第50話 キャンプde鍛治仕事

さて、街からも離れた場所なので、夜通し鍛治に没頭しても騒音問題はないだろう。


ポー君とチーちゃんは、ギルド運営の宿屋にこもり、ポー君の裁縫仕事をチーちゃんがフォローするらしい。


チーちゃんは料理以外は完璧だし、アイテムボックス持ちで、暖かい食事も提供可能だから、


アイテムボックスに食事のストックさえあれば最強だ。


〈今回はチーちゃんのどんな衣装を作るのかな?〉


教会は結界が有って行けないチーちゃんに、

何故かポー君が、〈シスター〉の服装をチーちゃんに着せて宿屋で教会ゴッコをしていた時には〈性癖〉を心配したが…


ある意味、正しい〈悪魔人形〉の使い方かな…


と、無理やり納得してみた。



そして、俺とアナは、この草原で、


俺は、鍛治仕事に、


アナは、遠征時のお弁当をストックする為に料理を頑張ってくれるらしく、小屋にてキャップ生活をしている。


比較的弱い魔物しか出ないエリアでエルフの魔物避けのお香を使わなくても大丈夫みたいだし、


〈トンテンカン〉とデカい音を鳴らしているのでそうそう魔物も近づいて来ないだろう。


朝から晩まで鍛治をしながら、


たまにアナが、


「オルナス、スープ出来たよ。」


と言って熱々お鍋を俺の所に持ってきたりして、


俺が、


「私が呼んでくれたら取りに行くから」


と良いながらアイテムボックスに収納して、


「次ナニ作る?何が食べたい?。」


と言って暫く話す以外は鍛治に打ち込んだ。


と言っても、


基本装備の要らない俺と、


お人形さんと、お人形さんサイズの妖精さん…


ウチのいたずらっ子なお姫様の装備がメインになる程度だ。


先にサイズの変わらないチーちゃんと


もう、妖精さんとしては成長しきっているポー君の装備からだ。


頼まれたミスリルの指輪の制作に、


チーちゃんには、ポーくんから、


〈この服に合う装備をお願いします。〉


と、動き易そうな〈騎士の制服〉のチーちゃんバージョン…コスプレ衣裳?を渡されたので、


魔力が上昇して〈ブースト〉という強化魔法も強くなるらしいから、武器の刃や、装備の各所にミスリルを装飾して、


魔物素材の粉末も練り合わせ鍛え上げた鋼をベースに作る予定だ。


因みに魔物素材の粉末は、素材屋さんに頼めば、アダマンタイトのヤスリでゴリゴリと粉末にしてくれる…手間賃をとられるが…


今回買った鱗は防御力上昇と、

爪は速度上昇に牙は攻撃力上昇で、かなり解りやすい一般的な魔物素材を選んだ。


〈攻撃力がかなり上がるが防御力が下がる〉


みたいな難しい効果の物はパスした。


そして、ある意味一番手間がかかるかも知れないポー君の装備だが、


鉄の兜では重く、ポー君の唯一の売り飛行時の速度を殺していた…なので、


カブトムシの外骨格を使い、軽くて強い虫の王様みたいは装備を作る予定だ。


ただ、新たなレイピアはパーティーで唯一の完全な〈ミスリル〉武器にする


ミスリルが軽いのと、武器自体あまりミスリルを使わないので奮発する事にする。


そして、


アナは、ステータスが二倍に成って、


少し重く成っても十分扱えそうなので、


牙を追加した鋼の弓…少々固くても地球からしたら、三倍の基本ステータスに二倍の祝福なので、一般的女性の6倍強い…つまり、一般男性の四倍強いとされる高知県の女性と同じ…


あれ、どっちが強いのか?


高知の〈ハチキン〉はメンタル面の話かな?


まぁ、まぁ、難しい話しは置いておこう。


とりあえず、アナは前より二倍、強くて可愛い〈強カワ女子〉に成ったのだ。


気合いを入れて装備を鍛えるぞ!




と、鍛治に明け暮れること一週間…


アナの、


「新婚生活みたいね」とか

「あなた…ご飯よぉ。」とか

「あなた、そろそろ寝ましょう?」とかの


新婚さんゴッコに心をかき乱されつつも、何とか今回の予定の品を作りあげた。


途中から誰も見ていないからと〈パンツ一丁に鍛治用のエプロンと金づちとヤットコ装備〉になり、作業をすると4倍スキルに2倍の祝福で8倍状態で、作業がはかどるはかどる!


試しにエプロンまで脱ぐと、基本ステータスが6倍のボーナス〈身体能力強化〉も使えて更にはかどった。


鍛治の火花も12倍ステータスでドンと来いだし、神様パンツの自己修復能力で火花による焦げすらなくなる。


いっそ、神様パンツが〈自己学習〉〈自己増殖〉でもすれば、パンツ一枚で無敵な装備になりそうだが…手が光るタイプのガンダムさんに倒される未来が見えるので、〈自己修復〉のみで助かった…


そんなこんなで完成したのが、


まずは、チーちゃんの装備…騎士の軽装備風でミスリルを刃に使ったサーベルにした。


〈ナイフだけだとチャッキー感が強いので、〉


ただ、アイテムボックス持ちなので、余った鋼でナイフや槍、斧などもチーちゃん用の小型サイズに合わせて作ったので、場面に応じて使い分けてくれるだろう…


色んな意味でチーちゃんの〈お掃除〉がはかどるはずだ。


そして、ポーくんは、少し和風のカブトムシ装備で、オデコから角の生えた〈ほぼカブトムシ兜〉に、背中の羽の動きを邪魔しない〈貧坊っちゃま〉スタイルの胴鎧…どちらもちょっと良い革素材と合わせて、軽くて強い防具が出来たし、

ミスリルで作った〈銘刀一寸法師〉というアイスピック…いや…レイピアも作った。鞘とかは和風にして五月人形みたいだ。


五月人形風と悪魔人形のカップルの誕生となる…


そして、


一般的な人族は別に魔力を上昇させなくても、大丈夫というか意味がないので、


鋼装備にした…べ、別にあんだけお金を使ったのに、〈ミスリル〉が板チョコ程度しか買えなかったからじゃ無いんだからねっ!!


〈いゃ~、ミスリル高いわぁ~、〉


ポー君、チーちゃんが〈食べる用のミスリル〉をおねだりされてたけど…


気の毒に…まぁ、人の幸せって十人十色だしね…


さて、本題、アナの装備は〈鋼シリーズ〉だが、足や腕の装備には速度上昇の鋼を使用し、


胸当てや腰当てや兜には防御力上昇の鱗入りの鋼を使用し


弓とショートソードにはハイエナ魔物の牙を混ぜて鍛え上げた攻撃力上昇の鋼で作った力作だ。


〈さぁ、計れ〉と言わんばかりのアナの採寸もした最新の…アナの体に合わせた逸品だ…


〈数ヶ月でそんなに寸法に変化は無い〉と思っていた自分を殴ってやりたいよ。


〈恐るべし成長期…〉


どこがとは言わないが…


今回の装備も月単位で調整が必要になりそうだ。


そして、俺…と言うかパーティー用に、


ツルハシやスコップとタワーシールドも鋼で作っておいた。


刀も作ろうか?


と思ったが…俺の成長がまだなので、当面は脇差し〈無名〉を使い続ける予定だ…グスン


アイテムボックスにミルクまだ有ったかな…

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