2−7

「え〜イベント準優勝を祝ってカンパーイ♪」

『『『『『カンパーイ』』』』』


 イベントが無事?終わり今はみんなで打ち上げを始まったところだ

 ちなみにイベントが終わってアップデートがあったためログインは半日ぶりなのだけど今まで起きてる間ほとんど全部ログインしてたからたった半日でも久しぶりに感じる

 乾杯してから少し経って


『マスター準優勝したならかなり良い賞品もらえたんじゃないのか?』

「そういえば確認してなかったね」


 え〜っと、メニュー開いてメール欄には…何もない

 ストレージにも何もない、こうなったらステータス欄だ‼︎

 種族特性欄に新しく“抑止と啓示の神の祝福”と“虚構と幻想の神の加護”が追加されていた

 ちなみに内容は


 抑止と啓示の神の祝福 啓示・霊脈感知・危機予測・世界敵特攻

 虚構と幻想の神の祝福 虚属性付与・虚構観測・根源干渉度強化


「“抑止と啓示の神の祝福”と“虚構と幻想の神の祝福”だって」

『『『…』』』

『ススみんな固まってどうしちゃったんだろうね〜』

『スー姉みんなどうしたんだろうね〜』


 ウンッ、スーちゃんとススちゃんが見つめ合いながらキャッキャしてんの可愛い

 ……ふー危うくスクショ撮りまくっちゃうところだった、それにしてもみんな固まってどうしたんだろう


『…もう驚かねぇぞ』

『メルト様は少し自重という言葉を覚えた方がよろしいかと』

「ひどいっ」

『主よ、創造の神の原初の使徒神の御二方おふたかたからの祝福はこのような反応にもなりますよ』

「えっ!そんなに偉い神様だったの」


 いや〜抑止と啓示の神は元王族や貴族のフォスたちが信仰してるから偉い神様なのかな?とは思ってたけど虚構と幻想の神も同じくらい偉いのか〜(遠い目


「それとフォスちゃん、自重しろって言われても神様から勝手に祝福をくれたのに自重のしようもないでしょ」

『二柱の神から同時に加護を与えられるほどの偉業を起こさないでくださいっていうことです』


 そんなことあったっけ?


『そんなことあったっけ?みたいな顔されていますけどこの地に生まれて3週間で根源に到達した時点で大偉業どころか天変地異ですよ』

「そういうものなの?」

『そういうものなんです!』


 いつになくフォスちゃんが食い気味に言ってくるし少し自重について考えておこう

 考えるだけで自重するとは言ってない(キリッ!


(どうせ自重するとは言っていないとか考えているんでしょうね)

「何か言った?」

『いえ、料理が少なくなってきたな、と』

「そうだね、とりあえず今ある料理が無くなったらお開きにしようかな。そこからはいつも通りきたる時のために準備をしようか」

『『『『ハッ!』』』』

『『はーい』』



 さ、て、と、私は私でやることをやりますか

 幻術“シーンビジョン”

 空間魔術“ポイントワープ”

 転移先は商会長のマレニアさんが持ってる転移魔術陣へ


「やあマレニアさんお久しぶりだね」

「⁉︎メルト様でしたか、この度は準優勝おめでとうございます」

「へ〜分かるんだ」

「これでも貴方様の眷属ですので」


 眷属は主人についての情報をある程度知れるとは知ってたけどそんなことまでわかるのか、便利だね

 それにしてもマレニアさん前見た時より肥えてない?大会前に今のプレイヤーのレベルに合った装備を買いに来た時より部屋の装飾が豪華になってる


「あぁこの体型のことですか。まぁなんといいますか、メルト様から言われたとおり販路を拡大するついでに転移魔術陣を各国の都市に設置していたのですが、商売が予想以上に大成功してしまいましてね貴族との立会やパーティーに何度か出ているうちにこのような始末です」

「たった1週間でよくそこまで行きましたね、素直に驚きました。まぁ、ちゃんと転移魔術陣を設置してくれたのなら貴族とのパーティーなどに出るのは良いですけれど、私たちがこの大陸の徒人と妖精、魔人の貴族を敵としているのは覚えておくように」

「もちろんでございます。それと1つ教会といいますか神聖アルカディア法国が中心としたプレイヤーを含めた魔術王の討伐隊を帝国で組織していると言う噂が入ってきています」


 私が欲しがってる情報を何も言わずとも集めてくれているマレニアさんまじ有能

 それに、もうそろそろ動くだろうなとは思ってたけど思ったより大規模な軍を作ってるっぽいねアルカディア法国


「それが本当なら樹海への侵攻までどれくらいかかる」

「ふーむ、遠征で最も大切な兵站を集めるツテがどこまであるかによりますが早くて2週間強、遅くても1ヶ月あれば帝国で討伐隊は結成されると思われます」

「魔人側の動向は?」

「そちらについてはバレンタイン女王国が魔術王への不可侵を決め込んでいるためあるとしても魔人の都市国家レベルでの侵攻はあり得るかと、どこまで行っても討伐体より大きい軍にはなりませぬ」


 ふむ…。目下の敵は結成されようとしている討伐隊、か

 多分シンセンやアンサー、どくろとかの本戦出場するような廃人やゲーマーと呼ばれる彼らは確実に参加するだろうな


「それじゃぁマレニアさんには討伐隊への物資支援として商売をしてもらおうかな、大量に売る商品の中に欠陥品や状態の悪い食料品を混ぜて長期戦ができないようにする妨害工作と情報収集をお願いします」

「了解です」

「特に神秘遺物アーティファクトや神官とかが神から賜ったとかのたまう武具の数とできれば性能の情報、私の魔法禁止空間への対策の情報は得てください。報告は今あなたの影に潜り込ませた影大蛇シャドーパイソンを通してお願いします。あなたの護衛も兼ねているのでバレないように」


 空間魔術“ポイントワープ”

 今度は女王の部屋の玉座に刻んだ魔術陣に向かって転移


『おかえりなさいませ』

「ただいまミール」

『情報収集どうでしたか』

「早くて2週間強遅くても1ヶ月以内に魔術王の討伐体が帝国で結成するらしい」

『思ったより早かったですね』

「それだけ貴族たちあいつらに対して脅威に感じているってことだよ」


 王について何も知らず対策も何も取らないでいれば一番楽だったけど流石に精霊王を殺した貴族の先祖はちゃんと王という存在の厄介さを記録に残したらしい。チッ、面倒くさいことをしてくれる


「新しく産めるようになった農家ファーマーたちの調子はどう?」

『皆元気に働いてくれている、今まで工兵エンジニアに全て任せてしまっていたからな専門の配下が増えれば増えるほどやれることもやることも増えていく』


 ミールはそう言いながら趣味で集めている宝石の原石を磨いていた

 ミールはなぜか出会った頃から宝石に目がない


「楽しそうだね」

『楽しいとも、私たち蟲女王候補は子を育て王になり新たな蟲を生み出し草木を育て獣すら狩れるまで蟲を育むのが生まれながらの悲願なのだから』


 目を輝かせながら語るミールはアリの姿だけど王にならんとする野望と母としての慈愛に溢れていた。複眼だからどうしても影に入って輝いてない目もあるんだけどね


「そういえばさっきのパーティーでみんなが宇宙ネコ状態になっていた時の写真あるけど見る?」


 そう言って見せた写真にはみんなが目を点にして口が半開きになっている姿が映っていた


『宇宙ネコが何かは知りませんが私の恥ずかしい写真だとは分かるので消してください』

「いやだよ勿体無い、こんなに可愛いのに」

『その写真は消してください!主がかわいいと言う物は大概碌でもない物です』

「ひっどい、ミールは私のことそんなふうに見てたの」

『今まで接してきたことから来る経験則です』


『フォス姉、マスターは今日も元気だな』

『そうですね、今日もここは平和ですね』


 そう言う2人の前には宙に浮く半透明の人を追いかけ回す全長5mをゆうに越すアリと言う見る人によっては失神ものの光景が広がっていた


—————————————————————————————————————————


 初めましての方は初めまして、前から読んでくださっている方は続けて読んでくださりありがとうございます。作者のH2ゾンビと申します。

 イベントが終わりちょっとした日常会でした

 今までこういうほのぼのとした話を書いてなかったのでしたがどうでしたか?普段のメルトちゃんたちの雰囲気が少しでも伝わったら幸いです

 次回からは目下の敵である魔術王メルトちゃん討伐隊の対策に入っていきます

 それでは2-8でまたお会いしましょう

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