3話

「天使になると~、視力が良くなる~」

 コノハがミュージカル風に歌いながら、葉月の眼鏡を外す。

「わっ、普通に見える!」

「視力は0.2から2.0へ~」

「突然だが、今から異世界に行ってもらう!」

「え、それって最近流行りの異世界転生⁉ ていうか異世界って本当にあるんだね!」

「ああ、あるぞ。あと、異世界転移だな。死んでないし」

「わー、やったー!」

 憧れの異世界に行けるということで、葉月は舞い上がっている。

「早速だが、異世界でのパートナーを紹介しよう! モモちゃんだ。ベテランだから、まあ道中で色々聞いてくれや」

「そういう現場に丸投げなところ、変わってないわね」

 喋るモモンガが現れた。

「異世界にはこのトンネルを通って行くんだ」

「うん」

 プールにあるスライダーのようなトンネルの先には異次元空間のような、ぐにゃぐにゃした空間が広がっていた。

「ではグッドラック!」

 葉月はトンネルの中に飛び込んだ。

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