2-19
アインゼの上空をいつもの幻術で透明になり飛ぶ私の目の前には私の
「なんだよ、森への侵攻イベじゃなくて街の防衛イベかよ」
「色々気を配らなきゃいけないからめんどくせー」
「流石にイベントだから森の中ほど強くないでしょ」
風魔術で下で話している内容を聞いているが来訪者が話している内容のほとんどが『経験値稼ぎだ』とか『防衛イベめんどくせー』などだが、住民や騎士は『おしまいだ』とか『死んでも都市を守る』など絶望と自分を奮い立たせる言葉が半々だった
それから少し経って、外の軍団への迎撃が始まった。事前に城壁上に言いた弓兵や魔術使いは一度殲滅しているので人が足りてないのか弾幕というには薄いが全方向に攻撃している
『攻撃というよりはこれ以上近づかせないための牽制という感じだな』
「まだあっちもこの包囲を突破するための作戦も編成もできてないからね、流石に無策で突撃させるような指揮官はいないでしょ」
包囲してすぐは一部の来訪者が勝手に突っ込んできたが一瞬で死に戻っていったためすぐにいなくなった
『メルト様さっきみたいに高威力魔術で終わらせちゃだめですよ』
「流石にそんな面白くないことはしないって、これはフォスとアンバーの復讐とミールの進化への足掛けなんだから私がでしゃばりすぎちゃ意味がなくなっちゃうでしょ」
しばらくして各方位の門から討伐隊の本体が出てきた
「さて、本番だ」
私は幻術を解除し姿を表す
最初に私のことを見つけたのは今から街の防衛イベントだと意気込んでいた来訪者だった
「おい、あの空に浮かんでんのって噂の魔術王じゃないか?」
「は、何言ってんだ?」
「上!確かに上に誰かいるぞ!!」
「初めまして皆さん。そしてさようならだ」
『ミネルス、酸弾装填』
『酸弾装填』
スケルトンの間からやけに腹が膨らんだ蟻が出てくる
「おい、あんな蟻確認されていたか?」
「知るかよ、森の半分も探索されてないのにわかるわけないだろ」
だてきた蟻が腹を足の間から前に出す
『装填完了!!』
『発射』
『発射ー!!』
すると蟻の腹からオレンジ色の粘度が高い液体が城壁に向かって打ち出された
“ジュウゥゥゥ!!”
「おいおいおいおいおい!!」
「城壁が溶けてんぞ!!」
打ち出された砲弾は城壁に命中し当たった衝撃で飛び散り城壁の広範囲にかかり溶かしていく
あの砲弾を打った蟻の名前は
『次弾装填』
『次弾装填!!』
余りに予想外の光景を目にして呆けていた討伐隊は
「もう一度撃たせるな!!」
「相打ちになったとしても止めろー」
「あれのどこが蟻って言うんだよ。あれじゃあ戦車じゃないか」
言い得て妙だね、硬い外骨格を持ち、人より速い速度で走り、構造物を高威力の弾で破壊する、まさに戦車のような蟻だ
「ちっ!このスケルトン地味に嫌な位置に嫌がる」
「本当にこいつらスケルトンなのか、見たことない金属の鎧着てるし後ろにいる遠距離職の斜線に俺らを入れて戦いやがる」
「後ろからいつも見る蟻たちも出てきたぞ」
「うげ〜、明るいところで見るとモロでっかい蟻すぎてキモい」
『次弾装填完了!!』
『発射』
『発射ー!!』
“ジュウウゥゥゥ”
「城壁が目に見えて凹んできやがった」
「全体下がれ!!空いた穴から侵入させるな!!」
「むり!こいつら全然逃してくれんない」
「君たちは私たちの撃退と街の住民を守るっていう二つのことをやらないといけないけど、私たちはただ壊して壊して壊しまくればいいだけだから私には恨みも何もないけど経験値になってね」
合掌〜。さてと
『ミネルス次弾装填』
『完了しています』
『それじゃあ発射』
『発射ー!!』
“ジュウウウゥゥゥゥ”
「ああもう、鬱陶しい」
「こいつら虫のくせして立派に連携してくる」
「後ろから針とか下位魔術とかも飛んでくるようになったぞ」
本格的に討伐隊編への迎撃も始まったっぽいしこれからしばらくは城壁を壊れるまで繰り返しかな
「援軍きたぞーー」
「ありがたい」
『発射』
“ジュウウウウゥゥゥ”
『次は今向かってきてる援軍に向かって打ってもらってもいい?』
『お安いご用です』
「おい、蟻の照準の向きが変わったぞ!」
「どこねれってやがる」
『発射』
「おい、避けろー!!」
「へ?」
“ジュッ”
蟻酸の砲弾に当たった来訪者は当たった瞬間頭が溶け消えていき、住民の騎士はまず鎧が溶けその後体も溶けていったが死体は残ったため非常にグロい見た目になっていた
『うわっ、ぐろすぎでしょ』
「キャーーー!!」
「おいおい、これ本当に対象年齢8歳以上のゲームかよ」
それは私も思う、流石にこれは無いわ〜。もう人に打つのはやめよう
『今度は直接当てないで合流させなおように地面に広範囲に散布してくれない』
『了解です』
来訪者の中にはフィルターでグロやホラーみたいなものをモザイク処理して見ることができるのでほとんどの人は大丈夫だが何人かは吐いていた
住民の騎士は余りの光景に戦う気が失せたのか城門から街に戻り籠城を決め込んでしまった
『騎士たちが街に立て篭もっちゃったからまた城壁に撃ってくれない』
『了解です』
『発射』
「なんなんだよこのクソイベ、住民の野郎たちも逃げやがって」
「おい、大丈夫か」
「オウェ、オゥゲ」
う〜ん、本当だったら蜂たちに蟻を空から投下させようかな、と思ってたけどそこまでしたらちょっと簡単すぎるかな〜
「蟻たちを城門付近まで引きつけろ、味方が近くにいたら流石にあいつらも打てなくなるはずだ」
「ナイスアイデア」
「おい、おまえらこっちだ“挑発”」
おっ?来訪者も作戦を立て始めたぞ、だが残念蟻たちには酸への高い耐性を持ってるから遠慮なく撃ってきますよ。味方の酸で死んだとしてもミールのところで復活するのでバンバン打ちますよ
“ジュウウウウウゥゥゥゥゥゥ…ボコッ”
「穴開きやがった」
「もう終わりだよ、せめてあのくそ蟻を道連れにしてやる」
「くそったれー」
う〜ん、余りにも順調に行きすぎてあっちが可哀想に感じてきた
まあ、順調なことはいいことだ。よ〜しこのまま殲滅しちゃおー
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初めましての方は初めまして、前から読んでくださっている方は続けて読んでくださりありがとうございます。
作者のH2ゾンビと申します。
ついに始まりました蹂躙回、いやー爽快ですね〜
作者は夏バテで体調不良気味ですが頑張って毎日投稿を続けていきます
それでは2−20でまた会いましょう
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