第7話 習うより慣れろ!
《前回のあらすじ》
初めての戦闘では、各々緊張して力が発揮しきれなかった。ゴンと渉はそれを受けてたくさんの戦闘経験が必要と意見が一致した。3人は戦闘とその後の飲みで仲良くなっていった。
一度目の戦闘から、1週間も経たないうちに2度目の戦闘に向かった。
前回の戦闘では幸い大きなけがをしなかったので、回復も早く、武器の手入れにも時間がかからなかった。
戦闘は初めと同じLv1の敵を選択した。
ゴンとカレンと共に再び町の東から平原へと歩みを進める。
前回同様、地図はゴンが持ち、指揮を執ってくれている。
前と場所は違うが、やはり岩の陰からモンスターが飛び出してくる。
「俺、赤い方行くわ。」
今回は渉から声を掛けた。
ゴンと頷き、敵に向かっていく。
カレンは少し離れた場所から戦闘を見守っている。
必要があれば、ゴンと渉からカレンに近づくと取り決めた。
今回は、少し冷静に戦闘に臨むことができた。
相変わらず、訓練よりは体力消費が激しく、戦闘を終えると疲労でその場にへたり込んだ。
「こんなんじゃもっと強い敵に行けないな」
「経験値を上げないといけないのですかね?」
休憩を終え、再び自分の町へと戻る。
辺りを見回すと、かなり遠くの方でかすかに砂煙が上がっていた。
自分の町に帰り、経験値の確認を済ます。
再びボーナスを手にいつもの店に向かう。
「今回私活躍してないですけど…いや、まあ、その、前回も別に活躍してないですけど。」
「いるってことが心強いんだって。気にすんな!ガハハ」
いつもの店では前回と今回の反省点を話していた。
「2回目というだけでかなり落ち着いて出来たと思うんだけど、どうでした?」
「それはそうだなあ。」
「確かに私も冷静に出来た気がします。」
やはり戦闘は習うより慣れろらしい。
Lv1の敵では冷静に戦えるようになったが、今後は経験値を貯める必要があるらしいことが分かった。
そこで、次はLv2の敵に立ち向かってみようということになった。
次の日、3人は掲示板の前に集合していた。
考えることは同じで、3人ともLv2の敵の討伐情報を見ていた。
掲示板の募集自体は毎日更新されていて、それもかなりの量が貼られている。
もちろん期間があり、期間内に誰からも受けられなかった討伐は上層部が片付けているらしいという噂だった。実際はどうしているのか分からない。
また、この掲示板自体どこから情報を仕入れているのかも公開されていなかった。
ただ、そんな深いことを考えるようなパーティーではないので、いつも通り討伐するモンスターを選んでいた。
「こんなんどうだ?距離も近そうだし、Lv2らしい。」
「あ、いいですね。時期も…明後日ですね!」
受付に討伐を申し込む。
その後は各々武器のメンテナンスや技に磨きをかけることにした。
集合は当日の朝、訓練場。
いつもこの集合の時が一番緊張した。
そして例に漏れず、うまいこと言われ1日保険をかけさせられた。
当日、訓練場に集まった3人は、町の西に向け出発した。
初めて使う出口なので、その時点で少し緊張したが、雰囲気は東をさほど変わりなかった。
町の西から出て、まっすぐ進んでいく。とはいっても、目測なので直線を歩いているかは定かではない。
しかし、さほど遠くない場所の岩が基本的に目印になっているため、迷うことはない。
今度はモンスターが3匹出てきた。
魔法はまだ回復魔法しか覚えていないので、実質2人で3匹のモンスターを倒すことになった。
カレンに言わせると攻撃魔法は経験値をかなり消費するらしい。
実際のところは誰も知りようがなかった。
互いに戦闘モードに入る。
1人1匹ずつ倒していき、残りが1匹となった。
しかし、その1匹は運悪くカレンに向かっていた。
危ないと思うと同時にカレンはモンスターの攻撃を受けた。
回復魔法を使える本人が攻撃されてしまった。
大きな一撃ではなかったが、その一撃で完全にパニックになってしまっていた。
自分に回復魔法を使うという選択肢を完全に忘れているようだった。
まずはこのモンスターを倒すことだと、ゴンに目配せし、2人で急いでモンスターを討伐した。
カレンに駆け寄ると、カレンは目を白黒させパニック状態になっていた。
しばらく横にさせ、自分たちも休憩をとる。
広い平原はとても穏やかでさっき戦闘をしていたことが信じられなかった。
Lv1の時に比べると自分たちも少しけがをしていた。
「やっぱレベルが上がるってのは強いんだな。」
「モンスターが増えると難しいね。」
穏やかに話しているとカレンがゆっくり起き上がった。
「モンスターは」
やけに小さい声で問いかけてきた。
「もう討伐したよ。大丈夫か?」
ゴンは珍しく優しく話しかけた。
みなの無事を確認し、再び町へと戻った。
今回は経験値が150獲得でき、ボーナスも多くなっていた。
カレンのことは心配だが、前回も2回目以降強くなっていたし、2人が強くなることでカバーしていこうと思った。
さらに経験値が貯まってきたことで、新たな技も獲得できるようになっていた。
各々もらった経験値を元に、渉は武器の性能アップを、ゴンは武器自体をより強い物にし、カレンは回復魔法の小から中にレベルアップした。
そして、Lv2のモンスター討伐を繰り返し、カレンもすっかりモンスターに怯えなくなった。
さらに、回復魔法によって小さな傷はその日のうちに治せるようになった。
渉もゴンも攻撃性能が上がったことで2匹同時斬りもできるようになり、Lv2では余裕で倒せるようになっていった。
《次回、新たな仲間?!》
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます