第8話 示談に向けての話し合い

…神様にキッチリお説教してやった…


生まれてながらに健康で丈夫で身体能力の良い体が欲しかったので有って、


〈生まれたままの姿なら強い体ではない!〉


と…


神様は、


「いや、ほら、あっちの世界の言葉を神力で覚えたてホヤホヤで、


…すみません…」


とションボリしていた。



スキルの説明を聞いたら


生まれたままの姿なら、基本ステータスの10倍


パンツを履けば、マイナス2されて8倍


靴下でもマイナス2されて6倍


シャツでもマイナス2で4倍


ズボンでもマイナス2で2倍


上着を着ればマイナス2で基本ステータス


靴を履けばマイナス2されて二割引ステータス


帽子やツルハシなどでも判定があり、


四割、六割とバーゲンセールが始まる…


〈冬場にちょっと体調が悪いのはこのせいか!〉


と納得する反面、


〈なんちゅう厄介なスキルをくれとるんじゃ!〉


と憤る…


しかし、この世界の基本ステータスが前世の二倍から三倍程有りそうなので、


冬場の〈調子が悪い〉状態でも、前世の絶好調の俺よりも元気いっぱいだった…


そこに関しては〈有難い〉のだ。


そして、この俺のスキルの名前は〈裸一貫〉で、


基本ステータス〈五倍以上〉でボーナスが付く、超激レアスキルらしい、


そのボーナスとは、〈身体能力強化〉スキルが使えるのだ。


〈あの、体の中の何かの力を体の各部に集中すると身体能力が上がるアレかぁ…〉


と納得する…


そして、〈ファイナルモード〉になれば…ってスッポンのポンになれば物凄い攻撃を出せるらしいが…多分使わないし、〈使いたくない〉…


…しかし、5倍以上とは…また微妙な設定だな…


結局、


パンツとツナギとサンダルならば〈4倍〉…身体能力強化を引き出すには、


やっぱり狩は〈パンツ一丁〉か〈ノーパンツナギ一丁〉でなければ武器すら装備出来ない…


そして、どちらも裸足決定だ…


いっそ〈素手〉で倒せる何か覚えれば…


いや、いや、それよりも、〈スキル〉の変更をお願いしたい!


と閃き、神様に〈チェンジ〉をお願いするが、


「それは無理だ…追加する事は出来るが、交換はで出来ない…」


と…申し訳無さそうに話す神様に、


俺は、


「ならば、手ぶらで移動出来るスキルか、


基礎体力などを底上げするスキルを下さい!


ツルハシと武器を持って鉱石集めに行ったら、ツルハシと刀も〈装備〉判定されて疲れ易いし、


鞄や荷車まで〈装備〉判定されたら、これから冬に成って厚着になれば基本ステータス十割引で死んでしまわないか心配です。」


とゴネてやった。


すると、神様は、


「アイテムボックスは追加でやれるが、あまり沢山のスキルを持つ子供は〈貴族〉に目を付けられるぞ…


鑑定スキル持ちが平民の子供を見てまわり、騎士や使用人にスカウトしたりして囲い込み、


将来は自分の娘や息子の為にあてがい、スキルを沢山持った子供を生む道具にされる…


貴族はアホみたいなスキルでも〈数〉が貴族としてのステータスらしい…


12歳を越えて一人前に成ってから手に入れる〈スキル〉では無くて、生まれながらに手にする〈スキル〉の〈数〉って…


お笑いだな…」


と、呆れながら話す神様に、


〈いや、いや、お前の世界だろ?!〉


とツッコミたくなるが〈グッ〉と我慢した。


俺は、


「じゃあ、アイテムボックスだけはすぐ下さい。


あとは、〈12歳〉をすぎてから〈年貢〉的なヤツでお願いします。


出来れば〈体術〉とか素手で使えるスキルや、〈体力〉や〈防御力〉を上昇させるスキルが欲しいなぁ」


と、おねだりしてみる。


神様は「う~ん、う~ん…」と悩んだ後に、


「年貢って毎年?」


と質問してきたので、


俺は、


「別に毎年で無くても良いし、


何なら、


〈この者に手を出すな!〉的な〈お告げ〉でも出して貴族の魔の手から守ってくれるのなら、


今、まとめてポンと一括払いでも問題ないですよ。」


と答えた。


神様は、


「なら、一括払いでお願いしようかのぅ…


一年なんてあっという間だから忘れててしまいそうだし。


えーっと、〈オルナス君〉だね…


君の事を調べて、貴族達が手が出さない方法を考えるから…


そのまま少し、待ってね。」


と言って、神様は瞳を閉じてブツブツ言い出した…


そして、


再び、


「申し訳無かった!


こんなにも過酷な人生を…両親を失くして…


我は謝罪にかまけてソナタの様子の確認を怠っておった…」


と、土下座を始めた。


俺は、


「それはもう良いから…


それに、最高な育ての親に拾って貰って、楽しい毎日を送ってるからっ」


と、土下座を止めてもらう。


神様は、


「本当?本当に許してくれるのか…」


と聞いてくるので、


俺は、


「それに関しては感謝してるぐらいですよ」


と笑顔で答えると


神様は、


「優しいのぅ、〈オナ兄ぃ〉…」


と…


〈あっ、やっぱり許すの止めようかな…〉

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