武器を買おう

1話

「そうだ、武器を買おう」

 市場で食料を調達している時、モモちゃんが唐突に、そう言った。

「いきなりだな。武器って誰の」

「ロッソとシアンのよ。三人が短剣ってバランス悪いから」

「俺達の?」

 確かに、モモちゃん含め、その三人は短剣を武器としていた。

「モモちゃんは変えないんだね」

「私のは天界の特別製なのよ。変えられないわ」


武器屋に着いた。

 並んでいる様々な武器を手に取りながら、ロッソとシアンは、ためつすがめつしていた。

「私が短剣、ノインが刀で短距離だから中距離くらいから狙えるものがいいわね」

「長物がいいんじゃないか?」

「俺、これがいい!」

ロッソが槍を持って来て言う。

「槍かあ」

 広い所で振り回してみる。

「うん、いい感じ!」

「決まりだな。……シアンは?」

 シアンは銃を見ている。

「これがいいのか?」

 こくりと頷く。

「おっ、良ければ試し撃ちしていくかい?」

 武器屋の店主が話しかけてくる。

「うん」

 ダーツのような的を前にして、シアンは銃を構える。初めての割には、良いフォームだ。

 ダァン。

「すごい! 真ん中当たったよ!」

「シアンに、銃の才能があるなんてな」

 銃と槍を買い、店の外に出る。

「良い買い物したな」

「ええ。……あとは、葉月の弓ね」

「え? 私の弓?」

「そうよ。あまりに当たらないから、向いてないんじゃないかと思うわ」

「う~ん、たまに練習してるんだけどなあ」

「天使は全員、初期装備で弓を使うわ。でも向いてないと分かったら、別の武器に乗り換えるのよ。今から天界に行って、新しい武器を買いに行くわ」

「天界まで行くのか」

「ええ。早速、行くわよ」

「うん」


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