在宅

「全く……拓児さんも、酷いや」


子安 拓児が、会社に着いた、その頃。


「在宅ワークってだけで、僕に、全部、押し付けて。


 家に居たって、仕事の〆切は、あるんだよ!」


拓児から、赤ん坊を押し付けられた河合 瞳は、彼(女?)を抱えて、シェアハウス内で、ぶー垂れていた。


「大体、赤ちゃんの面倒の見方なんて、


 彼女居ない歴=年齢の、魔法使いな僕に、分かる訳、無いじゃないか」


瞳は、赤ん坊をじっと見詰めた。


「……自分で言ってて、悲しくなって来た。


 お前、一体、何処から来たんだよ?


 ママは、どうしたんだ?」


くりんとした目を、正面から見据える。


赤ん坊は、キョトンとした顔で、瞳を見返した。


「あう、あう」


「はぁ……分かる訳、無いか。


 ……ん? 何か、くさい……」


「おあ~! おあ~!」


「わー! ウンチだー!!


 ちょっ、助けて、Google先生!」

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