2話

天界、ショッピングモール。

「こんな所があるんだね。イ●ンみたい」

 実際、衣料品や食料品店、ギフトショップにゲームセンターまで、様々な店があった。

「ここよ」

 衣料品店の隣に武器屋はあった。そこだけファンタジーの世界に迷い込んだようだ。

「お金はあるから、好きなものを選んでいいわよ」

「ありがとう! でも、どれが私に合うかな?」

「そうね、オーソドックスに剣なんかどうかしら。女子用の軽いものもあるわ」

「剣かあ。聖剣エクスカリバーみたいな?」

「そうね。そのレプリカなら手頃な値段で売っているわよ」

「わあ、カッコいい!」

「それの女子用を持ってみて」

「これかな。どう?」

「いいんじゃない」

「じゃあ、これにしようかな」


「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。兼定の刀だよ~」

「刀剣乱●に出てくる刀だ!」

「そういえば、ノインの刀も古そうだったから、そろそろ新調するのもいいかもしれないわ」

「どうだい。お嬢さん方、最近は刀剣女子ってのが流行りなんだろう?」

「うん! 刀剣乱●効果だと思う!」

「良かったら、今回入荷した兼定の刀、買っていかないかい?」

 天界には何名かの刀匠が常駐しており、刀を鍛えているのだ。

「使うのは男性なんだけれど」

「おっ、プレゼントに刀はどうだい?」

「そうね、一振りいただくわ」

「まいどあり~」

 剣と刀を買って、二人は天界ショッピングモールを後にした。


「刀買ってきちゃったのか!」

「そうよ。兼定の刀よ」

「めっちゃいいやつじゃねえか! 高かっただろ?」

「大丈夫よ。あなたの刀、随分と使い込んでいたから、葉月のついでに買ってきたわ」

「ああ、これなあ……」

 ノインが自分の刀を見ながら答える。

「旅を始めた頃から使ってるからな。思い出もあるし、二振り差にするわ」

「それがいいと思うわ。刀なんて付喪神が付きやすいから、テキトーに扱うと呪われるわ」

「だよな」

 新しい刀を腰に差し、ノインは心機一転、旅を続けるのであった。



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