呪いの鏡

1話

ある夫婦が骨董市で鏡を買ってきた。

その鏡を置いたその日からラップ音が聞こえるようになった。

ある日、夫が鏡を覗くと「うわっ」と声を上げて、それからすぐに死んでしまった。

 妻は、その鏡を恐れて捨てたが、次の日には戻ってきてしまう。


「その鏡の回収が、今回の任務よ」

モモちゃんはマップで今回の依頼主の家を示した。ここから1kmくらいだ。


「ごめんくださ~い」

 少し時間を置いて「どうぞ」という力のない声がした。

家の中には、夫を亡くし、憔悴している妻がいた。

「呪いの鏡を回収に来ました」

 奥さんは風呂敷に包んだ鏡を持ってきた。

 モモちゃんが、そうっと布を捲る。奥さんは鏡から目を背ける。

 黒色のオーラが出ており、見るからにヤバそうなブツだった。

「あっ、何か黒いの映った!」

「悪魔ね。これくらいの低級悪魔なら聖水かければ一発よ」

「ドバーッとかける感じでいい?」

「いいわよ」

 葉月は聖水を鏡にかけた。

 すると、悪魔がぬるっと出て来て、溶けた。

「はい、完了」

「こ、これでいいんですか?」

「はい、大丈夫です。鏡回収していきますね」


「今回の依頼、楽勝だったね」

「ええ、名前を持たない低級悪魔ばかりだといいのだけど……」

「ネームドモンスターだと強いって感じ?」

「そう、そんな感じ」

「いつか倒せるようになりたいね」

「そうね。頑張りましょうね」

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