第18話 神の使徒

 魔都に三百人が移民して、少しだけ時が流れる。

 一週間のうちに五日は体育館で授業を行い、土日は休みにしていた。

 前世なら冬休みだが時間が勿体ないため、今のノゾミ女王国にはそんなものはない。


 ちなみに女王の私はもっと酷い労働環境で、平日は教師で休日は政務を行うためにあちこちに出歩く必要があった。


 移民希望者のために新しい施設を検討したり、現地を下見して担当予定のゴーレムと相談したりと色々だ。

 正直に言って、休む時間がなかった。




 だが経過を見ると良いこともあり、最初はゴーレムを恐れて距離を取っていた国民だが、魔都に来て一ヶ月も経たないうちに、誰もが普通に接するようになる。

 それはとても喜ばしいことだ。


 これならウルズ大森林の魔都を訪れた人々にも、悪いゴーレムではないとわかってくれるだろう。


 ただし出る杭は打たれると言うし、外に出ていって人類にアピールするつもりはない。

 異種族は迫害の対象になるらしいので、周辺諸国の動向を見て面倒事に巻き込まれないよう気をつけないと駄目だ。



 私は自宅の居間でデータベースを閲覧し、移民希望者から集めた情報を整理していく。

 冬の間は外仕事は控えているので、せいぜい建設予定地やガラス温室を自動車で軽く見て回るぐらいだ。


 なので基本的には休日は家に引き籠もり、オンライン政務を行っている。


「やはり今後、もっとも警戒すべきはサンドウ王国だね」


 樹海の西には、過去にアトラス大陸の覇権を握っていた王国がある。

 今は見る影もないが、それでも周辺国への影響は無視することができないし、移民を募った開拓村もその国の領土だ。

 ノゾミ女王国に干渉してくる可能性が、一番高い。


「南に聖国と北の帝国は、しばらくは大丈夫かな」


 南には聖国があり、信仰の力で蛮族や魔物を追い払って建国した。

 そして北には帝国があって、サンドウ王国の権力争いに負けた兄弟が国外に逃げ出し、諸外国をまとめて築き上げたらしい。


「重要なのが、東には海が広がってることだね」


 これを知った私は、未だかつてないほどテンションが上がった。

 今までは陸で採れる物だけだったが、ここに来て海産物を手に入れるチャンスが巡ってきたのだ。


 なので開拓村への道路建設は規模を縮小し、その分を魔都の東に割くことに即決する。

 既に調査隊も派遣したので、超多忙で魔都から動けない私の元に吉報を届けてくれることを期待したい。




 やがて十二月の下旬になり、今年が終わるまであと数日に迫る。

 そして本日の授業を終えて帰宅許可を出す直前に、私はあることを思い出した。

 取りあえず体育館の舞台の上にウインドウを表示して、移民者に向けて説明を始める。


「本日の授業はこれで終わりますが、その前に皆さんに重要な話があります」


 ちなみにウインドウには世界樹と小さなお社、そして日付が映し出されていた。


「ノゾミ女王国は年末の大晦日、新年の正月三が日はお休みです。

 祭事も行われますが、自由参加です」


 最近は忙しくて忘れていたが、何とか思い出せて良かった。

 季節のカレンダーは旅館に張り出してあるので、ちゃんと理解できているはずだ。


「あとは新年に向けて部屋の大掃除を行うと、気持ちが引き締まりますよ」


 宿泊施設は毎日、ゴーレムたちが掃除している。

 だが室内には基本立ち入らないので、大掃除をやっておいて損はない。


「一応、飲み物や食事も提供する予定です」


 後ほど祭事が描かれたプリントを、ゴーレムに配ってもらう。

 日本語教育をしているが、異世界の人に前世の文化が理解できるかは不明だ。


 ただし、大食堂で年越し蕎麦とおせち料理を出すのは強制である。

 今のところは三百人にアレルギー反応は出ていないので、提供しても問題はない。


 とにかく説明を終えた私は、体育館をあとにするのだった。







 日本語教育は少しずつ進んでおり、施設の使い方と平仮名の読み方は覚えてくれた。

 説明用のイラストもしっかり読み取れるようになり、トラブルが起きて私が呼び出されることも今では殆どなくなった。


 ゴーレムだけでも対処が可能になったのは良いことだが、会話ができないので少し時間はかかる。


 それはそれとして年末年始は名ばかり教師や女王をお休みして、ゆっくり過ごすつもりだ。




 ちなみに年末行事と言っても、別に大したものではない。

 世界樹の根本には小さなお社が建てられており、その向こうは柵と結界で区切られて一般人は近寄れないようになっている。


 だが逆に言えばそこまでは近づけるわけでは、大晦日と正月には大樹を囲むように篝火かがりびを設置するのだ。

 火の魔石ではなく本物の薪を使うのは祭事ゆえだが、あとは日付が変わるまで適当に駄弁る。


 新年になったらあけましておめでとうと挨拶をし、一旦解散だ。

 そして初日の出が登る頃にまた集合して、朝日に拝んで清々しい気分になる。


 ちなみに私は信心深くないし、神官の家系でもない。

 だがこの世界の神様と会って話したし、自分と縁のありそうな世界樹がすぐ近くにあるのだ。

 何かないとも限らないので、取りあえずお社を建てて祀っておいた。


 しかし異世界の人たちにとっては意味不明な祭事だろうし、来るとしても十人かそこらだと考えていた。


 だが今の私はお堂の舞台に立ち、マイクを片手に集まっている三百人に向けて説明している。


「えー……今日は無礼講です。

 存分に飲み食い騒ぎ、来年のために英気を養ってください」


 体調管理もバッチリだったので、今回は全員参加らしい。

 たとえ女王である自分が原因だとしても、別に強制ではないので同調圧力って怖いなと思った。


 幸いなのは世界樹の周りは小さなお社以外は何も建っておらず、自然公園のような平地が広がっていることだ。

 おかげで三百人が集まっても、まだ余裕があった。


(けど毎年これじゃ、威厳がちょっとなぁ)


 最初に建てたお社で、人間を大勢招くことは考えていなかった。

 なので女王としての威厳を示すために、大きな神社を用意すべきだろう。


 計画は後ほど練るとして、今は大晦日の祭事の最中だ。

 できれば無理やり連れて来られた人にも、なるべく楽しんでもらたい。

 なので旅館の料理を任せているゴーレムたちに連絡を入れて、急いで用意してもらった物を提供する。


「二十歳未満は、甘酒やお汁粉を!

 それ以上の年齢の方々には、おつまみとお酒を用意してあります!」

「「「おおーっ!!!」」」


 大きな声が上がるが、大人の方々が感極まった表情を浮かべている。

 私はここで、そう言えばお酒は今まで提供していなかったことを思い出した。


(でも料理酒や洋酒、日本酒は料理で使うぐらいだしなぁ)


 私は自己修復機能があり、体内に取り込んだ物を魔素に分解して吸収する。

 なので人間のように酔うことはできないが、大量に摂取すれば別だ。


 しかしそんなに体に悪いことをしたくないし、前世で何度か飲まされたが別に美味しいとは思わないので特に興味はなかった。


 だが今は三百人も国民が居るので、料理用に少量生産ではなく、健康に影響を及ぼさない範囲で提供できるようにしたほうが良いかも知れない。


 私は今後の計画を修正しながら、皆に労いの言葉をかけていく。


「他にも様々な料理がありますので、遠慮せずに食べてください!」


 ゴーレムが大量の料理や飲み物、それに机や椅子を運んでくる。

 周りの人たちは興味深そうに眺めており、中には我慢できずに生唾を飲む者もいた。


 しばらく待つと準備が整ったので、私はマイクに向けて再び声を出す。


「では、来年もよろしくお願い致します! ……乾杯!」


 やはりと言うか日本文化にいきなり合わせるのは難しいようで、皆がそれぞれの挨拶を返してくれた。

 それでも彼らなりの誠意を感じ取れて、女王としては嬉しい。


 存分に飲み食い騒いで心の底から楽しそうにしている人たちを見ていると、色々足りないことがあっても大晦日のお祭りをやって良かった。

 私は、そう実感するのだった。




 今年は小さい子供も参加しており、日付が変わる前から眠そうに目をこすっている。

 なので早めにお開きにし、余り物は皆に持ち帰ってもらった。


 次の日の朝に集合するが、篝火かがりびを絶やさずに燃やし続ける。

 あとは手の開いているゴーレムに見張りを頼んで、私は他の国民と共に自宅に帰らせてもらう。


 3LDKの我が家に入り、一息ついて風呂に入ってさっぱりする。

 去年までなら時間になるまで遊び呆けていたところだが、今回はすぐに布団に直行して目ざまし時計をセットし、目を閉じる。


 流石に女王が寝坊は許されないし、たとえ許してくれても初日の出をうっかり見逃したら恥ずかしい。


 数時間ほどの仮眠を取ったあとに、スリープモードはアラームが鳴る前に解除されたので、すぐに体を起こして洗面所に向かい最低限の身だしなみを整える。


 自己修復機能が働いているため、いつも清潔な状態に保たれていた。

 代わりに肌や髪の色は変わらずに最初のままで、染めても勝手に戻ってしまう。

 それでも髪型ぐらいは自由に変えられるし、下着や服は分解されない。


 ちなみに私は前世からあまりファッションにこだわりがなく、自宅ではジャージ姿だし、外出するときも簡素な服装だ。

 女王として振る舞う時には派手なドレスを着用するが、最近は教師や現場監督の仕事が主なのでラフな格好しかしていない。


 ともかく身だしなみチャックが終わり、準備が整った。

 日が昇る前に世界樹の根本に向かうと、まだ暗いのに早くも大勢の人が集まっていす。


 もしかして家に帰らずに待っていた人も居るかもしれないが、そういうのは個人の自由なので気にせずを挨拶を行う。


「皆さん、あけましておめでとうございます。

 今年もよろしくお願いします」

「えっ、あっ、はい、よろしくお願いします」

「こっ、こちらこそよろしくです」


 日本の挨拶を行うと、戸惑いながらもちゃんと返してくれた。

 こういうのは少しずつ慣れていけば良いので、焦ることはない。


 そのあとすぐに東の空から太陽が登り始め、集まった人たちは感嘆の声をあげる。

 私は女王なので取りあえずお堂に上がり、姿勢を正して初日の出に向かった二礼二拍手一礼を行う。


 これで新年の行事は終わりだ。

 前世なら賽銭箱にお金を入れて願い事をしたり、今年の運勢を占ったりお守りや厄除けなどのイベントが多くあるが、自分は別に神官ではない。


 なのでしばらく眺めたら自宅に帰り、前日に下ごしらえを済ませていたおせち料理を完成させる。

 少し前に海を発見して海産物を入手したと連絡が入ってが、輸送が間に合わなかったのが悲しい。

 だが来年こそはと、望みを託すのだ。


 そんなことを考えて、一足先にお暇しようとお堂を下りる。

 すると偶然近くに居たフランクが、恐る恐る話しかけてきた。


「女王様は先程、少し変わったお祈りをしていたようですが」


 彼は移民した初期とは違い、厚手の和服の上からコートを羽織る、逞しく立派な成人男性になっている。

 美人のレベッカが惚れるのもわかるぐらいのマッチョなイケメンで、娘のジェニファーにも美貌は受け継がれているようだ。


 私はゴーレムになってそう言った欲求が減衰したため何も感じないが、今のフランクは女性にモテモテだろうなとは思う。


 それはともかく、二礼二拍手一礼が気になるなら説明しても良い。

 しかし前世の神様のことを伝えても混乱するし、情報を共有しているゴーレム以外に教える気はない。


 どう誤魔化したものかと思考加速して悩んだ末に、結論を出す。


「実は私は、過去に神様と対話したことがあるのです。

 そして今の二礼二拍手一礼は、彼への祈りです」


 別に間違ったことは言っていない。

 何もない空間で神様と話したことは本当だし、元々熱心に信仰していたわけではないので、もし祈るとしたら彼か世界樹になるだろう。

 私的には別にどっちでも良いが、話を聞いているフランクは真面目な顔つきに代わり、周囲の人たちも口を閉ざして静かになる。


「その神様の名は?」

「わかりません」

「男神様ですか? それとも女神様でしょうか」

「ええと、声と容姿は女性だったような?」


 フランクはやけにグイグイ来るし、周りの人たちも自分が会った神様のことが気になるようだ。

 記憶は風化しないしデータベースからいつでも引っ張り出せるが、別にわざわざ思い出す気はない。


「では、女王様は何か使命を帯びているのですか?」

「使命は与えられませんでしたね」


 普通は異世界転生するのなら、魔王を倒せとか、世界を救えとかの使命もセットで来る。

 私もそう思っていたのだが、神様は別に何も言わなかった。


「……ただ」

「ただ、何でしょうか?」


 なので疑問に思うフランクに、ありのままの事実を伝えていく。


「自由に生きるようにと」


 実際に私は今こうして、自由に生きていた。

 二度目の人生は多忙ではあるが楽しんでもいるし、あのまま死なずに済んだので転生させてくれた神様に感謝している。

 元の世界の家族や友人と会えないのは残念だが、仕方ないと諦めた。


 私は良く言えば明るく前向きで、悪く言えば深く考えずに突き進むタイプだ。

 割り切りも早いため、今は異世界生活を安全安心で便利で快適にするかに集中したい。


 やがてフランクが何かに気づいたのか、真剣な表情でこちらに近づいてくる。


「ノゾミ女王様」

「何でしょうか?」


 外に出る時にいつも護衛をしている一号が、これ以上は近づくな意思表示するように大剣に手をかけた。


 だが、彼に敵意は感じない。

 危険が迫れば即排除できるし、護身用の護符なども装備している。

 フランクが何をしても傷一つけられないため、私はその場から一歩も動かずに、堂々とした立ち振舞を心がけた。


「私の護衛が怖い顔をしていますので、それ以上近づかないほうが良いですよ」

「こっ、これは失礼致しました!」


 フランクもそのことに気づいたようだ。

 慌てて謝罪して一歩下がり、何故か片膝をついた。

 それが異世界の謝り方なのかと内心で困惑する私だったが、彼は相変わらず固い表情で続きを話す。


「失礼ながら女王様は、重大な使命を帯びております!

 それこそ、この世界の命運を左右しかねない程の!」

「いやいや、そんなまさかですよ!」


 私はそんな馬鹿なと言わんばかりに軽く流すが、フランクの顔は笑っていない。

 至って真面目なままだ。


「自由に生きるとはつまり、この世の全てを女王様に委ねたのと同義なのです!」

「……えっ?」


 一瞬、思考が停止した。


(待って、何でそうなるの?)


 私は足りない頭を捻って、フランクがどうしてそんな結論に至ったのかを考えた。

 まず神様が私を加護を与えて転生させ、自由に生きるようにと命じる。


(つまり異世界の人たちにとっては、私は神の使徒なんだね)


 彼らの情報を分析する限りでは、神々や使徒は随分と長い間この世界に現れていない。

 しかし神託は聖国に定期的に告げられており、今なお加護も与えられているという噂だ。


(それと、大昔は超常の存在が大勢居たらしいけど)


 今はめっきり見かけなくなったが、ただし聖国は除くだが個人的には何とも嘘くさい。

 もし私のように神の御加護が一欠片でも与えられていれば、異世界はもっと生きやすいはずだ。

 しかし力を行使できない理由があるのか、神託も使徒も現状を変える役には立たない。


(まあだからと言って私も、神の代行者を名乗るつもりはないけど)


 フランクが言っていることはつまり、神々が不在で好きにして良いよと許可された私は、言わば神の代理人だ。

 下手に力を振るえば絶対暴走して、滅亡まっしぐらである。


 元女子中学生が上手く扱えるわけがないので、私は頭を抱えて何とか責任を放棄するべくフランクに声をかける。


「いや、でも、今思えば、神様だったのかも怪しいかも?」

「確かに現時点では、女王様のお言葉だけです。

 悪魔の囁きという線も、否定はできません」


 悪魔だったら困るなと思ったが、取りあえず重大な使命路線は回避できた。

 私は表情は変えずに、内心で安堵の息を吐く。


「その神は、どのような容姿をされているかわかりますか?」

「ええ、まあ一応」


 データベースに登録されているが、相変わらず色や輪郭がはっきりせずにぼやけている。

 こうやって見ると確かに不確かな存在で悪魔っぽいなと思いつつ、空中にウインドウを表示してフランクに見せる。


「こっ、この御方はもしや!? 創造神ディース様!」

「創造神、ディース様ですか?」

「はっ、はい! 俺も見たことはありませんが、特徴は覚えています!」


 私はこっちの神様には興味がないし、日常生活への影響もない。

 わざわざ調べることはなかったが、今回フランクに指摘されて少しだけ興味が出てきた。


 データベースに登録されてないかと検索を行い、何となく声に出して読んでいく。


「ディースとは、この世を創造した始まりにして、全知全能の神。

 決まった姿は持たず、生きとし生けるものの全ては彼女の分身、または子供である」


 つまり姿形がぼやけていたのは、決まった造形を持たない存在だからだろう。

 しかし異世界で一番の大御所が自分を転生させるとは、本当に私に一体何をやらせたいのやらだ。


(だけど、この流れは少し不味いね)


 自分を送り込んできた存在が明らかになったのは嬉しいが、よりにもよって創造神だ。

 超大御所すぎてこの事実が広まったら色々ヤバいし、まだ聖国が信仰している光の女神様のほうがマシである。


 なので私は素早くデータベースを改ざんして、かなり苦しいが軌道修正を試みる。


「すみません。フランク。先程の映像は間違いでした」

「えっ?」

「本当に会った神様はこちらの方です」


 そう言って光の女神様の映像を出すと、フランクは困惑した顔になった。

 そして私と映像を交互に見つめて、やがて大きな溜息を吐く。


「女王様がそう申されるのなら、そうなのでしょう」

「ええ、理解が早くて助かります」


 これ以上は何も聞くなと言わんばかりに、私は張り付いたような微笑みを浮かべる。

 本当にギリギリの軌道修正であったが、周囲で聞いていた人たちも納得してくれたようだ。


 光の女神様も有名神ではあるものの、聖国では神託や加護をたまに授かる。

 割りとフットワークの軽い御方で通っており、そこまで珍しくはない。

 空中に浮かぶ映像として姿を見せることもあるらしいし、実は神々や使徒は遥か昔にこの世界を去ったのは嘘という可能性もある。


 何にせよこれ以上、この場に留まるのは色んな意味で危なかった。

 追求されたら面倒なので、さっさと退散させてもらう。


「正月三が日も休みで、明日は餅つき大会を行いますが自由参加です。

 興味のある方は世界樹前の広場に、朝の九時に集まってください」


 旅館に張られたポスターにも、餅つき大会の日時や場所や詳しい説明が書かれている。

 あとはそれを参考にしてもらえばいい。


「では、私はこれで失礼します」


 そう言ってお堂から下りて、世界樹前の広場から早足で去っていく。

 明日の餅つき大会の準備もあるし、まだまだ女王としての仕事は残っているのだった。

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