2-8

「上手く撒けたかな」


 ミールにスクショの削除を求められて始まった鬼ごっこは途中から世界樹シスターズとスコルとハティの狼姉妹も加わりアリの巣全体が大騒ぎになった

 ただ一つ言いたいのはフォスとアンバーそれにミネルスちゃんたち、私がいつ捕まるかで賭けをするのはどうかと思うな〜一応私あなたたちの主人だよね?

 これでやっと今回のアップデートの情報が見られるよ


「え〜と何々、、、第二陣のプレイヤーが入ってきたから新人プレイヤーと一緒にパーティーを組んで鍛えてあげよう♪って感じかな?」


 第二陣のプレイヤーが参加するのは知ってたけど今日から2週間の間新人プレイヤーと一緒に活動するとパーティー全体に取得経験値増加のバフがつくらしい、多分私には関係ないかな?いや、もしこの森の中が開始位置になった第二陣の魔物か魔獣のプレイヤーがいたら保護ついでに鍛えてあげよ

 他には一部スキルの修正ね、自分に関わるスキルしかわからないけど“眷属化”と“複合魔術”、“並列詠唱”と“魔術陣”がナーフされちゃったか〜

 流石に眷属化は強すぎちゃったからね〜、それで変更点が眷属から集めた経験値は眷属の強化にしか使えなくなって眷属化の条件が少しキツくなったのとあと地味に取得経験値も上がってる

 それ以外だと複合魔術が作った魔術の消費魔力が増えて、並列詠唱と魔術陣は同時に放つ魔術の数によって発動までの時間が延びるようななったと

 う〜ん基本的に全てAIが運営しているはずだけどゲームバランスを取るために運営側の人が修正したのかな?

 あとは特になしっと


『主、見つけましたよ』

「ギャァーーー」



 ここで唐突だが、アンデッドのステータス的な特徴について説明しようと思う

 えっ?ミールに見つかってどうなったかってハハッお説教1時間コースだったよ

 そんなことよりフォスちゃんとアンバーちゃんは錬金術を使ってネックレスと鎧に憑依することで産まれ直した存在だが分類的にはアンデッドに当たる

 そしてアンデッドの特徴としてスタミナが無限であることと身体能力が基本的に上がらないという2つがある

 スタミナが無限なのは肉体がすでに死んでいたり肉体が無機物であったりそもそも肉体がないのものもいるので疲れないし飽きない

 身体能力が上がらないのも死んだ体は成長しないのは当たり前なので理解できるがスキルによる身体能力の向上と死霊魔術とうでの強化だけは身体能力が上がる

 なぜいきなりこんな話をしたかだって?それはね


『マスター、一ついいか』

「何?アンバーちゃん」

『疲れないから永遠に鍛錬できるのはいいんだが、一向に成果が出ないってのはきついんだよ』

「はぁ、それで?」

『え〜っとな、つまり何を言いたいって言うと、オレを強化してくれってことだ』


 ということをパーティーの時に言われてしまいどうしようか悩んでいるところなのだ

 元々ミールたちアリ王国が強くなるのに合わせてアンデッドたちも強化しようとは思っていたけどどうしたものか

 元々死霊魔術はアンデッドの作成と作成したアンデッドの強化しかできない魔術のため強化する手段は持っているが、強化のために素材や強化するアンデッドに合う魂が必要になる。そう魂が必要になるのである

 私たちはずっとこの樹海の中に引きこもっているつまりゴブリンやオーク、スコルとハティの配下になっていない獣の魂しか基本的にないのだ

 それ以外だとたまーに入ってくるプレイヤーやNPCの冒険者と騎士の分しかない。さらに厄介なことにプレイヤーの魂は徒人でもエルフでも吸血鬼でも等しくプレイヤーの魂しか手に入らない。つまりフォスちゃんたちを強化するにはエルフの魂が圧倒的に足らないのである

 錬金術で強化しても新しい特性やスキルを付与するだけで身体能力はバネや動力でも仕込まない限り上がらないのである

 

「アンバーちゃん前の強化してほしいってお願いだけどスキルとかが新しく欲しいの?それとも力とか速さが欲しいの?」

『どっちかっつうとスキルだな』

「あら意外」

『剣が早く振れることに越したことはないけどな俺が欲しいのは技術の向上だからな』

「その心は?」

『そもそもこの鎧の体は生前の最後より力が弱くて戸惑ったけど訓練にはもってこいなんだよ。経験値っつうのはな強うい奴が怪物を倒すより怪物より格下の奴が怪物を倒した方が多く手に入るもんだ、だからこの体になってからはとことん生前に強くなりすぎてとることをあきらめたスキルを取ってやるって思ってんのさ』


 ゲーム的に言えばレベル50がレベル55の敵を倒した時よりもレベル10がレベル55の敵を倒しっと気の方がもらえる経験値は多いってわけね


「へ〜言われてみれば強い人にとって同じくらい強いものを倒しても経験にはあまりならないもんね」

『そう言うこった、それでマスター今オレはどんなスキルが新しく取れるんだ?』

「えーっとね剣術と盾術、騎乗、多刀流を上級まで強化できて、指揮と気配察知、魔力察知を中級まで強化できるね。新しく取得できるスキルは死騎士剣術、死騎士盾術、魔剣術、礼儀作法、踊りだね」

『げっ礼儀作法と踊りは絶対にいらねぇからなマスター、そう言うのはもう生前で懲り懲りなんだよ』


 普段のアンバーちゃんをきているとそんな気がするよ


『あげられるだけスキルは上げて欲しい』

「はいはいっと!」

『死騎士ってなんだ?』

「え〜っとね、相手の攻撃で怯まずに攻撃できたり状態異常で動けなくなっても防御できるアーツがあるスキルだって」


 スーパーアーマー付き攻撃と気絶しても防御し続けられるらしい、強くね?


『便利じゃねぇかそれもよろしく』

「はーい」

『そんじゃぁ早速試しに行ってくる!』


『メルト様ありがとうございます』

「いいよ、いいよ、経験値ならたくさんあるからね。それよりも強化できなくてごめんね」

『それは大丈夫ですよ。今でも十分目的は達成できそうですからね』

「ほんと、ミールたちには助かってるよ」

『そうですね』


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 初めましての方は初めまして、前から読んでくださっている方は続けて読んでくださりありがとうございます。作者のH2ゾンビと申します。

 久しぶりの味方強化回でした。アンデッドはレベルアップはしないけどスキルのレベルアップと戦闘技術は上がりやすいようになっています

 次回は一旦幕間を挟みます。

 それでは幕間2−1でまたお会いしましょう

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