2話

城に着いた。

「城の中に入る前に作戦会議をするわ」

「作戦?」

「二手に分かれて行動するわ」

「どういう分け方?」

「私とロッソ、シアンがAチーム、葉月とノインがBチーム」

「了解」

 ノインが頷く。

「天界の情報によると、地下牢に姫の父母、使用人が閉じ込められているから、彼らを救出するのがAチーム。Bチームは城の最上階にいる姫の救出。途中で黒魔導士と出会ったら戦闘になるわ」

「戦闘か……」

 ロッソとシアンは不安そうだ。

「そこでロザリオの出番よ。怖かったらロザリオを握っていなさい。魔の者を避けられるわ」

「分かった」

「おう! でも戦えそうなら戦うぜ」

 ロッソは山賊時代から持っている短剣を取り出した。

「まあ、やれそうならお願いするわ。ノインは心配ないわよね?」

「まあ俺は経験もあるし」


「じゃ、作戦会議も終わったし、突入するわよ」

 城の扉は普通に開いた。

「私達も地下の人達を救出したら、そっちに行くから」

「うん」


         ◆


 黒魔導士は最上階にいた。

 彼は侵入者の存在に気付いていた。

 その侵入者が5人いるということも。2つに分かれて、一方は地下に、もう片方が自分に向かっていることも、もうとっくに気付いていた。

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