第2話 司書の仕事
前回紹介した各図書館を紹介する前に司書の主な仕事内容を説明したいと思います。
収集、整理、保存して提供するというのが大きな枠組みとなります。
・窓口、カウンター業務
一番イメージし易い業務ですね。
利用者登録や貸出や返却、予約の手配などです。
これだけのイメージで図書館の仕事は椅子に座ってバーコード通すだけで楽というイメージの人もいます。
・配架、書架整理
これも分かり易いですね。
返却された図書を所定の書架へ戻す作業です。
図書館の資料は基本的に十進分類法に基づいて並べられています。
特設、別置棚を作ったり、書架を分類順に整えたりなどもこの作業に含まれます。
また、蔵書点検もここで紹介しておきます。
年に一回すべての図書を点検(棚卸)します。
盗難や事故などで無くなってします図書が年間一定数出てしまします。
すべての蔵書をバーコード(IC)を通してチェックします。
・レファレンス(参考調査)
簡単な内容では利用者からこんな本ありますか?というようなものから、
日常の疑問など様々な質問に蔵書を元に調べ回答する仕事です。
「なぜ空は青いの?」というような子供からの質問もあれば、
100年前の~の土地はどうだったのか知りたいといった郷土資料を調べる内容もあります。
ちなみに、懸賞や宿題などに関する内容、医療に関すること、鑑定など価値に関することはお答えできません。
・選書業務
これは字のまま、本を選ぶ業務。つまり図書館にどの本を購入するか決める仕事です。
かなり重要な仕事です。自分の図書館のコレクション内容を把握し、
年間の決められた予算からバランスよく購入するものを決めなければなりません。
これは、その図書館の特色によって購入する図書の割合に影響します。
例えば、農林業が多いエリアであればその分野の本が多めになりますし、
新興住宅地で子育て世代が多いエリアの図書館ならば子育てや絵本、児童書などが多くなります。
地域の特色やどういう図書館を目指しているのか、しっかり把握したうえで検討する必要があります。
また、逆に不要図書を除籍する業務もあります。
購入から一定年数経ったもので利用状況や他の図書館の所蔵状況などを加味したうえで判断します。
図書館では規模にもよりますが年間数千冊~購入します。
10年で数万冊以上増えますのでどうしても書架に入りきらない。
・資料系業務(目録)
購入した図書をデータ上で登録する業務などです。
本のタイトルや著者、出版社、ISBNなど各種データは書誌データとして登録されますが、
ほとんどの図書館ではMARC(マーク)と言ってデータを丸ごと購入しています。
ただ、海外の資料なども多く扱う大学図書館では司書が直接入力するところが多いです。
実際の海外の本を手に取って、各情報を読み取り、更に分類上どれかを考えて入力します。
慣れないとかなり時間がかかる作業です。
特に、英語の資料はともかく、中国語やロシア語となると誰でもすぐにできるものではないですよね。
また、購入した資料を図書館の書架に出す際は装備が必要です。
分類が書かれたラベルや、バーコード(IC)
そしてブッカーと呼ばれる透明なフィルムを全体にカバーします。
ここに含めるものではないかもしれませんが、
図書の破れや背割れ、水濡れなど必要に応じて修理もします。
・相互貸借(ILL)
図書館同士で資料や複写物を貸し借りする制度です。
大学図書館では特に他大学に論文や専門書を依頼することが多いです。
・読書啓発活動
図書館の資料はすべての人に利用されるものです。
利用してもらえるように様々なことをします。
季節や行事ごとに特設展示を行ったり、窓口を飾りつけしたりは見たことがあるのではないでしょうか。
児童室では絵本の読み聞かせ会や工作会を。
一般向けには歴史、郷土、健康、文化など様々な教養講座、講演会などを開催します。
それらの広報用チラシやPOP作成、図書館だより作成なども含まれます。
今あげた基本的業務は公共や大学、学校図書室どこでもあるかと思います。
大学図書館だと、大学の講師や学生とのやり取りで、
調査研究目的の資料取り寄せが多くなりますし、
海外資料の調達や資料登録もあります。
大学の学部学科次第で特定の言語について知識がある。
または、例えば医大や専門学校などでは特定分野の知識があれば就職に有利です。
学校図書室の場合は小中高生とのコミュニケーションは勿論、
授業支援のための選書など教諭とのコミュニケーションも必要になります。
また、PTAや地域のボランティアが補助する場合もありますのでうまく調整する必要があるのと、
選任司書を配置していない図書室が多く、一人で複数の学校を見たり、
あるいは選任でも人数が極端に少ないこともありますので、
一人がオールマイティに全部ある程度できないといけません。
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