で拭い、水無月駅の人混みへ突入する。


 その頃、曇妬も自転車で駆け抜けて柊茄の後を追っていた。中学の頃からの相棒は今も変わらず風を切って進んでいく。

「ったく……どこ行ったんだよ……」

 曇妬が如月喫茶を出たのは柊茄が出て行った約五分後である。走っている柊茄を自転車で追いかけるには容易いことのように考えていたが、詰めが甘かった。

 というのも、柊茄がどの方角へ進んでいったのか分からなかったからだ。国道の方へ行ったのか、それとも駅の方に行ったのか、はたまた川の方に行ったのか。

「うーん……駅か?」

 考えるよりも直感で行動する派の曇妬は水無月駅の方へ向かったと予想し、直感に従ってペダルを漕ぐ。

 水無月駅へ通じる道に出ると、普段よりも多い人の波を見て目が回った。

「しゃーねーか。GWだもんな」

 水無月駅からやや南下した交差点のところに水無月公園と呼ばれる大きな公園がある。水無月市を代表する公園として市のwebサイトにも表示されており、水無月市民や水無月市外、県外からも遊びに来る人が多い。

 リュックを提げた子供連れの家族が南の方角へ歩いて行くということは、向かう先は水無月公園だろう。

 足で地面を蹴りながら自転車専用レーンへと移り、歩行者専用レーンを横目で見ながら北上する。水無月駅に到着しても、歩行者専用レーンに柊茄の姿は見当たらなかった。

「あ、柊茄!」

 左右をキョロキョロしながら何かを探しているような様子の柊茄を見かけたが、すぐに水無月駅の構内に入ってしまった。おまけに人々がごった返している水無月駅のため、柊茄の姿は一瞬の内に分からなくなってしまった。

「ちいぃっ! この人の数じゃあ自転車引いても無理だなぁ」

 数秒くらいは目で柊茄の場所を捉えていたが、その姿はたちまちの内に消え失せ、視界に入る全ての人は完全に知らない人だらけとなってしまった。

 自転車を引いて歩いている人は数人見かけるが、柊茄を探すとなると、自転車は荷物となってしまう。自転車を置いて柊茄を探しに行くにも、駐輪場まで行かなければいけない。その間の時間に柊茄が水無月駅から出て行ってしまう可能性も捨てきれない。

「一旦戻るかぁ」

 曇妬は柊茄の追跡を諦め、自転車をくるっと回して戻ろうとする。

「あ、そうだ。一牙に連絡しとこ」

 ポケットにしまってある携帯を取り出して一牙に電話をかけた。


【 中略 】


『はぁ……分かった。交番の人に見せたら削除しろよ。明日確認するからな』

「オッケー。んじゃ行ってくる」

 ぷちっと一牙との通話を切り、自転車を反転させて、路地ではなく水無月高校がある国道の方へ南下する。

 案の定、水無月公園がある大きな交差点は子供連れの家族で一杯だった。

 その交差点を国道を渡らずに右へ、西の方角へ曲がる。少し進むと一軒家のような建物の交番を発見した。

 水無月高校前の交番は、水無月高校の正門から国道を挟んだ向かい側の歩道にある。入り口は水無月高校の正門からほぼ正面にあったりする。生徒の安全を見守る役目、水無月市民の平和を守るためにこの場所に位置しているのだ。

 曇妬は歩道の柵に自転車を寄りかからせて止めると、水無月高校前交番に入っていく。

「すんませーん」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る