閑話2-2

 スパロside


 メルトさんに言われてミールさんと一緒にアリの巣の探索に出たけど見た目がでっかいアリのミールさんになんて話しかけたものか、と考えているうちにほとんどの部屋を回り終えてしまっていた


「あの〜?ここってミールさんの巣ですよね、何でメルトさんがトップをやってるんですか?」

『お恥ずかしい話ですが、今から一月ほど前にいきなり主がこの巣の中で誕生し、親や姉たちに蝶よ花よと甘やかされて育ってきた私はいきなり姿も見せずに私を恐怖におとしいれた主に心の底から恐怖し屈してしまったことで眷属になってしまったわけです』


 ウチは不思議に思った。ここまでの行動を見た感じミールさんはこのアリの巣の女王として誇りもあるしいきなり人の下につくようには感じられない


「そのことに後悔はないんですか?」

『最初は屈してしまったことを心よく思わなこともありましたが、私の目標に協力してくださったりフォスさんやスー様を助けたりしている姿を見ているうちにのでしょうね今では私の全てを捧げてもいいと思っています』


 確かにメルトさんはとっても美人だったし優しかったけどミールさんがいうことは何だかそういうものとは違うように感じた


『あとは最深部の地底湖と坑道、スライム牧場だけでしがそこも見に行きますか?』

「いえ、ここまでで大丈夫です」

『でしたら一度ここを出てスー様に会いに行きましょう』


 えっ⁉︎スーちゃんってあの緑髪の女の子じゃないの?

 樹海の中をミールさんの後ろについていくと遠くにいきなり雲を越えるほど大きな木が現れた


「ふへぇ〜何あの大きい木」

『あれがスー様こと世界樹霊セフィロト・ドライアドのスポロス様です』


 へ〜あれがスーちゃんなんだ……へ?

 雲より高いあれ木がスーちゃん!?


「「Bow」」

『スコル様ハティ様お出迎えありがとうございます。スー様はいらっしぃいますか?』

「Au」

「Won」


 背中側が白で腹側が黒いのが姉のスコルで背中側が黒で腹側が白いのがハティという狼の姉妹ということだけど、今みたいに伏せをした状態でもウチよりでかいからすっごく怖い


『それではお二人から離れないようについてきてくださいね。はぐれるとメルト様の魔術の効果で迷ってスー様に一生つきませんよ』

「は、はい」


 何それ怖っ!アリの巣があった樹海よりさらに深い霧の中の樹海で彷徨い続けなきゃいけないの!


「そういえば世界樹セフィロトって何なんですか?」

世界樹セフィロトはこの世界のエネルギーつまり魔力を循環させる存在です。空に満ちる魔力を天まで伸びる枝葉から吸収し根から大地に流す、そして大地が豊かになる。この世界の運営の一端を担う偉大な存在です』


 う〜ん、難しい。でも大事な存在だってことは分かるけど、スーちゃんがそんなすごい存在に感じないな〜

 そんなことを考えていると大きな木の下についていた


『スー様、スパロさんを連れてきましたよ』

『ウニュ〜?っあ!ドラゴンのお姉さん!』


 おっとっと、いきなり突撃してきたスーちゃんを受け止めるとその後ろから透明な何かが飛び跳ねながら向かってきた


「ミールさんそこにいる透明なの何ですか?」

『それはクリアスライムという生物です。スー様の遊び相手をしてもらっていますので決して攻撃しないであげてください』

『ねえねえ、ドラゴンのお姉さん一緒に遊ぼう?』


 手を引かれて大木の根元に行くとそこには花壇と噴水、木製の遊具がある公園のようなものがあった


『お姉さんこっち』


 連れてこられたのは高さが10メートルはあるジャングルジムだった


『お姉さんどっちが早くてっぺんに行けるか競争ね♪』

「う、うん」


 次に連れてこられたのはこれまた巨大なブランコだった


『今度はブランコでどっちが遠くに靴を投げられるか勝負』

「いいよ」


 今度は巨大な花壇に連れてこられた


『お姉さん花冠作ろう』

「作り方わからないんだけど」


 不恰好ながらできた花冠を被ったまま今度は公園の真ん中あたりに連れてこられた


『うさぎさんたちと追いかけっこだー』

「み、みんな、足、速すぎ」


 何あの兎走ってる時衝撃波出てたよ!追いつけるわけないじゃん⁉︎さらに何あの陸亀甲羅でスピンしたら兎より早いんだけど⁉︎


『スラちゃんとかくれんぼ』

「透明のスライムを見つけるのは難易度高くない⁉︎」


 結局公園の遊具にある窪みの中に綺麗に隠れていたスラちゃんを見つけるために気配察知のスキルまで取ってしまった


『すー、すー、すー』

『お疲れ様でした。いつもと違う人と遊べるということでいつもよりはしゃいでいましたから大変だったでしょう』

「はー、はー、はー、、、。そう思うんなら少しは助けてください」


 ミールさんはウチとスーちゃんが遊んでいる間2匹の狼たちと一緒にスーちゃんの本体の下で何か話していた


「ミールさんはハティさんたちと何を話し合っていたんですか?」

『基本は世間話でしたが侵入者や異変があったかの確認とスー様との遊びでの愚痴を聞いていましたね』


 やっぱりハティさんたちもスーちゃんに振り回されてつけれてたんだ、、、。それにしても今疲れ果てて2匹の狼の間で寝ているスーちゃんがみんなが言うようなすごい人(?)とはやっぱり思えないな〜


『スパロさんもお疲れでしたらスー様に混ざってお眠りになってはいかがですか?私も前にハティ様たちに囲まれて眠ったことがありますがあの毛皮は魔性の毛皮ですよ』


何それ超気になる‼︎


「えーっと?一緒に寝てもいいですか?」

「Won」


それじゃぁスーちゃんを起こさないようにしながら毛の中に埋まる

………。な!何なんだこのフカフカさは‼︎鼻を満たす太陽と花の香りに手をとうしても全く引っかかりを感じないサラサラの毛、これは癖になる

あぁこれはダメだ眠気に抗えない……Zzz


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 初めましての方は初めまして、前から読んでくださっている方は続けて読んでくださりありがとうございます。

 作者のH2ゾンビと申します。

 スパロちゃんとみんなとの交流回でした。スーちゃんが普段何をやってるかを書きたくて書いたものなので満足です

 それでは2−13でまたお会いしましょう

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