第4話 な、なんだって!?


「私は、妖怪」



な、なんだってー!? ようか……


……妖怪ぃ? 黄泉の国にかよ?それに、妖怪になんて全然見えないが。



「…ここって何なんですか」



もしかしからここは、俺が知っているかたすとは違う場所かもしれないと思い、質問する。


「私は妖怪」はスルーする。


すると、女の人は待ってましたと言わんばかりに早口で言った。



「ここはかたすと呼ばれる所で、俗に言うあの世です。ここでは沢山の妖怪が暮らしていて街があり、貴方妖怪のため、ここに来ることが出来ました」



……紙に書いてあるのをそのまま読み上げてるみたいだな。それほど長くないのに覚えてきたんだろうか。




「もう一回言ってもらえます?」


「ここはかたすと呼ばれる所で、俗に言うあの世です。ここでは沢山の妖怪が暮らしていて街があり、貴方も妖怪のため、ここに来ることが出来ました」



貴方も妖怪のため。



貴方も、妖怪のため。



貴方も……



「ちょちょ、妖怪? 俺が!? どういうことだよ!?」


「あ、今は完全な妖怪ってことじゃないわ」


「どっち!? 妖怪!?」



やばいやばい、頭が大混乱。妖怪になれんのか? いや、まず妖怪になるってどういうことだ?


うわぁ…よく分かんねぇ……



「ま、まず、妖怪について説明するわね」



固まっている俺を見て、女の人は妖怪について説明してくれた。





妖怪。それは古来から伝わる、人智を超えた化け物。


沢山の種類、数がいて、その特徴も様々。


ただ唯一の共通点は、今の妖怪は全て元々人間だったということ。


妖怪は化け物と言っても、生きている。寿命がない妖怪もいるが、絶対に死ぬことがないわけではない。


そして、死んでしまった妖怪の「力」は、別の妖怪ではない生き物に受け継がれる。


それが俺。



……らしい。


なんだ、なんだその設定は。力? 受け継ぐ?

どういうことだよ、余計に分からなくなった。


長ったらしく十分ぐらい話した割には、要約すると今の文と同じこと言ってるだけ。



とにかく、俺はなんかに選ばれた。


そして、これから妖怪の街? というところへ案内してくれるみたいだ。

その街へ行くことで完全な妖怪に成れるだとか。


訳分からん。



ん?……べ、別にワクワクとかしてない。断じてしてない。

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