第8話 新たな仲間?!
《前回のあらすじ》
初めはLv1のモンスターにも驚いていたが、戦闘を繰り返し、経験値を貯め、新たな技や武器を得ることでついにパーティーはLv2のモンスターを倒せるように成長した。
次はLv3のモンスターに挑もうと掲示板を見ていると、弓を持った少女が同じく掲示板を見に来た。
ここでもゴンは積極的に声を掛けた。
「あのー…どこかパーティーに所属してるんですか?」
「パーティー??」
どうやらパーティーを知らないようだ。つまりこれは所属していない。
ここの掲示板からは一人でももちろんモンスター討伐に参加することは出来る。
ただ、モンスターは複数同時に出現することが多いことが分かっているので、一人で行くにはかなり強くならなければならないだろう。
「パーティーっていうのは一緒に討伐に行くことなんだ。よかったら、俺たちのところに入らないか?」
「なるほど…」
あまり表情は明るくなかったが、揺らいでいる様子だった。
「一緒に戦うことで励まし合ったり、そのあと飲みに行くこともあります。」
カレンは笑顔でその少女に話しかけた。ちなみに飲みに行くことがあるのではなく、今のところ100%飲みに行っているのだが。
「も、もちろん組んだから一人で行けないとか、必ず一緒に行かないといけないってわけじゃないぞ。」
「そうですか。なら一緒に行ってみます。」
その少女はサチと名乗った。
弓を戦闘のメイン武器として使っている。
弓を使える人はこのパーティーにはいないのでありがたい。
まずはいつも通り、Lv2のモンスターの討伐に行くことになった。
サチはサバサバとした性格から冷たい印象を受けるが、話してみると意外にも明るく、優しい少女であった。
シュッと引き締まった身体は、元々運動が好きで、今でも訓練所にあるジムに毎日通い、オリジナルのメニューをこなしているだけある。
弓を引くには腕力も体幹も必要だからと話すサチだが、男の渉から見てもかっこよかった。
そんな4人は初めて会った日の翌々日、再び訓練所に集まり、町の西から平原に向かった。
まずは目的地である岩に拳タイプのゴンが近づく。
そして、剣タイプの渉もそこに攻撃を加える。
その後、視界にモンスターが入ってきたらサチが遠方攻撃を行う。
もちろん3人に何かあれば、カレンが回復魔法を放つ。
その算段で討伐場所に向かった。
モンスターは案の定岩の陰から出てきた。
ゴンがおびき寄せ、ゴンと渉で攻撃する。
もう一匹のモンスターは主にサチの弓で討伐があっという間に完了した。
後方からの支援があることはとても心強かった。
ほとんど無傷の状態で戦闘を終え、4人はやはりいつもの店に向かっていた。
「サチさんにかんぱーーーーい!」
ゴンはすでにお酒が入っているかのように陽気に声を上げた。
サチは少し恥ずかしそうに辺りを見回したが、辺りの客もみな楽しそうに盛り上がっていたため吹っ切れたようだった。
サチもまた見た目に反し成人しているようで、お酒を煽っていた。
そして見た目通り強いお酒ばかりを豪快に飲んでいた。
カレンとサチは見た目が正反対だが、話は合うようで、楽し気に会話をしていた。
こうしてサチはあっという間にパーティーに馴染んだ。
勢いに乗った俺たちはLv3のモンスター討伐に名乗りを上げた。
いつもより少し遠い討伐の地に不安が大きくなる。
辺りの景色はさほど変わらず、モンスターはやはり岩陰から近付くと飛び出してきた。
Lv3だけあって、Lv2の時よりも攻撃の速度が上がっている。
少しでも気を抜くと攻撃されそうだった。
ただ、このパーティーには後方からの弓や回復魔法もまだ使うことが出来る。
そう考えると余計な心配はせず、自分の役割に徹することが出来た。
そして、思っていたよりもあっさりLv3のモンスターを討伐してしまった。
いつも以上にもらえる経験値とボーナスに心も弾む。
再びいつもの店に行き、反省会とは名ばかりの飲み会に向かった。
「なんかすっかりサチも最初からいたみたいに馴染んだな。」
「そうはいってもそんなに時期離れていないでしょう?」
「いや、初めの1ヶ月ってのは結構変わるよなあ?」
「そうですねえ、でもサチさんは馴染んでいると思います。」
飲み会も至って平和なものだった。
「Lv5ごとに赤い掲示がしてあるけどよお、あれなんだっけ?」
「あー、あれはそのレベル近辺の中で格別に強いボスキャラ的な感じと聞いたけど。」
「なるほどなあ!ボスかーいい響きだな」
「まさかいきなりLv5に行こうなんて言わないですよね?」
カレンの怯えるような眼は逆に煽りたくなるような印象を受けた。
「Lv3は楽勝だったし4人いれば楽勝じゃね?」
渉も軽々承諾した。
「え、えぇ…。」
カレンだけが相変わらず怯えていたが、他の3人はやる気に満ち溢れていた。
次の日に掲示板前に集合し、1週間前後の準備期間が取れそうなLv5モンスター討伐に向かおうと約束し、その飲み会はお開きとなった。
《次回 ボスってやっぱり強い!》
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます