2-14
マレニアさんから情報をもらって、世間話をして帰ってきたは良いものの
「何?この状況」
そこには上半身が地面に埋まってピクピクしているスパロちゃんと、その周りであたふたするミールに、何故かリビングソードを全て展開させた状態の怒っているアンバーちゃんという情報量が多い光景が広がっていた
『説明は私からします』
そう言いながらフォスちゃんがフヨフヨ飛んで来た。疲れているのか心なしか嵌っている宝石が少しくすんで見えた
「フォスちゃんはお疲れのようだね」
『ええ、私が止めなければ今以上に被害が出ていたでしょうね』
いつもなら自分から私の首に掛かるのに今日は私の手の上に降りて私が掛けてあげた
「フォスちゃん、状況説明よろしくね」
『まず、スパロさんが巣の案内が終わった後スー様の本体に会いに行かれたときスコルとハティ様の毛に埋もれて寝たときのことをモフモフスベスベで〜お日様の匂いがしてとっっっても気持ちよく寝れたんですよ〜』のように懇切丁寧説明していたのですが、今までスコルとハティ様をモフりたいという欲求を我慢していたアンバーの精神を逆撫でしてしまいこのような状況になってしまいました』
「う〜ん…平和だね〜」
『これのどこが平和なんですか⁉︎』
ミールのツッコミは今日もキレッキレだね
さてと、
とりあえず引っこ抜いたスパロちゃんを地面におろして、ストレージから会議用の円卓と椅子を取り出して
「それじゃあ、今の所の進捗報告をミールから」
『我が子たちは歩兵8000、斥候3000、魔術兵2000、弓兵5000、剣兵2500、槍兵2500、盾兵2500、衛生兵5000、工兵8000、暗殺者800、指揮官1000、騎士2500、重騎士1000、魔術騎士1000、近衛騎士500、計45300の兵がいつでも出撃できるよう訓練に励んでおります』
ミールは卵産みを中心に強化してきたので今では20種類以上の子供を産めるようになっている。後今出てはいないけど鍛治士や調薬士、錬金術士、農家や炭鉱家などの生産系の子供もかなり増えた。変わり種として保育士や使用人なんかもいる
それこそ今テーブルに紅茶擬きを配膳しているアリが
『次は私たちですね、カオススケルトン大隊はいつでも出陣できますがダンピールゾンビ小隊、カオスゾンビ大隊はやはり直射日光化での戦闘には向きません』
以前死霊魔術と錬金術で作ったフェアリーカオスカーススケルトンと森に入ってきた騎士から作ったカオススケルトンは元々が騎士だった為か進化してフェアリーカオススケルトン
カオスダンピールゾンビは
「それならスケルトンを出撃させてゾンビはこの巣の警備にあたらせようか」
『御意に、それとミール様の子供たちとカオススケルトンだけでの出撃となると追加でカオススケルトンを300ほど欲しく思います』
「了解了解、後で作るからできたら呼ぶね。さて最後はスーちゃんお願い」
『はーい!えっとね、えっとね、トレントさんたちはね半分ぐらいなら出られるよ♪後ね、森の
半分も出られるのか……
「トレントさんたちと
『いいよ!』
やっぱりスーちゃんはピュアでかわいいね〜
トレントたちの半分ってこの樹海に生えてる木の4分の3がトレントなんだからいったい何万体になるんだろうか
それにこの侵略はフォスたちの敵討とミールが女王となるためのものだからスーちゃんにはあんまり関係ないんだよね。でも手伝ってくれるなんて良い子すぎる
「確認だけど私たちが今回目指すのは帝国の首都である帝都アインゼブル、出撃は魔術王討伐軍が
『『『はっ!』』』
『はーい』
「それじゃあ、残り少ない準備の時間を有意義に使って万全の体制にしておこうか」
「あれ?これ私が聞いてて良い話なの?」
「スパロちゃんいたの」
「ずっといましたよ!!」
「ごめん、スパロちゃんのこと忘れてた」
「メルトさん、ひっどーい‼︎ウチ穴から引っこ抜かれてからずっと置いてけぼりだったんですけど」
完全にスパロちゃんのこと忘れてた
「ほんとにごめん、それと言っては何だけどスパロちゃんにも1つ頼みたいことがあるんだけどいい?」
「へ?」
さて、スパロちゃんは早速私のお願いを叶えると言ってスコルとハティを連れて出て行った
「それにしてもスコルとハティってあんなにスパロちゃんに懐いてたんだ」
『羨ましい』
「素直に言えばモフらせてくれると思うよ」
『オ、オレのキャラじゃないだろ』
いや〜アンバーちゃんのこういうとこらが可愛くてたまらないんだよね〜
「せっかくだし改めて君たち姉妹の
『いきなりだな』
「いつもいきなりなめんどくさいのが私でしょ」
『そういうことは自分から言わないものじゃないのか?』
「知らな〜い」
ふふふ、私はマイペースで自分勝手な女だからね♪
「まあまあ、そんなことは置いておいて」
『そうですね、まず私たち姉妹の最終目標はこの大陸の平定、そして我らが父にして偉大なる賢王たる妖精王を裏切った貴族への制裁です』
そう話すフォスちゃんとアンバーちゃんからはドス黒い魔力が
いや〜改めて見てもここまで純粋な怨念は1周回って綺麗に見えてくるね〜
「どんなふうに制裁を下すかについては私は関与しないけど大陸の平定については私が指揮を取ってもいいんだよね?」
『もちろんですよ。自我が消え掛かっていた我々に新たな体と復讐の機会を与えてくださったのはメルト様ですのに“何もかも私たちのやりたいようにさせろ!”だなんて言ったら私は恩知らずになってしまうではありませんか』
フォスちゃんはこういう誠実なところが好きなんだよね〜
「それじゃ、ミールの
『フォス様やアンバー様のように明確なものではございませんが蟲女王への進化が目標ですね』
「それは前から知ってはいるけど何で今回の侵略に手を貸してくれたの?」
疑問なのはそこなんだよね。王への進化条件を達成するということはわかるけどそれが何故今回の侵略に繋がるのかがわからない
『それは極単純なことですよ。私の支配下にある領域の拡大です。もっと具体的に言えば巣の拡張と我が家族の繁栄のために原住民
「ありゃっ、思ったよりシンプルな理由だった」
『逆にどんな理由だとお想いになったのですか?』
「いや〜、新たな子供のための実験体?を求めて」
『実験体?』
「蜂の中に寄生蜂っているじゃん、その苗床探し」
『確かに
あっ!やっぱり寄生蜂いたんだ、しかも
「みんなの目標も再確認できたし私は作戦の最終確認と自分用の武器の作成に取り掛かるとするよ」
『それそうとマスターの目標って聞いたことねえな』
『そう言われてみればないですね』
『主の目標とはいったい何なのですか?』
「うん、私の目標?それはね————————だよ」
『『『………は?』』』
「それじゃあ、またね」
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初めましての方は初めまして、前から読んでくださっている方は続けて読んでくださりありがとうございます。
作者のH2ゾンビと申します。
今回までで侵略準備編は終わりです。妖精姫姉妹にミールちゃんの真意がちゃんとかけてよかった〜、いつ書こうか迷っていましたが納得できる形で書けたと思います
次回アンサーくんとウラドちゃん、セキロくんsideの閑話を挟んで侵略指導編に入ります
それでは閑話2−3でまた会いましょう
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