3話

「葉月!」

 モモちゃんの呼びかけに「大丈夫」と起き上がりながら答える。

「ノイン、ありがとう」

「は、葉月? 良かった」

「後は、私がやるわ」

 ノインが退いた瞬間、3連の弓矢がシュトゥンプの胸から腹にかけて刺さっていた。

「ぎゃあああああああああああ」

 シュトゥンプが暴れ狂う。

「皆で押さえて」

「お、おう」

 葉月がシュトゥンプを組み敷いている。

 驚きつつも男性陣は葉月に従う。暴れるシュトゥンプを4人がかりで押さえつけ、モモちゃんは手錠をかける。

 それを見届けたかのように、葉月は倒れた。



「正義は必ず勝~つっ!」

「またそんな寝言を……」

「あ、モモちゃん? シュトゥンプは?」

「天界の牢獄に送ったわよ」

「良かった~。皆で倒せたんだね」

「葉月、お前覚えてないのか?」

「え、何が?」

「一番活躍してたぜ!」

「カッコよかった」

「?」

「あなた、本当に何も覚えてないの?」

「え、うん。弓とか外してたし……」

(じゃあ、あれは一体……?)

 モモちゃんは葉月の不思議な力について考えたが、結論には至らなかった。

 葉月自身に自覚がないのも不思議だ。

(またコノハに会った時にでも聞いてみましょう)


 こうしてシュトゥンプ事件は幕を閉じたのだった。

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