2−23
今回で毎日投稿最終回です
そして過去最大に長いです。書きたいこと書けて満足
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アンサーside
俺たちが魔術王に何も分からないうちに殺されて死に戻ったら蟻たちにアインゼを包囲された後だった
「シンセンさん、今どんな状況ですか!?」
「アンサーくん、死に戻ってきたのかい?」
「ええ、魔術王らしき人物に特大魔術で殺されました」
「その話、少し詳しく聞かせてくれないかい?」
後ろからそう話しかけてきたのは身長2メートル以上ある歴戦の猛者という言葉が擬人化したらきっとこんな人になるんだろうな〜と真っ先に思えるほどの雰囲気を纏った男だった
「アレンシルさんどうも」
「シンセンさん、彼は?」
「帝国の貴族で英雄爵であるアレンシル・トライスターさんだ」
「どうも、紹介に預かったアレンシルだ。それでそこの少年、魔術王にあったんだろう?その時の状況と魔術王の外見を教えてくれないか」
俺は事細やかに説明していった
「なるほど、黒光りする鎧と兜を被っていたから素顔とかは見えなかったけど人型ではあったんだね」
「そうです。だけど一瞬しか見えなかったから合ってるかの確証があるかと言われると不安ですけどね」
「ふむふむ、そんな感じなんだ。でもその特大魔術がここに撃ち込まれたらたまったものじゃないね」
そんなことを話していると後ろから豪華な服を着た太った男が話しかけてきた
「トライスター英雄爵とリョクオウ騎士爵、あなたたちには後ろでもしもの時の戦力として待機しておいていただきたい」
ちなみにリョクオウとはシンセンさんが騎士爵をもらった時につけた家名なのだそう
新鮮な緑黄野菜
(シンセンさんこの人は?)
(このアインゼとその周辺の草原の領主アインゼ侯爵だよ)
「もしもの時というのは?」
「それはもちろん領主邸や神殿が破壊されそうになった時だよ」
「なるほどね〜、はいはい、わかりましたよ。樹海ならまだしも
「なんだねその言い草は」
「いえ、なんでもありませんよ」
アレンシルさんがそう言った後少し不機嫌なままアインゼ侯爵は帰って行った
「なんか感じ悪い人でしたね」
「あれでも樹海からの魔物の氾濫を帝国建国時から防いでいる侯爵家の当主だからできる奴ではあるんだけどな。古い貴族家らしく選民思想があるのがたまに傷ってところだ」
「それで英雄爵様は侯爵に言われたとおり後ろで待機しているつもりはあるのかい?」
「はっはっは、そんなわけがないだろう。騎士爵さんもその気は無いんだろう?」
そんな話をしていると外で包囲している蟻たちへの迎撃が始まった
「流石にここで俺たちが出るわけにはいかねえな」
アレンシルさんはそんなことを言いながら遠見系のスキルで外の様子を見ているようだ
「外の様子はどんな感じですか?」
「ああ、蟻の中に酸の塊を腹から城壁に撃ってる奴がいるからそいつを狩ろうと躍起になっているって感じだな」
領主邸前の天幕で待機を命じさせられたアレンシルさんとシンセンさんのはからいで一緒に天幕内に居させてもらっているのだが俺はここにいていいのだろうか?
「少年、ここにいてもいいのかって顔してんな。ここは1人で十分強い奴が待機する場所だ一騎当千ってのはいいようにも感じるが軍隊で動く時はたった1人強いと逆に大変になるのが常ってもんだ。だからここぞって時に俺たちが出られるように天幕が用意してあるってこった」
俺は、この人たちほど1人で戦えるのかな?
「おまえさんのその双剣、扱えきれてないが業物だろう?しかも聖剣や魔剣の類の」
な、鑑定するそぶりもなしに何でわかった!!
「俺もそういう物を何本か持っててな今そこに立てかけてあるのもそうだ」
そう言って指差した先にはアレンシルさんとそう変わらない長さの大剣が立てかけてあった
「こいつは“
話を聞く限りかなり強く感じるが、切ったのか切れなかったのかの判断ができないということがどれほど扱いにくいのかは何となくだけど分かる
「おまえさんも今まで使ってきた剣とその双剣の切った時の手に伝わる感触が違いすぎて戸惑っているのだろう?」
「はい、今まではちゃんと命を俺は奪ったんだという実感が手に伝わってきたんですが今はバターを切る時ほどしか手に感触がこなくて自分が命を奪ったという実感とちゃんと倒せたかの自信がなくなってきているんです」
「伝令!推定魔術王の軍勢が外壁を突破し大通りまで侵入を許したそうです」
「この話の続きはまた後でな、よしいくぞ!!…それでどこ行ったらいい?」
「それでしたら我々来訪者のが復活する要でもある街の中心の神像に向かいましょう。魔術王がその像が来訪者という死んでも戦場に戻ってくる存在が復活する場所だとしれば破壊すると思います」
「それじゃあ、そこにいくか」
そう言って立てかけてあった“
兵士の中を進むのは時間が惜しいと思ったらしく家の屋根の上を走っていくとそこには粉々に切り刻まれた神像と剣を持って立っている魔術王がいた
「間に合わなかったか。……あなたが魔術王、ですか」
シンセンさんが悔しそうに言葉をこぼした
「いかにも、我こそは魔術を極めし王、それすなわち魔術王である」
魔術王が何かを言ったのを感じたがそれよりも俺は魔術王がここまできたであろう道に散乱する死体の後を見て怒っていた
「なんでいきなりこの街を襲ってきた!!」
まず出てきたのは単純な疑問だった
「そんなことか。我は住処の近くで獣たちを狩る分には何もなかったのであるが、こうもチョロチョロと我の居場所を探ろうとする者たちや穏やかではない来客が来ているではないか、ならば、とこちらから挨拶にきたまでのことよ」
次に魔術王の返答に対して怒りは増大していった
「
「ふむ、ならば問うが、そちらでは武装した集団でなんの忠告もなしに突撃するのが王への謁見の仕方なのか?」
何が王だ、ただ人を殺しまくる魔物だろうに
今にも襲いかかりそうになった時、俺たちの前に一歩でたアレンシルさんが言った
「そいつはすまんかったな王様」
「少しは礼儀がわかるやつもいるようだな、そのことに免じて言葉遣いについては不問としよう」
「御慈悲ありがたく存じます」
「うむ」
「今回は王様に謁見をしてくださるかの伝令を送れなかったこっちの落ち度だ。だからここは一回引いてもらえないか?」
アレンシルさんは一体何を言っているんだ?こいつらはただ人を殺し喰らう魔物だろう何でそんな相手を敬うようなことを言うんだ?
「我を前にしてその気概気に入った、が、それはならぬそちらはこちらを下に見ているのであろう?でなければそのようなことはせぬ、ここで引き下がったのならばそちらは一生我らを舐めたままであろうどうならぬよう、我は今回無礼を働いた者とその者の国を許すことはないと決めている」
やっぱり、王と言っても魔物だな。殺すことしか頭にない
「そいつはしょうがない、交渉決裂だな」
「貴様がただ1人民のために出てきたなら考えんこともなかったがな」
「こりゃあ、間違えたな。“おーい、侯爵さんよ交渉は決裂しちまった”」
アレンシルさんが後ろに呼びかけるのにつれて後ろを見ると今まで以上の討伐隊の集団がいた
そこからは全面戦争といった言葉が一番合うだろう、魔術王のスキルか何かで魔術こそ使えなかったものの途中からは魔術王からある程度離れれば使えるようになったし押される事はあってもこれ以上攻め込まれることもなかった
俺は最前線でシンセンさんと共に蟻どもを殺しまくっていた
“ゴッ”
それは突然だった後ろから轟音と共に地面が軽く揺れたと思うと魔術王側にどよめきが起こった
何と、アレンシルさんが魔術王を殺したと言うのだ。そこからしばらくは相手もトップがいなくなり統率が乱れたのかこっちが優勢になり奥では魔術王の側近らしき鎧を着た魔物とアレンシルさんが戦っている音が聞こえてきた
メルトside
城壁の近くに転移してから空を飛んで戦場を観察しているんだけどこっち側が少し劣性かな?
『ミネルス戦局は大丈夫そう?』
『王が死んだと言う情報であちらの士気が上がり、こちらが混乱している少しの間で一気に押し込まれました』
『私を殺した奴は?』
『姫様たちが押さえ込んでおります』
『了解!それじゃあ私はこの戦局をひっくり返す準備をするから今からそっちに向かう蟻たちでできるだけ相手を多く殺しておいて。こっちの被害は多少多くてもいいからとりあえずいっぱい殺して』
『御意』
さて今回やるのは死霊魔術でございます
属性魔術でいうところの高位魔術に当たるまで強化した死霊魔術は、今までの死体をアンデットとして復活させる魔術とは違い死体や魂、そのた素材を使ってアンデットを召喚、作成できるようになりました
早速やっていきましょう
「え〜っと今回はランダム召喚でいいかな?」
召喚の生贄には、今まで蟻たちが殺してきた徒人と妖精、少しの天使の死体と巣の貯蔵庫にあった樹海の獣肉を少々
それと今いるアンデットたちの強化分を引いた今持っている全部の魂に、私の体から漏れ出す魔力の結晶である天魔霊の魔力結晶、同じく私の魔力で変質した天魔鋼を入れようかな
それじゃあ、ちょと恥ずかしい詠唱をしますか
「天上の死と生の廻りを司りし者たちよ我が冒涜を見よ!天上の未練ある者を救う心優しき者よ我が偉業を祝福せよ!幾千の
死霊魔術“
私が指定した生贄を求めるかのようにアインゼ全域の地面にドス黒いく歪んだ魔術陣が展開されていくとそこから青白い死人の手のようなものが死体を魔術陣に引き摺り込んでいく
全ての生贄を引き摺り込んだのか白い手がなくなり魔術陣が飛んでいる私の真下で収束する
“
“召喚されるアンデッドがネームドユニークになります”
“
お、アナウンスが何か言ってるけどこのまま発動した方が絶対面白いし発動!!
魔術陣から赤い稲妻が走り魔術陣が赤黒い濃い血の色に変色したと思ったらさらに金色の稲妻が迸り今度は黄金に色が変わる
「あれれ?めっちゃ魔力持ってかれる!これ私やっちゃったかも!」
黄金に変わった魔術陣は私の8割魔力を持ってったら黄金の光を爆発させた
“最上級特殊変異死霊 デカラビア”
そこにいたのは中を浮いた
「え、何これ?このアスタリスクがあんだけ生贄捧げて出てきた奴?」
“初めまして召喚者よ、私ははデカラビア。一応魔神をやらせてもらっている。失望したのならすまない”
いきなり分裂、変形したかと思うと文を形作った
会話方法これ⁉︎面倒くさー、それに魔神って事は超越種かなんかなのこいつ?
「魔神って言うけど神とは違うの?」
“魔神は超越種ではないが、神の次に創造主に作られた存在ということでは神と同じだ”
どっかで聞いたことあんなーと思ってたけど魔神でピンときたわ!こいつソロモンの72柱の魔神の1人だ!!
“それで召喚者よ、私の最初の仕事はあそこにいる虫の掃除かね?”
「違う違うあれは味方、あっちの徒人と妖精たちが敵」
“任された。では、初仕事だ気合を入れてやろう”
すると分裂して文を形作っていた物が一つづつ鳥に変わり突撃していく
「あの鳥が攻撃方法?」
“そうだ、我が体を形成している流体金属でできた機械の鳥だ”
突撃していった鳥が敵に近づくと口を開き中から銃口が出てきてそのまま発砲し始めた
「いやいやいや、これのどこが魔神やねん」
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初めましての方は初めまして、前から読んでくださっている方は続けて読んでくださりありがとうございます。
作者のH2ゾンビと申します。
まさかまさかのメルトちゃん初デスです
メルトちゃんを倒した方法ですが霊体も切れる防具貫通の剣でぶった斬ったでした。ちょっと簡単すぎましたかね?
書きたいこと書いていたらアインゼ陥落まで行きつきませんでしたすみません
今度こそアインゼ陥落です
それでは2−24でまた会いましょう
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