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泡沫/泡沫 希生 への簡単な感想」への応援コメント


  • 編集済

    丁寧なご感想を、また素敵な企画をありがとうございます。

    この作品の方角が気になっていたのでスッキリしました! 北北西ということで、僅かでも西を向いているなら良しとします。
    SFは普段書かないのですが(意図してSFにしたのではなく、プロットを考えている内にSFになり、いつもと違う作風に挑戦したかったためそのまま書きました)、
    「SFが得意とする表現アプローチだと思います」ということで、ジャンルと方角の相性という点で考えると、結果的にはこの方角で良かったのかなと。

    北を薄くしようと思いながら書いたので、仰る通りです(笑)。
    薄くするというのは、北から離れるわけではないという点は勉強になりました。あくまで、その方角が弱くなるということなのですね。

    >北(=鰹出汁)が薄味で、色々な方角(=出汁)が候補に挙がっちゃう
    読者によって方角に関する感想が違うのを見て、それはつまり読者を惑わせているということなので、
    作品の方角の観点から見ると中途半端なのだろうな、と思っていたので納得しました。

    設定についてですが、
    今作はある程度背景設定を考えてあり、ご推察の通り、地球にかつて存在した国々がそれぞれの星の領有権を主張しています。時には星を取り合うこともあるイメージです。そして、未来では領星の領土が足りなくなると、新しい星を探します。

    >一般的なSFって星由来で発生した組織がその星を支配する
    そうなんですか……! すみません、普段SFを書かない(読んだ経験も少なめ)ので、それは知りませんでした。
    設定を考えるのは好きなので(言ってしまうと本文を書くより好きなので)、背景設定をお褒めいただき嬉しいです。

    火葬・墓について、なぜ墓がなくなったのか設定もあったのですが、説明しすぎるのもアレかなと思い「今では墓を作らないけれど、主人公は墓という言葉は知っている」という点を残したのがまずかったのかなと。
    思い切って、これらについての言及をバッサリなくしても良かったのかもしれません。
    未来を生きる主人公が知らなくても(現代を生きる私がお墓はどうしているのかと疑問に思ったとしても)、ある意味それが主人公にとっては、自然なことなのでしょうから。

    >やりとり中に出てくる文化は私達の価値観およそそのまま
    これは仰る通りで、分かった上であえて書いた部分もあります。個人的に、どれだけ時間が経っても変わらないことはあるのではないかと思っていて、そこを描きたかったというのがあります。

    ただ、実は、指切りはプロットになく、書いている途中で入れたのですが、
    入れたいと思ったのは「現代の私」なわけで、「未来の主人公」の思考ではない。その時点で、この物語は現代的な思考・価値観の方へ意図せず寄っているのだと気づきました。
    もう少し未来の主人公に寄った思考が出来れば良かったのかなと、感想を読んで思いました。

    そういった風に、ここは未来の価値観で描写する、ここは現代の価値観に寄せる、という点をしっかりすると、仰っているような「背景に感じる設定の質感とやりとり中に感じる設定の質感」の接続感がより出せるようになるのではないかと考えました。


    改めまして、丁寧なご感想を本当にありがとうございました! 
    本作は自信がないところもあったのですが、フィンディルさまの感想を読んで、書いてよかったなと強く思いました。
    企画参加作品の読みだけでなく、感想もお書きになり、企画の運営をありがとうございます。くれぐれも無理はなさらないようお気をつけ下さい。
    長々とコメント失礼いたしました。

    作者からの返信

    ジャンルで考えてもらったらわかりやすいんですけど、現代ドラマっぽさを減らそう減らそうとしたら中世ファンタジーになるのかというと、それは別の話じゃないですか。和食っぽくない料理を作ろう作ろうとしたら中華料理になるのかというと、それは別の話。

    ただ読者を惑わせるのは決して悪いことではありませんし、中途半端なことも決して悪いことではありませんよ。
    何も北西とは真北にも真西にもなれなかった方角である! ということではありませんからね。真北でも真西でもないからこその良さがあり、それは本作も同様です。北が強くないからこその良さがあると思います。


    私もSF作品に明るいわけでもデータもとったわけでもありませんので、飽くまでイメージの話です。
    ただイメージとして現実の国の領土そのままの感覚で惑星単位になった、というのは面白いなと思います。惑星単位の領土感覚から始まるイメージがあるので。よくわからないオリジナルの帝国ではなくて、あそこは元々アメリカなんだよね、みたいなのが面白いなと。

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    個人的に、どれだけ時間が経っても変わらないことはあるのではないかと思っていて、そこを描きたかったというのがあります。
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    これは仰るとおりだと思います。現実世界とは大きく違うSF世界だからこそ現実世界そのままの価値観を示すことの良さというのは確かにあると思います。SF世界なんだから現実世界とは違う価値観を示さないといけない、ということはありません。
    ただそれがちゃんと作中表現として出ているのかというのは、やはり別のことだろうと思います。
    指きりげんまんも、学校で古い習慣として習っただけなのに、育った環境が違うはずの二人がスムーズに行えてますからね。まるで指きりげんまんが“古い習慣”という名の現役の文化であるかのように。
    作者の意図がどうであれ、作中表現として「現実世界とは大きく違うSF世界だからこそ現実世界そのままの価値観を示す」という見せ方ができているか、「現実世界とは大きく違うSF世界なのに現実世界そのままの価値観が出ちゃってる」という見せ方になってしまっているのか、ここが基本的に大事になるだろうと思います。そしてそれは細部こそが物語るのだろうと。
    こういう作業・技術ってSFならではなのところがあると思うので、面白いなと思われましたらあれこれ考えてみると楽しいかなと思います。

    お気遣いありがとうございます~。
    ありがとうございました!