2−21
来訪者のリスポーンポイントを破壊し終わってこれからの動きを確認していると
「間に合わなかったか」
おや?遠くから向かってきているのはシンセンとアンサーくんじゃないですか、後ろにいるのは掲示板で言われていたアンサーくんのパーティーメンバーかな?
「あなたが魔術王、ですか」
シンセンが盾を構えた状態で話しかけてきた
「いかにも、我こそは魔術を極めし王、それすなわち魔術王である」
いきなりだったからロールプレイし始めちゃったけど違和感ないよね?
あれ?アンサーくんの武器がカッコいい双剣に変わってる、あれがアンサーくんの大会の賞品なのかな?
「なんでいきなりこの街を襲ってきた!!」
「そんなことか。我は住処の近くで獣たちを狩る分には何もなかったのであるが、こうもチョロチョロと我の居場所を探ろうとする者たちや穏やかではない来客が来ているではないか、ならば、とこちらから挨拶にきたまでのことよ」
「
「ふむ、ならば問うが、そちらでは武装した集団でなんの忠告もなしに突撃するのが王への謁見の仕方なのか?」
シンセンは返答に困ったような顔をするがアンサーくんは最初からずっと怒りに染まったままだった
「そいつはすまんかったな王様」
一番後ろにいた偉丈夫が一番前まで出てきて跪いてから言ってきた
「少しは礼儀がわかるやつもいるようだな、そのことに免じて言葉遣いについては不問としよう」
「御慈悲ありがたく存じます」
「うむ」
「今回は王様に謁見をしてくださるかの伝令を送れなかったこっちの落ち度だ。だからここは一回引いてもらえないか?」
「我を前にしてその気概気に入った、が、それはならぬそちらはこちらを下に見ているのであろう?でなければそのようなことはせぬ、ここで引き下がったのならばそちらは一生我らを舐めたままであろうどうならぬよう、我は今回無礼を働いた者とその者の国を許すことはないと決めている」
「そいつはしょうがない、交渉決裂だな」
「貴様がただ1人民のために出てきたなら考えんこともなかったがな」
「こりゃあ、間違えたな。“おーい、侯爵さんよ交渉は決裂しちまった”」
偉丈夫がそう叫んだ後、後ろに見える大きな屋形から大勢の軍隊が出てきた
「最後に聞くが、そなたの名は?」
「ヒューマニア帝国英雄爵、アレンシル・トライスター」
「覚えておこう」
屋敷から出てきた軍隊がこの大広間の近くまで来ると遠くでやけに豪奢な馬に乗った1人の太った男が言ってきた
「やはり下等な魔物だな、王と言ってもワチたちの慈悲も感じられないとは、まだ厄災王の方が話がわかったと書かれていたぞ」
あ、それ言っちゃう?フォスとアンバーにミネルスの特大地雷2つも同時に踏み抜くなんて、死ぬことは確定したねあのデブ
「おい、魔物、樹海を開け渡してワチに隷属すれば命だけは助けてやる」
こいつ今までの戦い知らないの?私がいうのもなんだけど蹂躙につぐ蹂躙だったはずなんだけどな〜
こいつ頭がお花畑か飛んだ楽観主義者なのかな?
「ふん、答える脳もないか」
あまりのバカ加減に呆れてものも言えないんですよ
「隷属だと、寝言は寝てから言え、オーク」
私がオークと言った瞬間、冒険者が集まっているあたりから笑うのを我慢できず吹き出すような声が聞こえた
「お、お、オークだと!偉大なる帝国の建国当初からあるアインゼ侯爵家の当主であるこのワチをオークと言ったか魔物ふぜえが」
わあ!顔を真っ赤にさせて怒ってる顔とかオークそっくり
「もういい、やってしまえ」
ありゃ?痺れを切らして襲いかかってきちゃった
『ミネルス、やっておしまい』
『小隊単位で近距離戦をしろ!相手が味方への誤射を恐れて撃ってこれないほど接近しろ!
『おいマスター、オレにもやらせてくれあのオークの言ったことでムカついてんだ』
『私も少し特大魔術をぶっ放したくてたまりませんわ』
フォスの語尾がお嬢様になってるってことはガチギレしてるじゃないですかー
『いいけど私が中にいるんだから前線には出られないよ』
『このくらいの距離合ってないようなもんだ』
『結構』
天刃流柔剣術“流留転返”
アンバーが剣に魔力を纏わせ魔力の刃を剣先から伸ばすと攻撃してくる敵の剣を絡め取りそのまま転ばせて斬り殺していく
フォスは全属性の下位魔術を的確に相手の嫌がるところに打ち込んでいる
うわー見るからに敵が減っていく、もとは上と左右の大通りをほとんど埋めていた敵も3分の1ぐらい減ってきた
「な、な、何をしている!早くその蟻たちを殺さないか!」
「前から言ってるでしょう!俺たちはこのありに森の中で勝ったことがほとんどないって」
「もうなにこの負けイベ、いくら報酬がいいっていってもやる気もうないし落ちようかな?」
来訪者からもう終わりのような雰囲気が出始めたとき
「こうなったら司教様、神からの賜り物のお力を今こそ下賎な魔物に見せつける時です」
「そのようですね、あんな蟻程度に見せるのも多いに癪ですがいいでしょう、魔物たちよ神から賜りしこの力とくとみよ」
オークがいる後ろの方から今まで布を被されていた馬車から白い法着をきたお爺さんがどこか歪んだ王冠と後ろから台座に乗った大きな水晶を取り出した
『
『『『了解』』』
「“聖王の
“領域が衝突しました。
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初めましての方は初めまして、前から読んでくださっている方は続けて読んでくださりありがとうございます。
作者のH2ゾンビと申します。
快活でいい男の英雄爵アレンシルさんとおバカなオークの侯爵が登場しましたが侯爵はいつまで生きていられるのでしょうかね?
最後に
それでは2−22でまた会いましょう
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