妖怪学校へようこそ!

1話

妖怪学校は幽世にあるのよ」

「「かくりよ?」」

 ロッソとシアンが同時に首を傾げる。

「何か妖怪がいる異世界みたいな感じだよね」

「そう。この世とは別の異空間」

「そんなところに、どうやって行くんだよ」

「行く道具なら持っているわ。これよ」

 モモちゃんはエンジェルフォンからフラフープのような輪っかを取り出す。

「さすがモモえもん!」

「こ、これで行けるんですね。何かドキドキします」と口裂け女。

「幽世に行く前に注意事項があるわ。ノイン、ロッソ、シアン」

「何だよ」

「あなた達は普通の人間。あっちで迷ったり、変な輩に目を付けられたら面倒なことになるわ。だから変装をしてもらうわ」

 モモちゃんは「はい、これ」とエンジェルフォンから出した狐のお面を三人に渡し、被らせる。

「こんなんで大丈夫なのか?」

「妖怪に見えるコーティングがされているから大丈夫よ」

「へえ~」

「それじゃあ行くわよ」

 モモちゃんが輪っかを水平に持ち「幽世への道を開け」と唱えると、輪っかの先の景色が変わった。

「じゃあ、ここを通り抜けて」

 皆が通り終わると、モモちゃんは輪っかを閉まった。


「妖怪学校は幽世3丁目にあるから、ここから少し歩くわね。迷わないように注意して」

「「はーい」」

 辺りを見ると、江戸時代風の街並みが広がっていた。道を歩いているのは異形のもの達ばかりだ。ロッソとシアンが時々、悲鳴を上げる。

 

 しばらく歩くと、文明開化したような街並みになってきた。

「ここが3丁目よ。もうすぐね」

「私、学校に馴染めるでしょうか? 不安です」

「大丈夫だよ。自分らしくいこう」

「はい。ありがとうございます、葉月さん」

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