第24話「最後の大勝負」

東京に急ぐ来人、小十郎、雪菜の前に結界を破って来た九尾が現れた。


来人を美桜の所に先に行かせる為に、小十郎1人で九尾との最後の戦いに挑む。


小十郎は早速星影に変身し『星影丸』を構える。


「星影……参る!」

星影は九尾に斬りかかった。

「フンッ今更その程度……」

『融合術:魔獣变化の術』

九尾は再びスサノオと合体し巨大な妖狐の姿となった。


「小十郎、負けないで!」

雪菜が声援を送る。

「勿論でござる!!」

星影は『星影丸』で攻撃をするが、全く歯が立たない。

「くっ……ならば!」

星影は『獄炎丸』を取り出し『獄炎武装』

今度は地獄の炎で攻撃する。


「そんな物……いつまでも効くと思うな!!」

九尾は地獄の炎を振り払った。


「くっ……ダメか……」

「そんな……小十郎!負けちゃダメよー!!」

雪菜は声援を続ける。

「ゆきぴょん殿!拙者は負けんでござる!!」

「フッ……なるほど、仲間か……あの小娘は300年前のお千代とか言う娘の様に……」


九尾は星影に向かって火炎を吐く。

「くっ……だが、地獄の炎の鎧に火炎など効かん!!」

星影は火炎を払い除ける。

「そんな事は百も承知さ」

「きゃっ!?」

「何っ!?」


九尾は雪菜に襲い掛かった。

「ちょっと!何すんのよ!!離せし!!」

九尾は雪菜を捕らえ人質に取った。

「ゆきぴょん殿!!」

「星影……この娘を死なせなくなかったらそこを動くな」

「くっ……」

雪菜を人質に取られ星影は大ピンチに……。


その頃、来人はようやく東京に到着。

しかし、そこは妖怪達が溢れ地獄絵図……。

いや、地獄と変わらない風景となっていた。


「何だと……美桜……美桜ー!!」

妖怪達が一斉に来人に襲い掛かる。

「貴様ら……邪魔だー!!」

来人は『忍装』と同時に『雷神武装』でパワーアップ。

あっと言う間に妖怪達を蹴散らした。

「ったく……雑魚に構ってる暇はねぇんだよ……」

月丸は美桜の元へ急ぐ。


雪菜を人質に取られた星影は抵抗出来ず九尾になぶり殺しにされていた。

「ぐはっ!?」

「ほらほら、死ぬにはまだ早いよ星影……君にはもっと苦しんで貰わなくちゃ……あっ、そうそう。苦しむと言えば……君に掛けられた鬼の呪い……そろそろまた来るんじゃないかい?」

「何っ!?」

そして、九尾の言う通り鬼の呪いが再び小十郎を苦しめ始める。

「ぐっ……ぐわぁぁぁぁっ!?」

「小十郎!!」

雪菜は叫ぶ。

だが、小十郎は苦しみ続けてのたうち回るだけだった。

まるで心臓を握り潰されてるような感覚が星影を襲っていた。

「フッフッフッフッ……どうだい?星影……敵に大事な人を人質に取られ……自分は鬼の呪いによって苦しみ何も出来ない……300年前の悲劇……いやそれ以上の悲劇が君を待ってるよ」

九尾は不敵に微笑みながら憎たらしく、そして楽しげに星影を見下ろしていた。


その頃、月丸は妖怪達を蹴散らしながら遂に美桜の元にたどり着いた。

だが、月丸が見た物は最愛の妹の変わり果てた姿だった。


「あらっ、遅かったわね月丸……あなたの可愛い妹ちゃんはとっくに氷付けよ?どう?美しい氷の彫刻になったでしょ?まさに芸術よ!」

雪女はわざと月丸を挑発する様に言う。


「美桜……くっ……。雪女……貴様ー!!」

月丸は雪女に斬り掛かる。


雪女も月丸に冷気を吹き掛けて反撃。

「ぐあっ!?」


月丸と星影、それぞれの戦いを開始した。


星影は九尾の攻撃を受け続け大ダメージを受けていた。

更に呪いのダメージも重なり大ピンチは続く。

「ぐわぁぁぁぁっ!?」


月丸も雪女の冷気を浴び続ける。

「さぁ、兄妹仲良く氷付けだよ!」

「こんな所で……負けてたまるかー!!」

月丸は『雷神刀』から稲妻を放った。

「ぐっ……!?おのれ〜……」

「調子に乗るなよ雪女……俺はとっくにブチ切れてるぞ……」

月丸は雪女を連続で斬り付ける。

「ぐあっ!?ぐあっ!?ぐあっ!?」

「トドメだー!!」

月丸は必殺技『豪雷両断斬』を放つ。

「ぎやぁぁぁぁっ!?」

雪女は倒された。


雪女が倒された事で光姫の体を覆っていた氷は溶けた。

だが美桜は既に凍傷になり掛けていた。

「美桜!待ってろ今病院に連れて行ってやるからな!」


だが、そんな月丸に鬼童丸が襲い掛かって来た。

「おりゃああ!!」

鬼童丸が棍棒で月丸に殴り掛かる。

「ぐわぁっ!?」

「月丸……てめぇ、よくも雪女を……殺す……」

「くっ……鬼童丸……」

月丸は構える。

「鬼童丸……今ここで……貴様の首を討ち取る!」

月丸は鬼童丸に斬り掛かる。


星影は呪いの苦しみに耐えながら何とか立ち上がる。

「くっ……九尾……貴様に思い通りには……させん……」

「なんだい?星影……もうフラフラじゃないか……もう立ってる事もキツいんだろう?無理しないで寝てればいいじゃないか……永久に……」


「小十郎!無理しないで!本当に死んじゃうよ!」

雪菜は必死に叫ぶ。


「ゆきぴょん殿……大丈夫でござる……拙者は死なん!」


その頃、月丸は……。

鬼童丸に手も足も出なかった。

「ぐはっ!?」

「弱い……弱すぎるぞ月丸!橘の忍の力ってのはそんなものか?少なくとも300年前の奴らはもう少し骨があったぞ?」

月丸は息を切らせながらなんとか立ち上がる。

「き……鬼童丸……確かにお前は強い……だが……星影には勝てねぇよ……」

「あん?星影が何だって?まさか知らねぇわけじゃねぇよなぁ?星影はもうすぐ死ぬんだぜ?俺の呪いによってな!」

鬼童丸は月丸に迫る。

「だが……先に死ぬのはお前だけどな……」

鬼童丸は月丸の首を掴み持ち上げる。

「ぐあっ……」

「さぁ、お前は今すぐ死ね!」

「鬼童丸……この時を待ってたぜ……」

「何っ!?」

月丸は『奥義·雷落としの術』を発動。

鬼童丸に雷を落とす。

「ぐわぁぁぁっ!?」

その一撃は鬼童丸を倒すまでには至らなかった。

だが……。

鬼童丸の腰にあった『妖刀·鬼牙』を破壊した。

「な……なんだと!?」

「へっ……これで鬼の呪いも消えたはずだ……」

「貴様ー!!」

鬼童丸は怒り狂い月丸を力いっぱい投げ飛ばす。

「殺す……絶対に殺す……」


「!……何だ?さっきまでの締め付ける様な痛みが……消えたでござる……」

星影は『鬼牙』が破壊された事で呪いの苦しみから解放された。


「なんだ?まぁいい……今更苦しみが収まった所でもう遅い!!」

九尾が星影にトドメを刺そうと迫る。


「舐めるな九尾ー!!」

星影は『星光丸』を取り出し『星影-大将軍』にチェンジ。

更に星影は『奥義·星光烈風斬(せいこうれっぷうざん)』を発動し雪菜を捕らえてる九尾の右腕を斬り落とした。

「ぐあぁぁぁっ!?くっ……おのれ星影……」

星影は見事に雪菜を救出。

「ゆきぴょん殿無事でござるか?」

「小十郎……うん大丈夫!」

「ゆきぴょん殿、次で決めるでござる。離れておれ」

「うん!小十郎頑張って!」

雪菜はその場を離れる。


「ぐぅぅぅぅっ……星影……貴様……」

「九尾、確かにお前は強かったでござる。だが、拙者の勝ちじゃ!」

星影は『奥義·流星斬撃』で九尾にトドメを刺す。

「ぐわぁぁぁぁっ!?……そうか……僕は……負けたのか……」

九尾は倒された。


「小十郎!やったね!」

「ああ、ゆきぴょん殿のおかげでござる」

「へへっ、さっ、急いで東京に戻ろ!」

「うむ!しかし、どうやって行くでござる?」

「ん〜……バイクでもあればいいんだけどねぇ……」


そこへ一台の車が……。

「雪菜、小十郎君!」

「パパ!ママ!」

「2人が心配になってママ達も来ちゃった」

「さっ、東京まで戻るんだろ?乗って」

「パパ、ママ最高じゃーん!行こっ小十郎!」

「ああ、御父上殿、御母上殿感謝するでござる!」

「良いから乗って急ぐんでしょ?」

「はいでござる!」


小十郎と雪菜は敏也と恵子の協力を得て東京に急いで戻る。


その頃、月丸は鬼童丸の攻撃を受け無惨な姿で倒れていた。


続く……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る