第32話

 いつの間にか山ばあちゃんのテキパキと妖怪達に役割分担をしている声が聞こえてくる。

《ありゃ?いつの間にか山ばあちゃんが、リーダーになって仕切っちゃってる》

「私も何か手伝うよ。何をすれば良いの?」

と言いながら立ち上がろうとしたら、山ばあちゃんがピシャリと言った。

「祝いじゃなくても宴会の主役は楓子にゃ変わらん

 。主役は大人しく座ってな!」

「…ハイ」

主役であろうが、少しでも何か手伝いたい私はもう一度座り直したがウズウズしてたまらない。そんな気持ちを知ってか知らずか、山ばあちゃんは次々に役割分担を指示しながら決めていく。

「魚を持って来た者は自分で捌きな。野菜や山菜を

 持って来た者は、あたしが切り方を教えるからそ

 の通りに切れば大丈夫じゃ。花束を持って来た者

 は楓子から花瓶がある場所を聞いて生ける。楓子

 、このテーブルじゃ狭いからもう一台大きいテー

 ブルかテーブルの代わりになる物はないかい?」

「あるよ。折りたたみ式のテーブルがあるから持っ

 てくるね。」

自分の部屋の押し入れから持ってくると組み立てて

、テーブルとテーブルを横にくっつけて長いテーブル風にした。

「これで大丈夫?」

「上等!さぁ、後は出来上がるまでゆっくり座って

 おいで。」

 また待つ身になった私は、テーブルの隅っこに座って動き回って忙しそうな妖怪達を黙って見ているしかなかった。気持ちはもう手伝いたくてたまらない。見ているだけなのがもどかしく思っていると、

肩を叩かれて振り返ると河童がきゅうりを持って立っていた。

「何、どうしたの?」

「この前、お前が食べていたきゅうりの浅漬けを作

 りたい。あれ、どう作るんだ?」

「浅漬け作りたいの?あれなら簡単に作れるよ。ま

 ずきゅうりを好きな厚さに切ったらビニール袋に

 入れて。厚すぎると漬かりにくいから注意してね

 。ビニール袋に入れたら冷蔵庫の中に浅漬けの素

 があらから山ばあちゃんに聞けば分かるよ。浅漬

 けの素は薄めなくて良いからね。どの位入れたら

 良いか、それも山ばあちゃんが教えてくれるよ。

 漬け方がムラにならないように、しっかり揉むの

 よ。」

「それで?」

「揉んだ後はしばらく置いておくの。二十分〜三十

 分位もすれば大体出来上がるんだけど、きゅうり

 の皮のブツブツを包丁の背中でこするように取る

 のを忘れないで。置いとく時間が長い方がよく漬

 かるの。」

「分かった。」

「あっそうだ!持って帰りなよ。ご馳走は皆んなが

 たくさん作ってくれるから、浅漬けは持って帰っ

 て仲間と一緒に食べたら良いじゃん。帰り際まで

 冷蔵庫に入れとけば?」

「良いのか?」

「うん、良いよ。食べる時に汁と水分を軽く絞って

 食べてね。」

「お前…、良い奴だったんだな。」

「仲間にも食べさせたいから、そんなにたくさんの

 きゅうりを持ってるんでしょう?お土産として持

 って帰ってあげなよ。」

「ああ、ありがとな。」

「また食べたくなったら、いつでもきゅうり持参で

 作りにおいで。」

「本当にありがとう。」

「どういたしまして。」

《何だ、アイツも仲間思いの良い奴じゃないの。ほんの少し見直したわ》

河童が台所にいる山ばあちゃんの所へいそいそと向かって行く後ろ姿を見ながら思う。

《それにしても、皆んな楽しそうで良いなぁ。私も手伝いたいけど、山ばあちゃんが…》


「これっチビ達!火を使ってる所で、ドタバタ暴れ

 るんじゃないよ!危ないじゃないさ‼︎もう台所か

 ら出ておいき。」

絡新婦さんが手(足?)でシッシッとせことキジムナー達を台所から追い出そうとすると、チビッコ達は「つまんないぽーん」「オイラ達もやりたーいぴょーん」とギャンギャン騒ぎ立てる。すかさず山ばあちゃんがベシッ!とチビ軍団の頭を叩き、

「手伝うどころか、さっきからチョロチョロして邪

 魔ばかりしとるじゃないかチビ共!大人しくでき

 んのなら、この家からもおん出すぞ!」

「意地悪ババーぴょん」「ケチケチ鬼ババーぽん」

せことキジムナー達が代わる代わる山ばあちゃんに文句を言う。またチビ軍団の頭を叩いて、山ばあちゃんは今までにない程凄んだ顔をして、

「お前らなんぞ一捻りで息の根を止められるわい。

 同じ事を二度も言わせるでないよ。チビ共はすっ

 こんどきな。それにあたしゃ鬼ババァじゃなくて

 山婆だ。チッ、全く…だから子供は大嫌いなんだ

 よ!」

怒られたチビ軍団はシュンとなって今にも泣きそうになっていた。

《あ〜あ、予想通りに怒られちゃってまぁ…。あっ

そうだ!》

「おチビちゃん達、こっちおいで。待ってる間、今

 日借りてきた絵本を読んであげる。私が子供の頃

 から大好きな絵本なんだよ。」

手招きすると、「フウぴょーん」「フウ、ご本読んで〜ぽーん」と一斉に駆け寄って来る。

 バッグから絵本を取り出すと

「今から読んであげる絵本はね[てぶくろをかいに

 ]っていうキツネさんのお話なの。」

「キツネさんっておいなり様ぴょん?」

「ううん、お稲荷さん達のような神様じゃなくて、

 みんなもよく知ってるよくご本に出てくるキツネ

 さん。私が今でも一番好きな絵本なんだ。」

「フウが一番好きな絵本ぽん?じゃあ早く読んでぽ

 ん!」

「早くぴょん!早くぴょん!」

「はいはい。それでは始まり、始まり〜。」


 私が絵本をゆっくり読み聞かせている間、台所ではヤンヤヤンヤとお忙しいご様子。

 山ばあちゃんがチームリーダーとなりあちらこちらの妖怪達に指示を出しながら、自分も何やらいくつかの料理を作っている。やっぱり山ばあちゃんは凄い!とチラッと台所の方を見て思った。

「おや?川男、魚を捌くのが上手いじゃないか。ボ

 ーッとしとるだけかと思っとったが、意外とやる

 ねぇ。」

「だてに川辺におるんじゃないにょ。」

「よし、じゃあ川男二人に魚の料理全般を任せたよ

 。皆んな、魚全般は川男に任せてあるから分から

 ん事や味付けやらは二人から教えてもらいな。」

{おー‼︎}

山ばあちゃんの掛け声に他の妖怪達も素直に従う。


「はい、おしまい。どうだった?素敵なお話だと思

 わない?」

「うん、温かくって優しくってオイラ達もこのご本

 好きぴょん!」

「キツネさん、良かったねぇぽん。もう寒くないね

 ぇぽん。」

「そうだね。もう寒くないし、心の中もポカポカ温

 かくてみんなが優しくなれるよね。」

「フウがこのご本が大好きなのオイラ達、分かるぴ

 ょん。」

「オラ達も分かるぽん。」

せこやキジムナー達が口々に言った。

「本当?どうして?」

優しく尋ねると、一斉に

「だって、このご本のようにフウと一緒に遊んだり

 ご本読んでもらったりもだけどフウの側に居れば

 いつも心がポカポカ温かいぴょん。」

「優しい気持ちになるんだぽん。フウと一緒に居る

 だけで嬉しいぽん。心地良いんだぽん。」

「あら、いつもそう思っていてくれてたの?ありが

 とう。私もチビ達と遊んだりすると楽しいよ。一

 緒だねぇ。」

にっこり笑うと、チビ達もとびっきり可愛い笑顔を見せてくれる。

《妖怪でも人間でも笑顔は、嬉しくなる共通の幸せの表現なんだね。それってまだまだ妖怪と人間を繋ぐ絆が昔みたいに強くなるかもしれないって事かも

ね…》

そう願いながら、チビッコ達を両手広げて一気にギューッと抱きしめる。抱きしめられながらキャッキャッと大喜びしているチビッコ達を何度もハグしていると、山ばあちゃんが

「さあ、大体のご馳走が出来たよ!食べる準備をし

 とくれ。そこのもう酒盛りしとる人目入道に三吉

 鬼、ボーッとしとる油すましも運ぶのを手伝いな

 。出来上がり次第どんどん料理を運んで来るんだ

 から、ぐずぐずしちゃいらんないよ。さあさあ急

 いだ、急いだ!」

山ばあちゃんの号令で渋々立ち上がって台所に行く一目入道と三吉鬼、あぶジィが部屋を出てすぐに山

ばあちゃんに耳打ちしてお願いを言った。

「山ばあちゃん、ばぁちゃんにも食べさせてあげた

 いから、申し訳ないけど少しだけご馳走を分けて

 くれないかな?基本的にばぁちゃんは好き嫌い無

 いから。」

「お安い御用さ。スズちゃんが好きそうな物を箸を

 つける前に別の皿に取り分けとくよ。任せときな

 よ。」

「ありがとう。ばぁちゃん、すごく喜ぶと思うよ」


 テーブルにこれでもか!という程色々な料理が並び

「さあ、大宴会の始まりだよ‼︎」

山ばあちゃんの開演の声で、大宴会が始まる。

「食べ物を粗末にするんじゃないよ。全部食べ終わ

 るまでお開きにはせんからな。食べ残しは許さん

 ぞ!」

そう山ばあちゃんが言い終わらない内から、皿の上からご馳走が面白い位に減っていく。

 私はキジムナー達が持って来た海ブドウを、キジムナー達から食べ方を教えてもらいながら海ブドウ初体験中。

「おぉー、不思議な食感だぁ。本当にプチプチして

 る。すごーい、海ブドウって美味しい!このプチ

 プチ感がまた面白いわ。これはハマりそう。キジ

 ムナー達ありがとね。」

照れているキジムナー達の横に座っているせこ達にも海ブドウを勧める。

恐る恐る海ブドウを口に入れたせこ達だったけど、

口に入れた途端に

「何これぴょーん。うまいぴょーん。オイラ達、こ

 んなの初めて食べたぴょん!プチプチ面白いぴょ

 ん!」

せこ達と海ブドウに感動していると、少し遠い場所から

「ちょっと!あたいが持って来た赤ワイン、誰が飲

 んだんだい⁉︎奮発して、高いヤツ二本も買って大

 切にしてたのに!一体誰が全部飲んだ⁉︎」

激怒している絡新婦さんの着物の裾から、普段操っている無数の蜘蛛達がモゾモゾと出てくる。すると

意外な妖怪が返事をした。

「赤ワインとは、毒々しい真っ赤な血の色した酒の

 事か?」

返事をしたのは、あぶジィだった。

 この世で一番蜘蛛が大嫌いな私は「うひゃぁぁ‼︎

」と大声で悲鳴を上げながら部屋の隅に逃げ、最終兵器の殺虫剤を握りしめながらこの様子を窺っている。

「そうさ、それだよ!結構高かったから、ずっと飲

 まずに取って置いたお気に入りの赤ワインなんだ

 よ。今日こそ飲もうと思って持って来たのに‼︎誰

 だ⁉︎」

「赤ワインだか知らんが赤い酒なら三吉鬼に勧めら

 れて少し飲んだが、変な臭いがするし、ぶしくて

 飲めたモンじゃなかったぞ。なぁ、小豆洗い?」

「渋くて、あれのどこが旨いのか分からない…」

「三吉鬼ぃ〜お・ま・え・の仕業か〜‼︎よぉーし行

 け、あたいの可愛い蜘蛛共!三吉鬼と思う存分遊

 んでおやり。」

「なぁ、さっき油すましが言った〔ぶしい〕ってど

 ういう意味ぞよ?酸っぱいって事ぞよ?」

「あぁ〔ぶしい〕っていうのは渋みが強いって事。

 酸っぱいより上かな。ここの地域の方言なんだ」

「渋酸っぱいって事ぞよ?」

「う〜ん、そんな感じかな。方言っていうのもなか

 なか難しいんだよね。実は私も自分の所の方言、

 知らない事だらけだもん。」

倉ぼっこと方言の話をしている間も絡新婦さんの怒りは治まらない。

「赤ワインが無かったら、あたいは何を飲めば良い

 のさ⁉︎今日はそのつもりで楽しみだったのにぃ」

すっかりふて腐れてしまった絡新婦さんに、

「白ワインじゃダメなの?友達の結婚式の引き出物

 であるんだけど…。」

「ダメ!白ワインは、あたいの口に合わない。赤ワ

 インしか受け付けないよ。」

「そっか…。私はお酒飲まないから妖怪達が持参し

 てくるだけで、ウチにはお酒無いんだよねぇ。」

 しばらく考え込んでいると、ある物を思い出した

。台所の下の奥から大きな壺を引きずり出す。

大ジョッキに氷をたくさん入れて、壺の中の梅酒を半分位注いだら次にソーダを注いでよくかき混ぜてから絡新婦さんの前に置いた。

「何だいこれ?あたいは赤ワインしか飲まないって

 言ったじゃないか。」

「まあまあ、そう言わずに今は黙って一口だけ飲ん

 でみてよ。」

にっこり笑ってそう言うと、絡新婦さんは眉間にしわを寄せて「ちょっとだけだよ」と言いながら少し

口にする。するとたちまち笑顔になり、

「甘くて旨いじゃないさ!何コレ⁉︎口当たりも良い

 し飲みやすいじゃないか。」

「これはね梅酒っていうお酒なの。ばぁちゃんが作

 ってくれたんだけど、ずっと飲ますに保存したま

 まにしてあったんだ。どう、これなら大丈夫?」

「大丈夫も何も気に入ったよ!これなら何杯でもい

 けそうさ。」

「濃さも変えられるんだけど薄かったりしない?」

「丁度良い!あっもう飲みあげちゃったわ。楓子、

 おかわり!」

「良かった。赤ワインとかすぐには買いに行けない

 から、気に入ってくれるなら良かったよ。」

大ジョッキを絡新婦さんに渡すと、梅酒を一気飲みした。

「飲むのは良いけど、この梅酒は普通の梅酒と違っ

 て度数がとても高いウィスキーで作ってあるから

 気を付けて。」

「平気、平気。これくらい何ともないさ。」

そう言いながら一気飲みして、またおかわりを頼んだ。

 次々に一気飲みしてはおかわりするので、作る私

が「待って、待って」と追いつかない。

「そんな勢いで飲んでると酔うの早くなるよ。まだ

 あるんだからゆっくり飲みなよ。」

私が心配しても絡新婦さんは、ただ手をヒラヒラさせておかわりをし続けた。

 そして何杯おかわりしただろう絡新婦さんは、私が心配した通りに座っているのもやっとな程に酔ってしまった。

「絡新婦さん大丈夫?もう、だから言ったのに…」

「あい?何ですかぁ?楓子ちゃ〜ん、もう一杯おか

 わり下さいな。おねがぁ〜い。」

「あーもう言わんこっちゃない。もうおかわりは終

 わり!絡新婦さんは、もうお酒飲んじゃダメ!」「いや〜だぁ、まだ飲むよぉ。おかわりちょーだい

 なぁ。」

「ダメだったら。完全に酔っ払ってるじゃん!ダメ

 ったらダメ!」

「いやだよぉ〜、おかわりー‼︎」

大ジョッキを差し出されて困っていると、山ばあちゃんが助け船を出してくれる。

「もうお止め!楓子が困っているだろう。ところで

 楓子、この梅酒はスズちゃんが作ったのかい?」

「うん、ずいぶん前にね。ウィスキーで作ってあっ

 て、普通のより度数が高いんだよ。山ばあちゃん

 も飲んでみる?」

小さめのグラスに梅酒を注いで手渡す。山ばあちゃんは一口飲んで「ウィスキーで作るとはスズちゃんらしいね。」と呟く。

「その場しのぎとはいえ絡新婦さんが、あんなに気

 に入ってくれるとは思わなかった。でもあんなに

 飲んで、明日悪酔いするかも…。」

「この酒と相性がピッタリ合ったんだろうよ。滅多

 に無い事だか。まぁ、猫にまたたびと一緒さ。悪

 酔いしたって自業自得。楓子が心配する事無い」

「お酒にも相性があるの?」

「好みがあるように相性もあるもんさね。それにし

 てもいけるね。これは旨いよ。ただ下戸には無理

 だ。」

「下戸って何?」

「下戸って言うのは、酒に弱い奴の事さ。強い奴は

 上戸と言う。」

「じゃあ私は下戸だね。今まで飲まずに保存しとい

 て良かったぁ。今度山ばあちゃんの作った梅酒が

 あるなら、ばぁちゃんに飲んでもらおうよ。ばぁ

 ちゃん、意外と上戸なんだよね。」

「良いんかねぇ?」

「良いに決まってるじゃん!何故そこで遠慮すんの

 ?孫より山ばあちゃんの方が好きな人なんだから

 ね‼︎」

二人でクスクス笑いながら部屋に戻ると、無礼講を遥かに超えて無法地帯となっている。もちろん誰も今日は無礼講だとは言っていない。

 もうほとんどのお皿は空っぽで、川男が魚料理を全部食べ終わるところだった。河童と鵺、朱の盤、魍魎があちらこちらで酔い潰れているし絡新婦さんはあぶジィに愚痴りながら、「聞いてるのかい?」

とペチペチ頭を叩いているのが面白くて、私は笑いながら座る。

《これが妖怪の大宴会ってやつなのか…。表情では分からないけど、あぶジィすごく困ってるよ。普段では見れないから面白いわぁ》

更にこちらも相当でき上がっている一目入道が、あぶジィのコップに「飲め、飲め」と無理矢理お酒を注ぐ。

 その中で三吉鬼だけが、まだ絡新婦さんのけしかかけた蜘蛛達に全身をくすぐられながら涙を流し「もう勘弁してくれだぁ〜」と何度も叫んでいた。

《あー、忘れてた‼︎》

心の中で謝りながら蜘蛛達に怯えながら、あぶジィにしつこく絡んでいる絡新婦さんに

「もう三吉鬼を蜘蛛達から解放してあげて。もう充

 分だよ。三吉鬼だって反省してると思うから助け

 てあげてくれないかな?」

絡新婦さんはトローンと色っぽい顔で「そんな事したかいねぇ?」とすっかり忘れているようだ。なので「ほら、あれ」と三吉鬼を指差すと、

「あっはっはっ、三吉鬼の事忘れてたよ。蜘蛛達み

 んな、戻っといで〜!」

 ようやくくすぐりの刑から解放された三吉鬼は、私の両手を握りしめ泣きながらお礼を言う。

「いや、こっちこそ忘れててごめん。お礼は言わな

 くて良いよ。けど、もうお酒も料理もほとんど残

 ってないんだけど…。大丈夫?」

三吉鬼は頷いて、皿に少ししか残っていない料理を片っ端から食べていき、次々と皿を空にしていく。

 そしてとうとう全部の料理を食べ終わった後、多分誰にも飲まれないように隠していた一升瓶二本を凄い速さで飲み笑顔で私に向かってウィンクした。

《何なのアレ⁉︎何の意味のウィンクなの?》

















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