スターシステム

 今回のお題として用いた言葉は、ご存知の方も少なくないであろう「スターシステム」――手塚治虫先生が漫画へと取り込んだと言われる、特徴的なキャラを(クロス・オーバー作品ではない)あちこちの作品に登場させる「スターシステム」についてですです。

 

 さてここでお聞きしたいのは、「お気に入りのマイキャラは居ますか?」ということです。

 私の場合、脇役に居ます。

 主役クラスは、その物語の中に特化して磨いていった部分もあるので、なんというか他所で使いづらいというか、「お前にはあの場所があるだろ」的な勝手な印象を持っているのですが、脇役の方は「本当はもっと爪痕残させてやりたかったけど物語の邪魔になるからほどほどにしてもらったんだ、ごめん」みたいな謎の親心が出たりもして……結果、「じゃあ、他の物語でもチョイ役でオファーしようかな」なんてことになったり。

 そこで決して、そいつを主人公にしたサイドストーリーを書こうみたいにはならないのが、自分らしいなと思います。脇役だからこそ輝くキャラも居る、というか。


 ここまで勢いで書いて、二つのことに気づきました。


1.自作品へ反響が少ない場合って、主役クラスのキャラを作者自身があまり気に入ってない(わけじゃないけど、脇役ほど思い入れてない)場合が多いのではなかろうか。


2.物語の作り方が、TRPGシナリオを作るのと一緒で、背景と粗筋と脇役(この場合、世界観の一部)だけ先に作り、あとから主役クラス(ある意味、マスターが用意しないPCキャラクター的存在)をそこへぶち込む、というノリがけっこう多い。


 ああ、そうか。腑に落ちた。

 うちの脇役は、作者的には世界観の一部なのか。

 だから無駄に(物語には絶対に出て来ないような細かい設定とか)作っちゃってんのか。それで愛着湧いて、他の物語にも出したくなるのか。


 と、ここまでは本題じゃないという恐ろしい今回です。

 ええ。

 実際に、あちこちでたくさん使っている脇役キャラって、マイキャラじゃないんですよね。完全オリジナルではないというか。

 まあ実際に例をあげた方がわかりやすいですかね。


網場あみば博士

 マッドサイエンティスト。人体実験をするような敵役の科学者はだいたい網場博士です。元ネタは北斗の拳のアミバ様です。脳内では常にあの顔です。


・ミゾグチ

 肉体的に身体能力の高いキャラ。どちらかというと敵役。敵なんだけど、憎めない部分もある。元ネタはファイターズヒストリーの溝口誠です。


 そうです。元ネタ付きなんです。キャラとして作り上げたから愛着があるというよりは、元ネタが好き、という。


 元ネタといえば、脇役として使いがちの名前には元ネタあるのが少なくないですね。というか知っている人にだけニヤリとしてもらおうとして、あえてそういう名前にすることも。アラン・スミシー的な遊び心です。

 いわゆる「わかるヤツだけわかればいい」なんですが、そういう遊びを入れるのって、秘密の合言葉で仲間を探している気持ちなんですよね。

 もしも「あー、このネタ、自分も好きなやつ!」みたいなのを物語の中で見つけてくださったなら、心の中でほくそ笑んでくださいまし。あわよくば反応とか残してくださってもいいんだからねっ!



 さてさて。ここまで読んでくださった方々には申し訳ないですが、つらつら書くことで勝手に自分の中で色々と納得できて満足したので、今回はここで終了です。

 






 

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