3話
「冥界に行くのは許可証がいるわ。今からコノハの所に行って取って来るから、ここで待ってなさい」
「うん」
モモちゃんは天界へと行った。
残された三人はノインの棺桶の横で心配そうに待っていた。
「ノインさん生き返るよな」
「悲しい」
「わ、分かんないけど、大丈夫だよ、多分……」
「許可証もらってきたわよ」
「冥界へレッツゴー」
モモちゃんが「冥界への扉よ、出でよ」と呪文を唱えると、ピンクの縦長扉が現れた。
「どこ●もドア……」
「さあ、行くわよ!」
冥界という割に、おどろおどろしい雰囲気は何もなかった。
オフィス街という感じだった。
「何か東京みたい」
「とうきょう?」
「私の住んでる国の首都だよ。こんなビルが沢山あるの」
「へえ~」
「こんな街中に来るの初めて」
「モモちゃん、何処に向かってるの?」
「魂管理局よ。死神に狩られた魂は、とりあえずそこに集められるの」
魂管理局はスーツ姿の人達が出たり入ったりしていた。
皆、心なしか疲れておりブラック企業を思わせる。
「このスーツを着ているのが死神達よ」
「BLEA●Hだ! 尸●界(ソウル●サエティ)があるんだね!」
「何だ、それ」
「私の好きなアニメ」
モモちゃんは日本の市役所を思わせる窓口で事情を説明している。
「ノインの魂を回収した死神は誰?」
「少々お待ちください。死亡推定時刻はお分かりになりますか?」
「えっと、恐らく今日の昼1時頃よ」
「承りました。ただ今、調査して参ります」
受付の人が後ろに下がって行き、数分して戻ってきた。
「夢見 幸(ゆめみ さち)という新卒が担当しておりました」
「その子、今呼べる?」
「はい、少々お待ちください」
また数分して、鎌を持った女の子と、上司と思われる青年がやって来た。
「やっぱり武器は鎌なんだね」
「最近はアニメの影響で刀を持ちたいという死神も増えました」と受付嬢。
「自分のオリジナル斬●刀を考えちゃうやつだね! 私もやった!」
「そんなことは、どうでもいいのよ。ノインの魂は何処?」
「わ、私、何かやらかしちゃいましたか~?」
夢見は、あわあわしながら「部長~」と泣きついている。
「夢見の上司、ヒバリと申します。この度は、うちの夢見が申し訳ございませんでした」
上司と共に夢見も頭を下げる。
「こちらで、お調べ致しましたところ、ノイン様の魂は今、地獄におります」
「え~、じごじご地獄に~」
「回収できるのよね?」
「勿論です。こちらのミスですので」
「ミス?」
「魂回収リストに載っていた名前を、夢見が見間違いまして……」
リストをモモちゃんに見せる。
「あっ、neunノインじゃなくてheunホインじゃない!」
「重ね重ね申し訳ございません」
「もっ、申し訳ございません!」
「謝るのは、もういいわ」
「ノインを助けに行こう!」
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