閑話3−2
アンサーside
アインゼ陥落から1日がたちようやく魔術王による侵攻の全貌がわかってきた
「虎っち結局のところ魔術王はなんでアインゼを襲撃してきたん?」
「一番有力なのは自分を殺しうるトライスター英雄爵が攻めてきたのを察知して迎撃にきたという説だな」
「そりゃ、妥当っすね」
「でもよう名無し、樹海の中っちゅうあいつらの縄張りから出てきてまで攻撃する理由がなくねえか?樹海で待ち構えればそれこそアサシンビーやらでさっさと殺すこともできるかもしれねえだろ?」
「そこは考察班も悩んでいたが、魔術王の発言のまま王としてのプライドとして樹海で迎え撃つのが許せなかったのだと思う」
「………」
あいつがわざわざ侵攻してきた理由がそれだけじゃない気がしてならないんだ
確かにあいつからは王としてのプライドのようなものが感じられたのは確かだけど、それよりももっと禍々しい何か野望のようなものが感じてならないんだ
「それでアンサー、あんたから見てどうだったんだい魔術王は」
「…今思い返していたけど、あいつからは何か人間味のようなものを感じた」
「人間味?」
「あの大量虐殺をした魔術王のどこに人間味があるってんだい」
言っている自分も分からない、というより、信じたくないけど
「何と言えばいいんだろう…。俺とシンセンさんたちプレイヤーで相手をした動く鎧とスケルトンナイトが魔術王が一度死んだ時全くというほど動揺していなかった。それに、魔術王が帰ってきた時動く鎧が魔術王が来たらしい方向に向いてすぐ俺たちとまた戦い直したんだ」
「それで?」
「こう何と言えばいいんだろう、彼らが魔術王に心の底から付き従っているように感じたんだ」
「そりゃ魔物の王と配下の魔物なんだから付き従って当然だろ」
「そうじゃなくて何ていうんだろう、命を預けあっているような絶対的な信頼感を感じたんだ」
あれは他の魔物の上下関係とは何かが違った
「ふむ、そういうことか」
「虎っち何かわかったのかい」
「分かったというより違和感が晴れたというべきか」
「あー、俺も感じていた違和感がアンサーのその言葉で晴れた」
「点画も⁉︎」
え!!みんなあの激戦の中で違和感を感じ流ほど余裕があったの
「多分皆が感じていることとは違うかも知れぬが俺が感じた違和感はアンサーが言っていた魔術王が一度死んだ時の敵の反応だ」
「俺も同じだ」
「右に同じく」
名無しの虎も点画もメリュめりも同じところに違和感を持っていたらしい
「同じようなので俺が代表して説明させてもらおう。まずアンサーに質問だ」
「何だ?」
「樹海で戦ったゴブリンの群れはリーダーのゴブリンソルジャーが死んだ時どうした」
「ちりじりになって逃げていった」
「オークの群れはオークリーダーが死んだ時どうした」
「そっちも逃げ出すか珍しいのだとオークファイターやオークソルジャーとかが群れのトップになった…⁉︎」
そういうことか
「その様子だと分かったようだな。我々が感じていた違和感というのは群れの上位者が死んだのに群れが崩壊あるいは乗っ取りが起きなかったことだ」
「なるほど、確かに違和感でわあるけど生き返ることが分かっていたからそうならなかっただけじゃないの?」
「あれほど知性があるアンデットたちだそれもあるだろう。だが、知性のないはずの蟻の中から逃げ出すものが現れてもおかしくないのにそのようなありは1匹も観測されなかった。不思議ではないか?」
「それは、確かに」
確かに蟻たちは魔術王が死んでもいっさい隊列を乱さず戦っていたと思う
そう考えると確かにあいつらは今までの魔物と全く違う高度な関係を作り上げているんだろうか
「虎っちよ、それがどうしたっていうんだい?」
「うん?ただ違和感が晴れたというだけだ」
「なら、反省会は終わり。これからのことを話そうぜ?」
「うん、そうだね。さて僕たちはアインゼで何もできなかった。僕はそれをとても後悔している。神からこの双剣をもらったにも関わらずだ」
そう言って歌詞に刺した双剣を見る
勇者と威光の神が倒した怪鳥の羽
青銅のような金属でできているが青銅ではあり得ない切れ味と耐久そして羽のような軽さを持っている
戦争と威光の神の加護を有している
これは第二回イベントの3位入賞の承認として勇者と威光の神から授かった
見た目は青銅でできた刃全体に羽の意匠が刻まれた双剣だが切れ味は岩を軽く切れ鋼よりも硬く青銅のようにしなやかなうえ羽のように軽いという剣だった
「だから、僕は今度同じようなことがあった時周りの人を守れるような力が欲しい」
「「「………」」」
「そのために僕は新しい力を手に入れにいきたい」
「いきたいってことはあてがあるってことでいいのか?」
「あぁ、死に戻った時勇者と威光の神からのクエストが開始していた」
ずっと視界の上部にある◾️◾️◾️◾️◾️、今までクエストを受けた時と同じ場所に表示されているからこれもきっとクエストなのだろう
「それって12の試練ってこと?」
「名称は伏せ字でわからないけど多分そうだと思う」
「それって俺っちたちも手伝っていいの?」
「ヒュドラ討伐の時にヘラクレスの友人が手伝ったと言われている、俺たちが参加することは可能だろう」
「おっしゃ、神様からの試練かそいつはいいな」
「メリュめりの姉御も燃えてきました?」
「もちろん名無しも燃えてきただろ」
「そりゃ、ゲーマーなら神様からの特別なクエストを目の前に受けないって選択肢はないですよ」
「右に同じく」
「点画よさっきからお前それしか言ってないぞ」
ふっふふふ
「何笑ってるんだ?」
「いや、みんなが乗ってくれて嬉しいなって」
「おかしなこと言うなアンサー、仲間が決意を新たにしてそれを否定するような奴がここにいると思うか?」
「いや、いないね」
「それじゃ、最初の試練に向けてっしゅっぱーつ」
「おい社畜、おめえは行き先知らないだろ」
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初めましての方は初めまして、前から読んでくださっている方は続けて読んでくださりありがとうございます。
作者のH2ゾンビと申します。
アンサーくん回でした
進行時に話にだけ出てきたアンサーくんの
アンサーくんんも心機一転少年漫画でいうと修行パートに入っていきましたね
セキロきゅんはどこかって?
はて何のことでしょうか(棒)
それではでまた3−5で会いましょう
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