5話
その頃、葉月とノインは悩んでいた。
二人の前には同じような扉が3つ並んでいた。
「分かれ道とかいうやつだな。どの扉を開けるべきか……」
「こういう時はカンで行ってみるとか」
「お前、自分のカンに自信あるのか?」
「う~ん、あんまり」
「間違った扉選ぶと罠にかかったりしそうだな。……何か良い呪文ないか?」
「今探してみるね」
葉月は呪文の本のページをペラペラと捲る。
「あっ、これなんかいいかも。正しい道を知るための呪文」
「おっ、良さげだな」
「我らに正しい道を示せ。神の名の元に我は命ず」
葉月が呪文を唱えると、小さな光が出現し、真ん中の扉の前で止まった。
「この扉だな。……開けるぞ」
扉の先はまた階段であった。
「またか……」
「こっから先は通さないぜぇ」
階段の踊り場で黒いマントを纏った男が通せんぼをしている。
「バトルだね! エンジェルアロー!」
ノインも刀を抜く。
「ブラックボール!」
黒炎が葉月達に襲いかかる。
「魔法陣ガード!」
「助かったぜ、葉月」
「防御は任せて!」
2対1で、葉月が魔法陣で防御と役割分担が出来ていた。
隙を狙って、ノインが一太刀浴びせると、敵は倒れた。
「やった! 勝った!」
ロッソとシアンの前にも敵がやって来ていた。
「あ~ら、残念。牢屋に戻ってもらうわよ」
「ウィンドカッター!」
黒魔導士が魔法で風の刃を生み出して攻撃をする。
それに対し、ロッソとシアンはロザリオでガードする。
「守ってばっかじゃダメだ!」
「俺が後ろから回り込む」
かすり傷を受けながらもシアンが攻撃に回った。
短剣で斬りつけると、黒魔導士は悲鳴をあげ体勢を崩した。
魔法の連撃が止み、その隙に、もう一太刀浴びせると、黒魔導士は倒れた。
同じ頃、地下牢では……。
「全く、この程度、敵でもないわ」
モモちゃんは一瞬で相手の隙を突き、倒していた。
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