第47話 推しと極上の膝枕
朝食を食べ終わり、リビングで未来たんとのスキンシップの時間。
未来と佐藤は、激しく、体を密着させて、未来たんから癒しを受けていた。
「佐藤さん、気持ちいいですか?」
「未来たん、スゴクいいよ.....」
リビングのソファで未来からの行為によって佐藤は骨抜きにされていた。
現在、佐藤は、朝食後に未来たんからソファに座る、未来たんの腿に頭を乗せて横たわり、膝枕をされて駄目人間にされてしまっていたのだった。
どうして、こうなった?!
このような事態となったのには早朝に時間を遡る必要があるだろう。
朝、目を覚ますと、空は、曇天が空を覆う、怪しい雲いきだった。
今にも雨が振ってきそうな空を窓から覗き、昨日の疲れが取れないまま起床して寝足りない体を無理やり起こす。
こういう日は憂鬱で、只でさえ会社に行きたくなくなるり、気力も削がれてしまう。
ダイニングへ行くと、テーブルには、未来たんの作った朝食の数々が並んでいた。
鮭の塩焼きに、玉子焼き。それから、味噌汁。
どれも美味しかった。が、これから会社へと向かうと思うと憂鬱な気持ちになる。
「佐藤さん、顔色が悪いですね。お疲れですか?」
「ちょっと、昨日は疲れてさ......」
「あの、わたしで良ければ癒してあげましょうか?」と未来たんは提案する。
「え?」
「ちょっと、こっちに来てください」とリビングに移動すると、未来たんはソファの端に腰を下ろし、自分の腿をポンポンと叩く。
「膝枕をしてあげます、男性は疲れているときはこれが、一番と聞くので」
「イヤ、でも......」
(いきなり、どう受け止めていいか困る。だけど未来たんに癒されたい。少しだけなら...)
と、佐藤は未来たんからの誘惑に負けて膝枕という極上の癒しを受けることになり現在に至るのだった。
「佐藤さん、気持ちいいですか?」と未来たんから膝枕して貰い、髪をモフられながら梳かれる。
「ああ、気持ちいいぞ」
未来たんの指の柔らかな感触が頭皮を優しく刺激され、最高に気持ちよく、腿の程よい、弾力と反発で極上の膝枕を味わっていた。
「ありがとう、未来たん。最高だ」
(やばい、これ眠くなるやつだ)
「お気に召したようでなによりです
「佐藤さん、眠かったら寝てもいいのですよ。わたしが後で起こしてあげますから」
「それじゃあ、少しだけ、10分したら起こしてくれ」
少しくらい寝ても遅刻はしないだろう。今は、この癒し堪能したくて、そう言い残し、寝不足も相まって、深い眠りの海へと沈んでいくのだった。
***
眠りに墜ちてからどのくらい経っただろうか?深い眠りから意識が覚醒すると視界に入ってきたのは
下から見上げる大きな山だった。その主張を放っている双山よりも佐藤が気にするべきは他にあった。
(今、何時だ?)
急いで腕時計を確認すると眠ってから一時間が経過していた。
会社は遅刻が確定の時間だった。
佐藤は、がバッと体を起こす。
「あら、お目覚めですか?いい夢、見られましたか?」
「うん、スゴク心地よかった。って、そうじゃなくて!どうして起こしてくれなかったんだ!どうしよう遅刻だ!!」
あまりに焦って、未来たんを責め立ててしまう。確かに、彼女は起こしてくれると言っていたのにどうして?!わざと起こしてくれなかったのなら意地が悪すぎる。
「あえて起こさなかったのです」と耳を疑うことを言う未来たん。
「なんで、こんなことをするんだよ!」
未来たんの意図が分からなかった。
「佐藤さんをこんなになるまで疲れさせ、苦しめる会社なんて一日くらい休んでしまえばいいのです」
きっと、佐藤の辛さと苦しみが滲んだ顔を見て彼女なりに心配してくれたのだろう。
会社を休む?!何を言っているので未来たんは。佐藤は混乱して、体を心配して言ってくれた言葉も、会社に洗脳されている佐藤には届かなかった。
「佐藤さん、落ち着いてください」
「これが、落ち着いていられるか!」
遅刻したら、部長になんとどやされるか部長の怒声を想像しただけでも強烈なストレスを感じる。
「佐藤さん、話を聞いてください!」と未来たんは語気を強めて言う。滅多に大声を出さない彼女の言葉に、黙ってしまう佐藤。
「佐藤さん、会社辞をめましょう。ね?」
「未来たん?」
彼女が何を言っているか分からない。会社を辞めるだって、そんなことできるわけないだろ!
だって、何度、会社を辞めようかと思ったことか。
それを試みてはその度に、佐藤は部長から説教を喰らい、最後には諭されて、現在もこうして辞めらえずにいるのだ。 もう諦観するしかなく辞めることはできないんだと諦めていたいのだ。
だから、そう簡単に辞めさせてもらうことなど出来ないのだ。
「あなたをこんなに苦しめる会社で働き続けたら、佐藤さんが、壊れてしまいます。だから、ね?」
「未来たん......」
俺の体を心配して言ってくれているのだな。俺でも、未来たんが辛い状況下でアイドルをしていたとしたら同じことを言ったかもしれない。
そして彼女は驚くべき発言をする。
「佐藤さんには、わたし達『新生放課後シスターズ』のプロデューサーをになって欲しいのです」
「お、俺がプロデューサー!?」
耳を疑った。サラリーマンの社畜経験しかない俺が、プロデューサーなど、勤まるのだろうか?
「そうです、だめですか?」
「えっ...それは......」
それでも、今の自分を変えられるのならば、挑戦したい気持ちはあった。
それよりも、いきなりの申し出に頭が追いついていかなく今は、極上の膝枕に身を預ねる。
今日は、完全に仕事に行く気を無くした佐藤は、仕事を休むことにした。
その後も未来たんとのスキンシップを楽しんだ。鳴り響く、スマホの着信音は無視して。
***
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