侍ヒーロー星影

第18話「混戦」

九尾とサタンが戦う中に星影が到着。

「星影！」

「サムライか……」

「貴様らの好きにはさせん！！」

星影はサタンに向かって斬り掛かる。

「フンッ、その程度の攻撃……効かんわ！！」

サタンは星影の攻撃をかわし反撃。

星影を殴り飛ばす。

星影は地面に叩きつけられダメージを受ける。

だが、その隙きに九尾がサタンへの攻撃を仕掛ける。

「ぐぉっ！？」

九尾の攻撃はサタンにクリーンヒットしサタンにダメージを与える。

星影は立ち上がり『獄炎武装』

地獄の炎の鎧を纏い『獄炎丸』を手に持つ。

星影の必殺技『奥義·業火一閃』が発動。

サタンを斬り裂く。

だが、サタンは倒れない。

「フンッ馬鹿め……悪魔の俺に地獄の力など効くか」

「何っ！？」

サタンは再び星影を攻撃。

星影は直撃を受け大ダメージ。

その頃、ゴブリンに囲まれた月丸と光姫は……。

ドラキュラとの戦いで力を使い過ぎた月丸に代わり光姫がゴブリン達との戦いを繰り広げていた。

「美桜、無理するなよ……」

「兄さんこそ、修行の疲れが残ってるんだからあまり無理しないでよ」

「すまんな……」

光姫は兄を守りながらゴブリン達と必死に戦っていた。

ゴブリンが光姫に襲い掛かって来る。

光姫は必死に応戦する。

だが、そこに狼男も現れ光姫に襲い掛かる。

「ぐっ……！？」

狼男の攻撃を喰らい光姫は右腕を負傷する。

「美桜っ！？」

「へへっ……ドラキュラは殺られた見てぇだが、俺はそう甘くないぜ……」

光姫は負傷した右腕を庇いながら『日光丸』を構える。

だが、狼男は容赦なく光姫に襲い掛かる。

「み……美桜！！」

月丸は妹を助けようと立ち上がった。

「フンッ……次はお前か？」

「これ以上……美桜を傷つけさせはしない！！」

その頃、雪菜は……。

「小十郎……大丈夫かな？」

雪菜はスマホのネットニュースで妖怪が暴れている事を知り小十郎が行っていると予感がしていた。

その頃、その小十郎は……。

サタンから受けた攻撃によるダメージで動けなくなっていた。

「くっ……おのれ……」

「さて、そろそろ死んでもらおうか……」

サタンが星影に向けて剣を向ける。

「これはサタンサーベル……私の最高の武器だ……この剣でトドメを刺される事を光栄に思うが良い」

「今だ！！」

九尾がサタンの背後から攻撃。

「甘い……」

サタンは九尾の攻撃をかわす。

すると、九尾の攻撃は星影を襲った。

「ぐあっ！？」

九尾の攻撃は星影の腹を貫いた。

「チッ……」

九尾は舌打ちした。

「まぁ、いい……邪魔な星影にかなり深手の傷をおわせたからね……次こそお前だ」

九尾はサタンの方を振り向き睨みつける。

「小十郎……」

雪菜は何故か嫌な予感がしていた。

そして、居ても立っても居られず、雪菜は家を飛び出した。

「ちょっと雪菜！？どこ行くの！？危ないから外に出ちゃダメよ！」

恵子の静止も聞かず雪菜は走り去る。

狼男と戦う月丸と光姫ももう限界だった。

(くっ……俺も美桜もこんな状態じゃまともに戦えない……一度引くか……）

月丸は『煙玉』を使って狼男の目を晦ました。

「何っ！？どこ行った！？」

月丸は光姫を抱えて星影の元へ急いだ。

「ちょっと兄さん！何で逃げるのよ！？」

「今の状態じゃ全滅だ……体勢を立て直すぞ」

そして、月丸は星影達が居るビルの屋上に……。

「星影！？」

そこには重傷を負った星影の姿があった。

九尾とサタンは相変わらず激しい戦いを繰り広げている。

「くっ……星影！しっかりしろ！」

月丸は星影に肩を貸し立ち上がらせた。

「月丸殿……かたじけないでござる……」

「良いから喋んな！行くぞ！」

月丸はまた『煙玉』を投げその隙きに姿を消した。

だが、九尾とサタンは戦いに夢中になり気づいていなかった。

「チッ……しつこい奴だ……」

「フフッ……それはお互い様……」

雪菜は妖怪が暴れていると言うネットニュースの情報を頼りに小十郎を探す。

「小十郎……どこ？」

雪菜は周りを見渡すが、野次馬が多く集まっていた為、見つける事は出来ない。

更に警察が規制を掛けている為、これ以上近づく事も出来なかった。

「ゆきぴょん！」

雪菜が振り向くと……。

「美桜ぴょん！」

美桜が負傷した右腕を抑えながら立っていた。

「怪我したの？大丈夫？」

「私は大丈夫……それより小十郎さんが大変なの！今、兄さんが病院に連れて行ったからゆきぴょんも来て！」

「えぇ！？わ、分かった」

その頃、小十郎は来人に付き添われて救急車で病院に運ばれていた。

病院に到着すると医師や看護師が小十郎を連れて行く。

「後は頼みます……」

小十郎は腹を貫かれている為、既に意識が無かった。

緊急手術が開始される。

「美桜は雪菜ちゃんと会えたかな？」

妹の事を心配しながら待合室の椅子に座る来人。

その頃、妖怪達の戦いは……。

『妖術·狐火』

九尾が炎を連発しサタンに攻撃。

「フンッ！そんな技が通用するか！！」

サタンは九尾の狐火を全て払い除ける。

しかし、そこには九尾の姿が無かった。

「奴め……何処に行った！？」

九尾はサタンに後ろから襲い掛かった。

「ぐあっ！？」

これには流石のサタンをダメージを受けた。

「トドメだ！！」

九尾は空かさず更に攻撃を加える。

だが、その攻撃はゴーレムがサタンの盾となり代わりに受ける。

「なっ！？」

「ぐおぉぉぉぉ……」

九尾の強力な一撃を受けたゴーレムは倒された。

「ゴーレム……フッフッフッフッ……良くやったぞ……流石私の下僕だ……」

「うっ……そろそろ限界か……」

九尾はスサノオとの融合を維持出来なくなった。

九尾は元の姿に戻る。

「おやおや……もう終わりか？じゃあ死ね、陰気臭い日本妖怪め！」

サタンが九尾にトドメを刺そうと迫る。

だが、突然吹雪が吹き荒れる。

「ぐっ……何だ！？」

雪女が現れた。

「そうはさせないよ。西洋妖怪」

「ゆ……雪女……」

「立ちな九尾……ここは引くよ」

「くっ……すまない……」

雪女は九尾に肩を貸し立ち上がらせる。

「西洋妖怪、次は容赦しないよ」

そう言い残し雪女は九尾を連れて姿を消した。

「くっ……日本妖怪め……狼男！」

「はっ！」

狼男はサタンに呼ばれやって来る。

「ドラキュラとゴーレムが殺られた。我々も引くぞ」

「なんですって！？はっ！おい、ゴブリン共！引くぞー！！」

サタンはディボルグの姿に戻り狼男とゴブリンを引き連れ姿を消した。

星影と橘兄妹、日本妖怪と西洋妖怪のそれぞれが戦力を著しく消耗した事によりこの大混乱の戦いは終わった。

その頃、美桜に連れられ雪菜が病院へ到着。

「来人さん！」

「あっ、雪菜ちゃんか……美桜すまなかったな。怪我してるのに」

「私は大丈夫。大した事ないから……それより小十郎さんは？」

「まだ手術中だ……」

小十郎は今も生死の境を彷徨っていた。

その中で小十郎はまた師匠、妙齋院龍玄の夢を見ていた。

それは江戸の時代に龍玄と過ごした場所の夢。

子どもの頃から修行を付けられていた小十郎にとって龍玄は師匠でもあり父親の様な存在だった。

そんなある日。

「小十郎、ここに妖怪退治の為の刀、星影丸とその上を行く最強の刀、星光丸（せいこうまる）がある。この星光丸は強力過ぎるが故、今のお前では使いこなせん……その時が来たらお前に渡そう。それまではここに封印しておくからな」

「封印？では何故その場所を拙者に？」

「先に教えておかなければワシに何かあった時困るだろう」

夢はここで終わった。

小十郎は目を覚ました。

手術は終わり小十郎は病室のベッドの上に居た。

「またこの場所か……ん？星光丸……そうじゃ！」

小十郎は勢い良く起き上がる。

だが、傷口に激痛が走る。

「うぅ……」

「小十郎？目、覚めたの？」

「ゆ……ゆきぴょん殿……」

「あまり激しく動くと傷口が開くぞ」

「来人殿まで……」

「私も居るよ〜」

美桜は明るく左手を振った。

「美桜殿……良かった皆無事であったか……」

ホッとした小十郎……気が付けば朝になっていた。

「もう……それはこっちのセリフよ……」

「す……すまんなかった……ん？そうじゃ、星光丸！」

「星光……丸？」

「あれがあれば西洋妖怪も倒せるかも知れん！」

小十郎の言う星光丸とはどんな物なのか……。

続く……。