シュトゥンプ事件(残虐描写あり)

1話

 天界・コノハの部屋。

「次はちょっと手強い相手を用意したぜ」

「ゲームのボス的な?」

「ああ。相手はペーター・シュトゥンプ 50歳農民。12歳から黒魔術を学び、悪魔と契約をし、人狼になる能力を手に入れた。16人を殺害、被害者のうち13人は子ども、うち1人は自分の息子でその脳を食べた」

「ひえっ、自分の子どもの脳を」

「もう人間の感覚じゃないのさ」

「妖怪学校の狼男は、まだ意思疎通が出来たでしょう?」

「うん」

「そいつはもう化け物になっちまっている。もう倒すしかない」

「分かった!」


 

 異世界に戻り、ノイン達にもシュトゥンプの話をした。

「本当にやべえ奴だな」

「脳って美味しいのか?」

「ゴール●ンカムイでは食べてたよ。人間のではさすがにないけど」

「何だそれ」

「私が見てるアニメ。変なキャラいっぱい出るけど面白いよ」

「今度見てみたい」

「そういうのってどうやるんだ?」

「普通に葉月のエンジェルフォンで見れるわよ」

「私の世界のアニメ、色々、布教しちゃうね!」

「楽しみ」

 シアンがニコリと笑った。


「で、そのシュトゥンプって奴は何処に住んでるんだ?」

「この先の山小屋よ」

 

 少し歩くと古びた山小屋が見えてきた。

「ここよ」

「この家の中に脳みそ食べ野郎が」

「先に言っておくけれど、悪魔と契約している人間が黒魔術を使っている場合、聖水は効かない」

「何で?」

「相手は悪魔でも妖怪でもなく、人間だから」

「人間を倒す? ねえ、倒すってどこまで?」

「拘束して天界の牢獄に繋いでおくのよ。で寿命を迎えて死んだら地獄行き」

「専用の施設も地獄もあるんだね」

「あるわよ。まあ行く機会なんて、そうそうないでしょうけど」

「やっぱ、そういうのあるんだな」

「ええ。……準備はいい?」

 皆が頷く。

「開けるわよ」


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