#3 神様、ただのニートだった。
トウマ
「ひええええええええ助けてぇぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇぇ!!!!」
「まったくもう、しっかりしてくれよ」
!?この声誰?
振り返ると、そこにはそこらへんを歩いていそうないたって普通のおじさんがうんざりした顔で立っていた。グレーのバーカーにぶかぶかのカーキのズボン、いわゆる学校で教えられる「不審者」や「ニート」のような恰好をしていた。
「だ、誰?」
「お前で言う神だよ。神様。元な。はー、さっきまで神だったのに…」
「神様?いや、んなわけwwwどこのキチガイだよとっとと出てけやwww」
おっと口が滑った。
「お前マジで雷落としたろか?事情説明してやるよ」
そういって神?は事情を説明してくれた。
到底信じられないような話ではあるが、実際小人になるっていう考えられないようなことが起こってるわけだし、なんとも情けない話だけど確かに辻褄は合う。
てか俺が今まで祈ってた神ってこんなヒキニートってマジ?アマ〇ラ見てたら追い出されたてどんだけだよ…w
「ってことでさー、俺マジでこのままだと天界に戻れないんだわ。あと長老様が言ってたけどなんか君普通にやってたら死ぬらしいよ。なんかそこを俺の魔法攻撃?かなんかで守らないといけないんだってさ。」
「魔法攻撃ですって!?見せて見せて(;゚∀゚)=3ハァハァ」
魔法攻撃なんて異世界転生には付き物だよなぁ!?ほんとに使えるのか!?
「ある程度って言ってたからなぁ…どんだけ使えるんだろ、せいっ」
パキン、という音とともに目の前に体より一回り大きいくらいの半透明の壁が一瞬で現れた。
「なにこれキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!マジで!?マジでか!?」
「一応壁だけは作れるみたい、攻撃はできないorz」
「え?防戦一方ってこと…?」
「そうなる…かも(^q^)」
「えぇ…」
「一応周りの確認は通常の人間視点、165cmくらいで見ることができるし写真はその視点で撮ろうと思えばいくらでも撮れるっぽい。あ、なんかデカい手みたいなのは出せた(^q^)」
「ああああああああそんなもの何に使うっていうんだぁぁぁぁこの貧乏神ぃぃぃぃ」
「お前俺が天界に戻ったら雷&地獄送り確定な。」
「(m´・ω・`)m ゴメン…」
「('ω')dナカユビ」
ウザい顔をするのには自信がある。
その時神様のキレ顔が一転して明るくなった。
「あれ、これ魔法陣?もしかしてさっきの壁とか前座?いやこれは勝ったなww」
「魔法陣にしてはちゃちくね?」
神様の足元にあったのは二つの大きな円だった。
「ちゃちいとか言うなよ、シンプル・イズ・ザ・ベストでしょ?」
「いや、その魔法陣なんか欠けはじめてね?」
「ゑ?」
実際そうだった。綺麗な円だったものがだんだん円グラフみたいに欠けてきている。
「そういえば壁もクソデカ腕も数秒だったな…」
「これもしかしてそのスキルのクールダウンじゃね?」
「あ、だから円が二つあって…」
「あ…」
まさかスキルにクールダウンがあるとは思いもしなかった。本当にパッとしない。
多分この青い円の方が減っているから先に発動して時間が経過している壁の時間だろう。逆に反対の赤は腕だと推測される。確かにあの腕は赤かった。
「はぁ…これ大丈夫なのか…?」
「てか、俺がスキル持ってるだけいいと思えよ。いなかったらお前死んでるんだぞ。そもそも俺は神様なんだから敬語を使え敬語を」
「いやだね。ニートに様付けも癪だから呼び方は『かみっち』でいいわ」
「しばくぞマジで。今無理だけど。」
こんなやり取りをしながら考えた。俺今んとこ死ぬ要素ないよな?
「お前後ろ!下がれ!」
かみっちの声色が一瞬で強いものに変わった。表情も強張っている。
後ろに大きな影を感じたのはそのときだった。
とっさに駆け出し、後ろを振り向いた。
そこで見た景色は恐ろしいものだった。
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