閑話2−3
アンサーside
大会イベントで3位になってイベント報酬を貰ってから何度か樹海に挑戦したが今までよりかは奥まで行けたが名無しの虎が掲示板で見つけた情報である“魔術王の周囲ではMP消費スキルが発動しなくなる”という範囲までは到達できず上位アリのパーティーに倒された
樹海でアリたちに倒され
「それにしても何あれ、アサシンビーとかいうやつ3段階強化済みのオレッチの気配感知と聞き察知に全く反応しなかったんだけど」
「ふむ、単純にあの蜂が持っている隠密系スキルの方が効果が強いということだ」
「そういうことじゃなくて1ヶ月半も鍛えたプレイヤーよりも圧倒的に強い雑魚モンスターが3ステージ目の街に程近い森に何でわんさかいるんだって言いたいんっすよ」
「おい社畜、素の三下っぽい語尾が出てるぞ」
「メリュメリの姐さんは変だと思わないんすか」
「あぁ?あの森には魔術王なんて言うボスがいるんだろう、なら雑魚も強いのは当たり前だろうに」
イベント前では何回も負けて暗い雰囲気だったパーティーもC級パーティーと認められギルドからちゃんとした森の調査依頼がきたここ1週間は負けても今みたいに落ち込まなくなっていた
「そういやアンサー?帝都の方でできてる魔術王討伐隊ってのには参加しねぇのか?」
「それ、オレッチも気になる。来訪者でもB級以上の個人かC級パーテイー以上なら参加できるんでしょ」
あ〜、そのことか〜
「そのことならギルドから俺に招待状というか徴兵状みたいのがきているんだよね」
「「「「はぁーーー!!」」」」
「ふむ、帝都について討伐隊に参加したはいいものの我らのリーダーは囲まれているな」
「何が“囲まれているな”だよ、リーダーに検証班やらが
「それじゃあ、おまえもああなりてえのか」
「それは勘弁」
あいつら俺を見捨てて歓談しやがって、後でPvPでボコす
それにしても
「報酬の装備のステータスかスキルの詳細を教えてもらってもよろしいでしょうか?」
「おい、イベ3位俺のパーティーにこい!」
「アンサー様、こっちに手を振ってくださーい」
こいつら鬱陶しいし
「そこまでにしてあげてもらっていいかい?」
「シ、シンセン⁉︎」
シンセンさんが来て囲みの中から連れ出してくれたけど今度は偉い人が居そうな屋敷に連れてこられた
ちなみにパーティーメンバーは俺を見捨てたことがなかったことのようについてきた、絶対に後でボコす
「シンセンさん俺になんのようですか?」
「私は君に頼み事があるという人物の仲介役だよ。さてと、着いた館の中に入ったら執事の人が案内してくれるだろうからここで私はおさらばだ」
そう言ってシンセンさんはクルッと反転して街の中に帰っていった
「とりあえず中に入ろうぜ」
「お前ら今まで俺を見捨てていいてよく言えるな」
「でも、俺らの中で誰かが同じような状況になったらお前も同じような行動するだろ?」
「そりゃそうだ、面倒臭い以外の何物でもなかったからな」
「これは随分ご機嫌斜めだ」
歩きながらだべっているうちに門から館の玄関についていた
え〜っとこう言う時って何回ノックすればいいんだっけ
「4回だ」
「名無しの虎はほんとに物知りだね」
「いやいや、シンプルに思考読んでる方に驚こうよ」
「社畜、何ツッコン出るよの?いつものことでしょ」
ということで扉についているリング?名前が分からない丸いやつを扉に軽く4回ぶつける
「アンバー様御一行ですね、御当主様の所へ案内致す前に武装をこちらで預からせていただきます。お帰りの時返しますのでご安心を」
音もなく3mはある木製の扉を開けて出てきたのは絵に描いたような老執事だった
みんな老執事さんの後ろから新しく出てきた執事さんたちに武器を渡してから館に入る
「改めまして、ようこそお越しいただきました。
まさかのセバスさんとは‼︎横を見ると名無しの虎以外は露骨に驚いていたが名無しの虎だけいつものポーカーフェースを貫いていた
「それだはご案内いたします」
セバスさんの後ろを追って2階にある大きな扉についた
「マルティー様アンサー様御一行をお連れしました」
「入れ」
中から渋い声で入室を促されセバスさんがドアを開けてくれたので恐る恐る入っていく
「君がアンサーか、ようこそ我が
「お、王子様⁉︎わ、私のな、名前はア、アンサーといいます」
「そう緊張しなくて良い、今日は個人的な場であるからな」
まさか帝国の王子様が俺に用があるとは思わなかった
「こう言う場での固っ苦しいのは嫌いだから早速本題に入るが、どうだ我が帝国の騎士団に入らないか?」
な、なんだこの圧迫感と言うか威圧感と言うか
「ほお、その程度の強さで我の威圧に耐えるとは。よし、ますます気に入った我のところに来い!」
自然と唾を飲む、一瞬飲み込まれそうになったがギリギリ押しとどまれた
「お、お断りします」
「ふむ、その心は」
「私、、、いや、俺の目標はこの世界の最強に挑みそれを超えて頂点になることだ、誰かの下についたら最強を超えたとしても頂点にはなっていない、と俺が思っているからだ」
「うむ、そこで下手なことを
「御意」
………い、行きた心地がしなかった〜。私って話始めた途端威圧が一気に強まって死ぬかと思った
「御当主様の威圧の中で良く言えましたね」
「はは、ほんと行きた心地がしませんでしたよ」
「御当主様の勧誘を断った来訪者はあなたを含めて3人ですよ」
「と、いいますと」
「シンセン様はすでに魔術公国に忠誠を誓ったと即座に言い切り、ドクロ様はそんなことより人と戦っていたいとおっしゃっていました」
なるほど、あの2人ならいいそうだ
「マギアさんは勧誘していないのですか?」
「マギア様も勧誘したいそうなのですが、肝心のマギア様の消息が分からないため半分諦めているそうです。それではこちらの装備はお返しします。討伐隊でのご活躍お祈りしております」
セバスさんに見送られ街のメインストリートに向かう
でも、マギアさんか〜あの人とはまた戦いたいな〜
ウラドside
「は〜全っ然、攻略進まない」
「カルミラ、悪態つかない。しょうがないでしょあなたの我儘のせいで二人パーティーのままなんだから」
「そ〜言っても〜私たちの動きについて来れる女プレイヤーが全然いないんだもん」
酒場の一席に座って机に突っ伏せているカルミラを見る
「下手なプロゲーマーより強いあなたについて来られるのなんて一握りすぎるわよ」
ここ1週間、樹海の新しいところまで進めてないので不貞腐れている
「そう言えばー、掲示板でもしかしたら戦争イベが起こるかもしれないって言ってた気がするなー」
「マジッ!!!」
ほら、こう言うことを言うとすぐ食いつく
「女王国が帝国で集まってる魔術王討伐隊って言うのが建前で魔族側に進軍する軍なんじゃないかって警戒してるんだって」
「確かにそれはあるかも」
さっきまで不貞腐れていたのが嘘のように真剣な顔で考え始めた
「よし、女王国に行くか」
「何が“よし”よ。今受けてる樹海の生態調査のクエストどうするのよ」
「違約金はボクが払うから安心しな」
「言いたいことはそう言うことじゃないのよ」
そのままギルドにいき今までに得た魔物の生息域の情報を報告して報酬がそのまま違約金になり次の日、女王国目指して出発した
「それで、女王国についたらどうするの?」
「そりゃぁ、そっちのギルドで成り上がって国からの戦争以来を受けて戦争で暴れるんだよ」
「はぁ、いいわ、最後まで付き合ってあげる」
「それでこそボクの妻だよ」
「元ね、元」
もう本当にこう言う時のカルミラをかっこよく思ちゃうんだから、自分が嫌になるわぁ
セキロside
吾輩は猫(獣人)である名前はセキロ、吾輩は今未曾有の危機に陥っている
「ねえねえ、セキロまたお話聞かせて?」
そう今私のズボンを掴んで上目遣いでお願いしてくるこの少女のせいで危機に陥っているのだ
なぜこのような状況に陥っているかというと、話は5日前に遡る
「次の仕事はとあるお偉いさん一家の護衛よー」
「バリツさんお仕事お疲れ様です」
この傭兵団で仕事をとってきたり交渉ごとを担当しているのはバリツさんなのだ
「団長や他の野蛮な男どもに任せてちゃ、この傭兵団はとっくに倒産しているわよ」
まあ、そう言うことなのだ
「それで護衛相手はどんな人ですか?」
「ローゼス団長の実家よ」
なんて?
と言うわけでローゼス団長の実家で猫獣人の代表をやっているキャスパーグ一家を護衛しているのだがローゼス団長の妹であるリンリーちゃんになぜか懐けれてしまったのだ
昨日、野営の前に暇そうにしていたリンリーちゃんを見つけて現実世界の童話を少し改変したものを話してあげたら今日1日こうやって付き纏われているのだ
「休憩所についてみんながお昼の準備をしているときならいいですよ」
リンリーちゃんが俺に懐いたのを見てキャスパーグ夫婦も私に任せてローゼス団長と話すのに夢中になっている
「ほんと、昨日話してたお菓子の家のお話とか大っきい巨人を小ちゃい小人が倒す話とか聞かせて、聞かせて」
それにしても本当にどうしてこうなったんだろう
————————————————————————————————————————
初めましての方は初めまして、前から読んでくださっている方は続けて読んでくださりありがとうございます。作者のH2ゾンビと申します。
アンサーくんは帝国の王子様に目をつけられて、ウラドちゃんは愛しいカルミラに振り回され、セキロくんは可愛いロリ猫娘にタジタジになってしまってましたね
王子様はオレ様系ナイスガイな叔父様ですね、ちなみにセバスさんは常に薄っすら笑みを浮かべた一見優しそうなお爺さんです。この2人はかなりお気に入りです
それでは2−15でまたお会いしましょう
下↓の応援♡や⭐︎、レビューなどで応援してくださると励みになります
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます