第4話 な、なんだって!?
「私は、妖怪」
な、なんだってー!? ようか……
……妖怪ぃ? 黄泉の国にかよ?それに、妖怪になんて全然見えないが。
「…ここって何なんですか」
もしかしからここは、俺が知っているかたすとは違う場所かもしれないと思い、質問する。
「私は妖怪」はスルーする。
すると、女の人は待ってましたと言わんばかりに早口で言った。
「ここはかたすと呼ばれる所で、俗に言うあの世です。ここでは沢山の妖怪が暮らしていて街があり、貴方
……紙に書いてあるのをそのまま読み上げてるみたいだな。それほど長くないのに覚えてきたんだろうか。
…
「もう一回言ってもらえます?」
「ここはかたすと呼ばれる所で、俗に言うあの世です。ここでは沢山の妖怪が暮らしていて街があり、貴方も妖怪のため、ここに来ることが出来ました」
貴方も妖怪のため。
貴方も、妖怪のため。
貴方も……
「ちょちょ、妖怪? 俺が!? どういうことだよ!?」
「あ、今は完全な妖怪ってことじゃないわ」
「どっち!? 妖怪!?」
やばいやばい、頭が大混乱。妖怪になれんのか? いや、まず妖怪になるってどういうことだ?
うわぁ…よく分かんねぇ……
「ま、まず、妖怪について説明するわね」
固まっている俺を見て、女の人は妖怪について説明してくれた。
◇
妖怪。それは古来から伝わる、人智を超えた化け物。
沢山の種類、数がいて、その特徴も様々。
ただ唯一の共通点は、今の妖怪は全て元々人間だったということ。
妖怪は化け物と言っても、生きている。寿命がない妖怪もいるが、絶対に死ぬことがないわけではない。
そして、死んでしまった妖怪の「力」は、別の妖怪ではない生き物に受け継がれる。
それが俺。
……らしい。
なんだ、なんだその設定は。力? 受け継ぐ?
どういうことだよ、余計に分からなくなった。
長ったらしく十分ぐらい話した割には、要約すると今の文と同じこと言ってるだけ。
とにかく、俺はなんかに選ばれた。
そして、これから妖怪の街? というところへ案内してくれるみたいだ。
その街へ行くことで完全な妖怪に成れるだとか。
訳分からん。
ん?……べ、別にワクワクとかしてない。断じてしてない。
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