1−10

『…はぁいつか根源に到達すると思っていましたがこんなに早く到達してしまうとは』


 ミールが疲れたような呆れたような表情で頭を押さえていた、けどまぁミールは王になるために根源に到達しようとしていたらしいからね


『私が根源に到達したことで、もしかしたらミールたちを進化させることができるかもしれない方法が見つかったからちょっと待っててね』

『『『『はぁっ⁉︎』』』』


 みんなが問い詰めてくる前に進化しちゃいますか。進化先は1つだけだね


“アストラルマギア3000”


 これがエレメントの王か


“進化しますか”

“はい”


 スーちゃんほどではないけど前の進化よりも強い光が体から溢れ今までの体から半透明の腕や脚、胴体に頭など体が生えていく。髪は今の様に毛先が炎のように揺らめき色が変わり続けている


「あ〜あ〜、みんな聴こえる?」

『マ、マスター⁉︎、マスターってまさか男だったのか⁉︎』

「あぁ違う違う私はれっきとした女だよ。ただ男顔で女が恋愛対象なだけの女だよ」


 そうなのだ私は同性愛者レズビアンというやつなのだ。生まれつき男顔で高身長なお陰で同性のモテて気づいたら女性しか愛せなくなってしまっていた

 そしたらこちらに向かってちっちゃくて可愛いのが飛びついてきた


 トテテテッ

『あるじーかっこいい』

「スーちゃんは可愛いよ〜」

『エヘヘ』


 私に抱きついてきたスーちゃんを持ち上げ撫で回していると人型の私を初めて見てフリーズしていたフォスとミールが再起動した


「フォスちゃんもミールも戻ってきたかな?それじゃぁ改めましてだよ♪これからもよろしくね、私の家臣たち」

『『『ハッ』〜い』』


 みんなの前で男性貴族がするお辞儀ボア アンド スクレープをし挨拶するとみんな思い思いの姿勢だけどみんなが忠誠を誓ってくれた


“アストラルマギアに進化しました”

“新たな王 魔術王が誕生しました”


『主よ王への進化おめでとうございます。ですがとりあえず服を着てください。魔力のもやで大事な部分は隠れていますがそのままでは色々危なすぎます』

「それはそうだね、う〜んせっかくだしこの場で作っちゃいますか。スーちゃん降ろしてもいいかな?」

『うん、いいよ』


 今まで抱いたままだったスーを下ろしてアタノールを作り出す

 それじゃ樹海から拾われた朽ちた貴族服とミスリルとオリハルコンの金属糸を入れて、ネックレスから指輪、ピアスにイヤーカフなどの朽ちたアクセサリー類と属性魔晶石も一緒に入れちゃえ

 そしたら全属性魔力を均等に限界まで入れて準備完了!アルス・マグナ発動


 オールエレメントノーブルローブ 全属性の魔力が宿った女性用の貴族服一式 元が男性用であったためシャツにジャケット、パンツスタイルである


「よしこれでいいかな」

『それにしても主君マスターなんで体が半透明だから霊体のはずだろ何で声が出せんだ?』

「アストラルマギアの種族特性のおかげだよ」


 アストラルマギアの種族特性はこんな感じだ


 最高位霊体 浮遊・高速飛行・物理干渉可能・物理無効・物質透過

 魔術王 魔術吸収・魔力再生(大)・詠唱時間不要・消費魔力半減・魔力生命体創造・大いなる魔術の王の玉座アンテ マニオル レクス マギア


 物理干渉可能の効果によってついに五感が機能するようになり喋ったり物を魔手や念力を使わず持つことができるようになったのだ

 五感を得るまでまで長かった、が視覚と聴覚に関しては魔力感知で情報を拾った方が早いため切っている

 大いなる魔術の王の御前アンテ マニオル レクス マギアは私が魔力を感知できる範囲内での魔力を世界に払い使うスキルの発動禁止だった。例えば魔術に属性攻撃、鑑定なんかも使えなくなる。ただし超越種や私よりも魔力操作、魔力量、魔術系ステータスの全てが勝っている存在、単純な技術や物理スキル、属性魔力が元々宿っている武器には効果がない


 それと魔力生命体創造の効果で魔手の形をした配下を多数生み出しマント兼羽兼腕として背中に付けている、王様っぽいでしょ♪

 あと私の影を見た生物に変身するドッペルゲンガーという魔力生命体と錬金術で合成させて私の霊体じゃない分身になるドッペルシャドウに作り変えた。ちなみに魔力操作で体の魔力をいじれば徒人にもエルフにも変身できる優れものだ。ドッペルシャドウに精神魔術を使って憑依すれば黒髪黒目のメルトちゃん(偽)になって街に行ける。まぁ種族特性が弱体化しちゃうけどね


『『あるじー、あるじー、スー妹が欲しい。だから右のスー使って』』

「う〜ん……もしスーちゃんの分身じゃ無くなってもスーちゃんの妹になるかはわからないけどいい?」

『『いいよ、妹じゃなかったら友達になるもん』』

「それじゃぁやるよ」


 2人のスーちゃんに上目遣いでそんなことを言われたら断れるわけないじゃないか。ということで私の方に一歩出てきたスーちゃんの分身に向かって魔力生命体創造を発動‼︎

 すると分身の足元から巨大な花びらが全身を包んで蕾になりしばらくして蕾が開くと中にはさらに幼くなったスーちゃんが眠ってた


『ウみゅ〜?ここどこ〜?』

「えっと君自分のことわかる?」

『世界樹様の分け御霊?』

『違うススはスーの妹のスス』

『ススはスス?』

『そうスーの妹』

『ススはスーの妹‼︎』


 何だろう見た感じ微笑ましい姉妹の会話なのに話してる内容だけ聞くと完全に洗脳なんだよな〜

 よしここは私より人生?経験豊富な先人に助けを求めよう


(う〜んこれどうしたらいい?)

(マスターに任せる)

(すみませんが面倒ごとはごめんです)

(私も子育てで忙しいのでこれにて)

(さてと部下たちアリとアンデットに稽古をつけに行かなくては)


 上から順に私、アンバーちゃん、フォスちゃん、ミール、ミネルスちゃんとのアイコンタクトでの会話だ

 それにしても君ら私えの敬い方雑になってない?堅っ苦しいよりかはいいけど、なんか悲しくなるな〜;;


『あるじー悲しいの?』

『おおあるじー大丈夫う?』


 何この可愛い生物????揉みしだいちゃうぞ


「大丈夫だよ。心配させてごめんね」

『『よしよし』』


 アッ死ぬ



 そんなこともあったがそれからは特に何事もなく過ごしているとサービス開始から再来週の日曜で1ヶ月となる水曜にいきなりメッセージが届いた


“来訪者がこの世界に降り立ってから約1月が経つ。そこで陣営関係なしの来訪者最強を決めることになった”

“大会は月終わりの土の日に幾度か行う大人数での殺し合いで生き残った者の中から陽の日に勝ち残りの試合を行う”

“本番まで励むこと”


 という何とも上から目線のイラつく文章が送られてきた。要約すればサービス開始から1月経つからプレイヤー最強決めるよ。大会出場に出たい人はメニューからエントリーしてね。来週の土曜に予選のバトロワで上位入賞すれば日曜の本戦のトーナメントに出られるよって事らしい

 ちなみにフォスにはもっと丁寧な文が星霊様から神託であったらしい

 ということがあった訳でせっかくドッペルシャドウという便利な分身ができたことだし街に行くついでに今の来訪者の強さでも確認しに行きますか


 —————————————————————————————————————————


 初めましての方は初めまして、前から読んでくださっている方は続けて読んでくださりありがとうございます。

 作者のH2ゾンビと申します。

 今回はメルトちゃんの進化とイベントの概要、そして最重要な暫定メインヒロインのスーちゃんとの初恋愛要素でした

 お楽しみいただけましたか?えっ求めている恋愛要素はこんなんじゃない?ハッハッハッそんなの自分が一番分かってるは⁉︎何でこうなった⁉︎

 まー今更悩んでもどうしようもありませんね

 それでは閑話1–2でまたお会いしましょう

 下↓の応援♡や⭐︎、レビューなどで応援してくださると励みになります

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る