最終話 歴古威蛇呼

静寂、ヘコイダーはさけるを横に寝かせる。

聖は卑弥呼の頭を鷲掴みにするやいなや握り潰す、ぐしゅ音のない世界に確かに響く鈍い音。

沖縄にいる血牙の者がさけるに応急処置を施す。

息をしないさけるは一路血牙流暗殺術道場へ送られる。

聖は喉を抑え涙を流す。

七枝に別れた刃から解放された長井はさけるの側を離れようとしなかった。

責任、長井の少年心が招いた別れ、長井は苦しみのなかを這い続ける。

薫がさけるの顔を見るや生温い涙をさけるの顔を伝い落ちる。

轟は聖をためらいなく殴り飛ばす。

音が消えた世界に自分たちが取り残されたかのような静寂が戦士達を包み込む。


風衆が静寂を壊す、卑弥呼ならさけるを連れ戻せるかもしれない、そう言う

父さん!、義理の兄に掴みかける轟を制する。

話を聞かせてくれ、兄貴、轟の言葉に合わせるよう血牙流暗殺術道場裏手のご霊木が淡い光を発する。

卑弥呼の生贄になるはずだった子鬼が和服の女性姿を変える。


     「言葉は届きましたか?」



すー

横になったまま深く深呼吸する





さける!第一声を発したのはさけるの彼女、続けて一族と母の歓喜の声が道場内に響き渡る。

長井が弱まった結界を破り道場内へ

「取り返しのつかない事になっていたかもしれない」長井もまた自分の責任を重く受け止め道場でさけるの帰還を喜ぶ一員に加わるのだった。



      決戦卑弥呼編…完














        













      





                 ヘコイダー完

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ヘコイダー くうちゃん @GODKuu

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