第2章 第一回イベントと蹂躙の幕開け

2−1

 イベントまで残り1週間にまで迫ってきた今日この頃、私は今樹海に一番近い徒人側の街であるヒューマニア帝国のアインゼという都市に来ています。お供はフォスちゃんです


『出発前にも申しましたが帝都には近寄りたくはありませんよメルト様』

「わかってるよ、今回は徒人妖精陣営の国に行くつもりだよ」


 フォスたちによると帝都は精霊王の国の王都らしく『見たら怒りで気がおかしくなる』らしく近寄ってない。まだその時じゃないからね


『ドッペルシャドウでしたっけ?便利ですねーそれ』

「でしょでしょ、本体が霊体の私でもドッペルシャドウは実体があるし魔力で出来てるから今みたいにエルフ耳とか金髪に変えられるからね」

『それで本体よりも胸があるんですね』ボソッ

「フォ〜ス〜?今、なんて、いったのかなぁ〜?」

『…………今頃メルト様の本体はスポロス様のうろという最も安全なところで眠っているんですよね、と』

「そうだねぇ〜今精神魔術でドッペルシャドウに憑依してるから無防備なんだからね、私の貧相な本体」


 そんなふうにだべりながら街の中を進んで西の門前の広間まできた


「あ、すいませーん。その馬車ってどこに行きますか?」

「うん、私らはランライに向かうつもりだが」

「それでしたら乗り合いってできたりしますか?」

「ちょっと待ってろ私は護衛だから決められんここの責任者に聞いてくるよ」


 そう言って話しかけた猫獣人のお姉さんは馬車の先頭の方に向かいふくよかで人の良さそうな人を連れて戻ってきた


「私はこの商会の商会長をしているマレニアです。馬車に乗りたいというのはあなた1人だけであってますか?」

「私1人だけですよ」

「それでは護衛として乗るということならこちらもありがたい」

「それでお願いします。お姉さんもありがとうございました」


 私がそう答えるとマレニアさんは先頭の方に戻って商会の部下らしい人と荷物のチェックを始めた


「いいってことよ。それにしても護衛として受けることを即決できるってことはアンタかなり腕が立つんだねぇ」

「魔術を少々嗜んでますからね」

「私から見て全くわからないほど魔力を隠しておいて嗜んでるか、おっと自己紹介がまだだった、私は宵猫イブニングキャッツっつう傭兵団の団長をやってるローゼスっつうもんだ。改めてよろしく」

「私はエルフのマギアって言います。こちらこそよろしくお願いしますローゼスさん」


 おっと危ない、あまりにも魔力が多いから魔力察知とかで不思議がられないように魔力遮断で体の外に漏れないよう隠してたけど人前に出るのに完全に隠すのはやりすぎだったかな


「そちらにいるのはローゼスさんたち以外の護衛かな?」

「あなたは?」

「この馬車に新しく護衛としてついていくことになったマギアって言います。よろしくね」

「俺たちは冒険者のパーティーで俺がリーダーのアンサーだ。俺たちは全員来訪者だから全員が護衛の間ずっといるって訳じゃないけど必ず1人は居るからなんかあったら頼ってくれ」

「ありがとうございます」


 そんなこんな話しているとマレニアさんから「出発するぞー」と声が上がり出発した



 しばらく進んで今日泊まる宿場町まであと少しまできたとき馬車の中で座っていた私に外で歩いて警護していたローゼスさんが話しかけてきた


「マギア、その首にかけているネックレスかなり豪奢じゃないかそんなもんどこで手に入れたんだい?」

「これですか?私の家の家宝で属性魔術の威力をかなり上げてくれるので今回みたいな長旅の時はつけているんです」

「は〜、いわゆる前時代の神秘遺物アーティファクトっていうやつかい」

「はい、私の先祖はかなり高貴な家だったのかもしれませんね」

「じゃぁ敬ったほうがいいかい?」

「今のままでいいですよ。私、ローゼスさんみたいな男勝りな女性はそのままが1番好きですから」

「////」


 ローゼスさんがその場でうずくまると前から副団長のバリツさんが歩いてきた


「あら団長見事に手玉に取られてるじゃない」

「バリツさんどうかしましたか?」

「宿場町が見えてきたのでそこでうずくまっている団長ばかを回収しにきたんですよ」

「お、お疲れ様です」

「いいって、あの団長ばか根っこが男勝りなせいで今まで舎弟や義妹はできるのに告白してきたりアプローチされた経験がない初心猫だから色恋に耐性つけさせたかったのよ」

「は、ははは…。」


 そんなこんなで1日目は平和に終わり2日目はヒューマニアとランライの国境前の都市まで進んだ


「今日は何度かゴブリンに襲われましたけど普段はこんなに襲われるのですか?」

「そんなわけないだろ。魔物、魔獣に襲われない安全な道だから街道になってんだ」

「最近は樹海で魔術王とかいう奴がいるせいでゴブリンやスライムなんかの弱い奴らがこっちに流れてくるんだ」

「ローゼスさんたちは魔術王の討伐には興味ないんですか?」

「誰があんな見てわかるやくネタに飛びつく」

「そうですよね」

「一貴族からならまだしも私たち獣人は自分たち以外の国からの直接の仕事はしないのが決まりだ」

「それってどういうことですか?」

「貴族からの魔物退治や盗賊退治の依頼はするが国からの戦争や永久雇用はしないってこと、元々私たち獣人はこの大陸に移り住んだ部外者だからね、この大陸の争いには関与しないことになっているのよ」


 前にミールから聞いたまんまだね

 吸血鬼も鬼人も天使も悪魔も元々この大陸にいた種族じゃなくて精霊王が死んで支配者がいなくなったこの大陸を支配しようとしたり元の大陸を追われて移り住んだ移民の子孫になる


「さて宿屋に着いたみんな寝たところでさっさと用事を済ませますか」

『あれ⁇この遠出の用事は敵場視察じゃないのですか』

「そんな単純なわけないじゃない♪」


 そういうことでマレニアさんの部屋の前まで行って空間魔術で“短距離転移ショートワープ”で不法侵入成功

 おっマレニアさん寝てる寝てる


「さてさて精神魔術“深睡眠ディープスリープ”からの“精神支配マインドコントロール”最後に“眷属化”」

『あれ〜?』

「フォスちゃん?どうしたの」

『眷属化ってこんなすんなり成功するものでしたっけ?』

「深く眠ってもらって無防備になった精神を支配して抵抗しないようにすれば、あら不思議一発で眷属にできるのです」


 それじゃぁ精神魔術“覚醒アウェイク


「メルト様何の誤用でしょうか」

「マレニアさんには主要都市にこの転移魔術陣が刻まれている金属板を街の中か外周に設置をお願いしますね」

「御意に」

「それじゃぁフォスちゃん部屋に戻るよ」


“ショートワープ”


『そういうことでしたか、確かに徒人妖精側の国全域に支店を持っている商人に任せれば確実ですね』

「そうそう、いちいち私自身が行って設置するなんて非効率的でしょ。あとは2体目ドッペルシャドウに託して私たちはお暇しましょうか」

『メルト様の影には一体何体の魔力生命体がいるんでしょうか?』

「乙女のヒ・ミ・ツ」


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 初めましての方は初めまして、前から読んでくださっている方は続けて読んでくださりありがとうございます。

 作者のH2ゾンビと申します。

 これから外で活動するときは基本ドッペルシャドウで黒髪エルフか鬼人として活動します。

 ゴールデンウィーク中は毎日更新していく予定です

 それでは2–2でまたお会いしましょう

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