第26話 なにかおかしい
さぁ今週もやってまいりました、ボッチの独壇場〜。はい、ということで夢のような土日も終わりを迎え絶賛地獄の月曜日なわけですが……温度差が凄すぎて泣きそう。
やっぱりダメだ。なんか町田さんに優しくされすぎて忘れたけど俺ボッチだわ。
というか、気を紛らわせる方法が心の中でテンションをひたすらに上げるだけなの末期だろ。
まぁ、ボッチが嫌なら誰かに話しかけに行けよという声が聞こえて来そうだが……ハードル高いんだよっ。
これまでボッチ決め込んでおいて急に話しかけにいくのっ。
それに俺の場合、俺と話してくれる優しい奴まで被害を受ける可能性もあるからな。下手に他人と関わらない方がいいってのは事実。
こればかりは自業自得なので仕方のないことだ。
俺が
敢えて言おう、神であると。
というか笑顔が良すぎるんよな。見てるこっちが癒される。
「ん? 花凛なんかした?」
「ううん、なにも……」
「そっか」
しかし、
……柚木さん怖いからなぁ。いや、ただ単に俺に前のイメージが残りすぎてそう感じているだけかもだが……それでもやはり若干の苦手意識はある。
まぁ、普段アッチの方から話しかけて来ることなんてないし大丈夫だとは思うんだが……何故かコチラを鋭い目つきで睨み始めたから少し心配だ。
全て俺の恐怖が生み出した気のせいということを祈ろう。しかし、俺はどこも信仰していないのだが、この場合はどこに祈ればいいのだろうか?
*
ホームルームも終わり放課後になり、ようやく授業から解放された俺はダラシなく机に倒れる。2年生に変わってから難易度が本当に別物だ。
ちなみに、あの後も何度か町田さんが俺にコッソリ合図を送ってくれたのだが、その度に柚木さんに気がつかれそうになって焦ったものだ。
というか、町田さんは何故あんなにも頻繁に俺の方へと視線を向けるのだろうか?
いや、こればかりは俺が考えても仕方のないことか。
今日のバイトで町田さん本人に聞いてみることにしよう。今までの俺だったら躊躇って聞いてなかっただろうから、これはかなりの進歩なのかもしれない。
やはり、土曜日の件が大きかったな。
「ねぇ、アンタ」
「へっ!? えっ、はい」
俺がそんなことを考えていると気がつけば目の前には不機嫌そうな顔をした柚木さんが立っていた。
急な登場に俺は戸惑いながらも答える。一体、なんの用だと言うのだろうか?
「アンタ……この後第1音楽室に顔を出しなさい」
柚木さんはそれだけ言うと長い間俺と話してられるか、と言わんばかりに足早に去っていくのだった。
ちなみに第1音楽室と言えば……そこは昔は豊富な教養を持つ先生と優秀な生徒によって使われて来た場所。
ただ、しかし第2音楽室が出来て以来使われることが減り……今では基本的に誰かが足を運ぶことはない。
うん、つまるところ生意気な奴とかがいたらしめるのには丁度いい場所、ということだ。
色々と終わったのかもしれない。
俺は絶望感に倒れそうになりながらも、なんとか残った気力で第1音楽室へと向かうのだった。
一体なにを言われるというのだろうか?
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次回「色々と変なんだけど?」
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では!
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