2話

「これだけの幽霊、一か所に集めて、一気に浄化させるのがいいと思うわ」

「どうやって集めよう」

「霊を集める、お香があるわ。それを焚くのよ」

「OK。出すね」

 葉月はアイテムアプリから霊呼び寄せお香を出す。

「じゃあ、焚くよ~」

 お香からは独特の匂いがして、霊が集まる度に寒気が増していく。

「俺、霊は見えないけど、何か来てるのは分かるわ」

「寒い」

 シアンが体を震わせている。


 数十分ほどして、全ての幽霊を大広間に呼び寄せるのに成功した。

「じゃあ、行くよ! 魔法陣!」

 葉月は身体と同じくらいの大きさの魔法陣を指で書いた。

 魔法陣が光り、霊がその中に吸い込まれていく。

(まさか、見習い一年目で、こんな巨大魔法陣を作れるなんて……)

「成仏してくださ~い!」

 全ての幽霊を魔法陣の中に入れ、成仏は完了した。


 後日談。

「ねえ、何で城を手放しちゃったの?」

「売れば儲かったかも」

「ああ、その手があったか。でも、もういいや」

「いいの?」

「俺には城に定住なんて似合わないの。自由気ままな旅がいいのさ」


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