2話

この世界では、ありふれたカフェに到着する。値段も手頃だ。

 メニューも葉月の世界のものと大差ない。ノインはコーヒーを頼み、葉月はオレンジジュースを頼んだ。モモちゃんはテーブルの上に乗っている。

「では、改めまして、天間葉月です! 天使です!」

「ああ、天使ね、……って天使⁉」

「そう、天使よ。……葉月は、あなたの守護天使」

「守護天使、ええ何、俺を守ってくれるの?」

「私が守るの?」

「……順を追って説明するわ」

「よろしく、モモコさん」

「……その呼び方はやめて」

「さっき、好きに呼べって……、じゃあ普通にモモちゃん」

「それで頼むわ。……葉月は、こことは違う世界から来ているわ」

「本当に異世界とかって、あるんだな」

「ええ、あるわ。……あなた、旅人って言ったわよね」

「ああ」

「葉月と私は、あなたと一緒に旅をするの。守るっていうか、まあ普通に一緒にいる感じ」

「何か特別なことはしないのか?」

「ええ」

「守護天使なのに?」

「実は、まだ見習いなのよね」

「そうなんだ!」

「本当に何も知らないまま来てるから……」

「色々と大変そうだな、モモちゃん」

「あいつが説明を全部、私に丸投げするから……」

「あいつって誰?」

「葉月の上司」

「上司とかいるのか」

「ええ、いるのよ。天界は縦社会よ」

「ご苦労様って感じだわ」

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