3−7
「それじゃあ、全員集まったことだし新人歓迎会始めましょ〜!」
「まずいいか」
「何ダイア?」
「今俺の両脇で匂いを嗅いでくる巨狼どうにかしてくれん?」
胡座で椅子に座っているダイアの後ろからスコルとハティ姉妹が鼻をスンスンさせて匂いを嗅いでいた
「巨狼だなんて乙女に対して失礼じゃない、ねえコルデー」
「ダイア、大きいって女性に言うのはタブーよ」
「お前ら普段仲悪いのにこう言う時だけ息ぴったりなの何なん?」
スコルとハティも「失礼しちゃう」とでも言いたげに鼻息でダイアの髪をボサボサにしている
「スコルもハティも自分たちの群れに新たに加わった
「それまでこのまんまなの俺⁉︎」
動くなとでも言いたいのか椅子の上に立ち上がったダイアをハティが鼻で押し戻す
「他には何かないかな?うん、それじゃあ改めて新たな出会いにを祝してカンパーイ!!」
「「『『かんぱーい‼︎』』」」
手に持ったシャンパングラスには今日のためのとっておき世界樹の未成熟果実のシードルが入っている
効果はこうなっている
世界樹のシードル
世界樹がつけた未成熟果実を使って作られたシードル
全属性への耐性と魔力を一定量増やす(1時間)
検証したら飲むと全属性のダメージを10%減らして魔力の最大値を5%+100増やしてくれる効果だった
このゲーム鑑定をいくら強化しても詳しい%や数値を見せてくれないのが不親切だよね
「そういえば、あなたのそのマントって影でできた手の集まりなんでしょ?でも何度見ても一つに繋がってるように見えるのだけれど」
「あぁそんなこと、
「確かに便利ね。それで魔力生命体に使ったMPって回復するの?」
「いや、回復しないよ。私の最大MPを削って作ってるから削ったMPはそのまんま」
その他にも何種類かいて合計で私の最大MPの60%ぐらいは魔力生命体に使っている
取り込むか倒されると最大MPは元に戻るけど元に戻った分のMPは自然回復を待つか魔力ポーション飲まないと回復しないからMPタンクにはできないのがちょっと残念
「前言撤回、最大MPを削るだなんて不便極まりないわね」
「普通に作った魔力生命たちは作った時に削ったMPを消費したら勝手に消滅するんだけどね、私は錬金術と付与魔術を使って私自身とか自分で魔力を生成できるものと合成してMPが切れても消滅しないようにしてるんだ」
「ここの魔術ってそんなに自由度が高いのね」
「ここまで自由度が高いのは私が魔術王だからってのもあるけど自由度の高さについては私も最初驚いたわ」
掲示板等を見ていて知ったのだが属性魔術の形状は加護や取得しているスキルによって変わることがあるらしい
例えば、剣に関する加護を持っているプレイヤーの中には最初に各属性の基礎魔術(ファイア、ダークなど)を習得して次段階でボール系ではなくナイフ型の魔術を覚えたプレイヤーがいるらしい
さらに、槍スキルの中でも投げ槍に特化して育てていたらスピア系の魔術の形が投げ槍のような形になったなどの報告も見られた
「それにしても何でわざわざそんなことするのよ」
「魔術の自由度の話と繋がるけど、魔力操作を鍛えれば魔術って出そうと思えばどこからでも出せるんだよ。まあ個人的に指先とかから撃たないと狙ったところに当てづらいんだけどね」
「それで」
「それでせっかくスキルでMPがある限り無限に魔術を撃てるようになったからいっぱい撃ちたいじゃん」
「そうね」
「でも自由に撃てても当たらなくちゃ意味がない、だから手を増やせばいいんじゃないかって思いついて自分の手のようみ使えるシャドーハンドを大量に作ったら思ったよりも便利でほかにも色々作っちゃったって訳」
いやーあの時は私って天才!って思ってノリと勢いでいっぱい作っちゃったけどこう改めて考えると作りすぎかな?
「それでちゃんと成り立ってるのが頭おかしいのよね」
「あなたも頑張ればできるでしょ?」
「1本か2本までよ。あなたみたいに数十本も自分の腕のように操れないわよ」
そうかな?コルデーなら5本ぐらいまで何とかなると思うんだけどな〜
歓迎会の次の日、
「昨日は楽しんでもらえた?」
「おう、飯もうまかったし酒は最高だった」
「それはよかった」
これからの予定を伝えようとみんなを会議室に集めた
ちなみに会議室は全員が巨大な黒板を向見れるようにU字の机が置いてあり中央に私が座っている
「今日はこれからの帝国侵略の予定を伝えようと思って集まってもらいました」
「いきなりだね」
「私のところに突撃してきたってことはあなたたちも暴れたいんでしょ?」
「まぁ、否定はしない」
「ならいいじゃない。それじゃ改めてこれからの予定を言っていくわね。質問等があったら挙手をお願い」
ミネルスがチョークで板書をする準備ができたのを確認して
「まず今月中にもう一つ都市を攻め落とすことは決まってるんだけど、どこの都市を攻めるかが決まってないんだよね?」
私がそういうと黒板に候補の都市とその都市の説明をミネルスが書いてくれた
「候補は見ての通り3つあって、1つがアインゼをそのまま北上したところにある帝国第2の都市カリム、2つ目が樹海から伸びてる山脈を北上したところにある鉱山都市ガジ、最後3つ目が魔術公国と商業国との国境に1番近い交易都市ロンド。この3つのうちみんなはどこ攻めたい?」
ダイアが手を挙げた
「はい、ダイアくん」
「地理的にはどういう場所なんだ?」
「カリムはだだっ広い平原の真ん中にある2本の川の合流地点に作られた都市で東側以外は橋を渡らなくちゃいけなくなるね。ガジは単純に鉱山の麓にある都市なんだけど谷底にあるから地上からの攻め方は限られるわね。ロンドは前2つとは違って攻めづらい要素はあまりない丘陵地帯にポツンとあるだけ」
「普通に考えたらロンド一択だな」
「そうね、それなのに決めかねてるって何かあるの、ロンドって都市」
みんなそう思うよね〜
「決めかねている理由は、2国の国境に近いからか帝国の騎士以外にも魔術公国と商業国の騎士が停留しているのが1つ、帝国で信仰されてる威光の神と法国で信仰されている善の神、公国と商業国で信仰されている巡りの神と神秘の神の神殿の計4つも神殿があるっていうことが1つ、最後にロンドの地下に妖精王の時代より前の遺跡が眠っているてことが1つかな」
「あん?それだけか、そんなんなら普通に攻め込んでも勝てるだろ」
「それがねーこの世界神殿とか壊すと神様直々に神罰執行しに来るんだよ」
「なんか、もうすでに1回神罰を受けたような言い方だね」
テレスコが引くわ〜とでも言いたげな目をしながら言ってきた
「受けたよ、追い返したけど」
ダイアもコルデーもこいつまじかって顔しないで!
BOSS、何大爆笑してるんですか!lolじゃありません!
あの時めちゃくちゃ大変だったんですからね!即死級の攻撃が連続で雷速で飛んで来たんですから
「は〜、笑った笑った。あいも変わらずめちゃくちゃしてるな。あーんと1つ気になってんだが私は聖火と善の神の加護を持ってるんだが神殿壊したらどうなるんだ?」
「そこらへんどうなるかみんな知ってる?」
私から見て右側に座っている眷属組に聞いてみると全員わからないのか首をかじげている
「神と言いますか超越種は基本的にこの世界に実態を持ちません、そのため何もしなくては消えてしまいます。ですから生物や写し身や使徒などこの世界に実態がいる存在に認知される必要があるのです」
この話は前にも聞いたね
初めて聞いた人たちは興味深そうに聞いてるけど、ダイアだけ難しい話だと諦めて夢の世界に旅だとうとしてる
「予想ですが、BOSSさんに授けられた加護はこの世界にいない存在である来訪者に認知されるのに必要なものなのだと思います。ですので大抵のことでは取り上げることはないと思いますが、多くの人に認知されるための信仰の中心である神殿を壊した場合は取り上げられるかもしれません」
「その時にならないとわからないってことか」
「えぇ、私たちが生きていた頃は加護を授けてくださった神の神殿を破壊しようなどという者はいなかったのでどうなるかまではわかりません」
「申し訳なさそうにしないでいいよ、ネックレスの嬢ちゃん。ふと思っただけだからな」
そう言いながらBOSSはまた豪快に笑い始めた
相変わらず優しい人ですね
「どんな神罰が来るのか分からないってことがロンドに決めない理由ってわけね」
「そうだね、それさえなければ他国からの支援を止めるためにも1番攻めやすいロンド一択なんだけどねー」
「でも
「極論そうね」
「なら、今月の残り1週間強で俺たちが強くなればいいだけだろ?」
「それはそうだけど、、、」
「お前が半月で王になれたんなら俺たちがなれない理由はねぇ」
「そうだな」
「そうですね」
「ガッハッハッ、ダイアよく言った。そうだ私たちが強くなれば問題はないな。ということだメルト次の目標は交易都市ロンドで決定でいいか」
「どうせ、いいえと言っても勝手に特攻しそうな奴がいますしいいですよ。それでは次点目標はロンド!目標は住民の殲滅と神殿の破壊、総員準備にかかれ」
『『『『ハッ‼︎』』』』
「「「「Yes ma’am!」」」」
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初めましての方は初めまして、前から読んでくださっている方は続けて読んでくださりありがとうございます。作者のH2ゾンビと申します。
大変遅くなりました。やっと新しいキーボードが届いたため更新を再開できました
バイトができない学生にとってキーボードはかなり財布に痛かったのですがせっかくなのでいいのを買いました
メルトたちの次の目標が決まったのでこれから加速していきます
それでは3−8でまたお会いしましょう
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