図書館と司書の話

和谷幸隆

第1話 司書になるには

近年、図書館や司書がタイトルに含まれる小説が多く出て人気になっています。


それらを読んで図書館で働きたい、司書になりたいと思う人もいると思います。


そこで、図書館や司書について現役司書の立場から話をしていきます。




まず、司書になるにはどうすればいいか。


図書館で働くには絶対ではありませんが、「司書資格」を取得している人がほとんどです。


では司書資格はどうやって取ればいいのでしょうか。


文部科学省HPから引用すると、


【司書になるための資格の取得方法について】

次の三つの方法のうちどれかに該当すれば資格を取得したことになります。

1) 大学(短大を含む)又は高等専門学校卒業生が司書講習を修了し資格を得る。

2) 大学(短大を含む)で司書資格取得に必要な科目を履修し卒業を待って資格を得る。

(→これには通信制・夜間・科目等履修を含みます)

3) 3年以上司書補としての勤務経験者が司書講習を修了し資格を得る。




分かり易く説明すると、


司書課程のある大学在学中に講義を受けて必要単位を取得する。


大学卒業後に司書講習を受講する。

(期間は夏季に1~2ヶ月程度。実施大学は限られる。)


通信系大学などで取得する。

(通常1年程度かかる。)


大学にいるときに単位を取るのが一番簡単に思えますが、


文系の卒業単位が約130単位に対し、司書資格に必要な単位は約30と、


週に何コマも講義数が増えますので負担は増えます。


教職のための講義も受けていたら更に講義数が増えることになります。



社会人になって取得する場合は通信か短期講習ですが、


通信はイメージ的にすべて自宅でと思う人もいるかもしれませんが、


スクーリングが必要な場合も多いですし、実習やレポートも思った以上に厳しく見られます。


費用は16万程度になります。



講習は大学が休みの夏場だけ実施され、


実施大学がかなり限られるので場合によっては県外で受ける必要が出てきます。


講義は平日の朝から夕方まで詰まっています。


一か月以上かかりますので働いたままでは受けるのは難しいですね。


一方で単位は比較的甘く出してくれる印象があり、難易度では一番低いと思います。


短期講習の費用は12万程度になります。



さて、資格を取得して図書館で働くにあたって図書館にはどのようなものがあるか確認しましょう。


国会図書館


公共図書館(地方自治体の図書館)


大学図書館


学校図書室(小中高 公立、私立)


民間図書館(企業など)


その他図書館(専門図書館等)



次回は、図書館ごとの特徴や仕事について話したいと思います。

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