3話

「そこを右に行って、ゴールよ」

 開けた場所に出ると、石の巨人が待ち構えていた。

 隅には墜落したヘリがあった。

「あの人、大丈夫かな」

 石の巨人は葉月達を視認すると、向かってきた。腕が振り上げられ、パンチが来るような動作を見せる。

 動きは、そこまで速くないので、攻撃は避けれた。

 葉月は墜落したヘリの傍に行き、ウィリアムの安否を確かめる。

「大丈夫ですか?」

「う、……う……」

 頭から血が流れていた。

「モモちゃん、回復ポーション使っていい?」

「ええ」

 葉月はエンジェルフォンからポーションを取り出し、飲ませる。

「ごく、ごく、……助かった」

 血が止まり、ウィリアムの意識がはっきりと戻る。

「ありがとう」

「おい、葉月、こっちも手を貸してくれ!」

 ノインが巨人の攻撃を避けながら叫ぶ。

 ロッソとシアンが攻撃を避けながら、足元に潜り込み、短剣で攻撃を加えているが、効いている素振りがない。

「こんなんと、いつまでもやり合ってたら、刃こぼれしちまうぜ」

「確かに、固そうだもんね」

 葉月は弓を出し、応戦する。が、そもそも当たらない。

「お前は、何で、あんな的がデカいのに外すんだよ」

「ごめん」


 幾度も攻撃をすれど、中々効いていない。

「剣じゃ、やっぱり無理か」

「だったら、水鉄砲!」

「何だそれ」

 葉月がその辺で売っていそうな、ごく普通の水鉄砲を出す。

「行っくよー」

 葉月が水鉄砲を巨人に向けて放つ。これは当てられるようだ。

 すると、巨人が初めて後退する様子を見せた。

「マジかよ」

「岩タイプだから水が苦手なんだよ!」 

 ポ●モン理論が効いたようだった。

「葉月、水を聖水に替えてみましょう」

 聖水は天使が敵を浄化する時に使うアイテムである。

「うん」

 エンジェルフォンから聖水を取り出し、水鉄砲に装填する。

「聖水ビーム!」

 巨人はみるみるうちに小さくなり、最後には小さな石ころになった。

「やった~!」

「葉月、すげえ!」


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